Moussu T

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(Moussu T aka Tatou, Marseille 2009)

 先週末、マルセイユの映画制作会社から突然メールが届いた。「Moussu T e Lei Jouvents のドキュメンタリー映画を制作しており、協力して欲しい」というのがその内容。52分尺というので、テレビでも放送できる長編ドキュメンタリーの国際的な標準長の本格的なもののようだ。制作サイドとしては「彼らのようなローカル・ミュージックがなぜ外国でも認められるのか」といった点に関心があるそうで、会ってインタビューをしたいと依頼してきた。

 残念ながらしばらくはフランスに行く予定がないので、彼らの期待には応えられそうにない(だから、ここで隠さず明かしてしまうのだが)。そもそも私は英語も仏語も話せないし、、、。

 しかし、Moussu T の音楽などを聴いて近年感じていることついて、数点まとめて返答してみた。まずはオクシタニアの音楽、そして Moussu T たちの音楽の特殊性と、それが魅力的に映るいつくかの理由について。次に、自分も含めた日本人の一部が海外の「ローカル・ミュージック」に惹かれる理由のひとつについて。
 後者についてごく簡単に言ってしまうと、、、日本のポップミュージックの大半は、自国の伝統音楽やフォークミュージック(民謡)とは断絶しており、ルーツの希薄さに繋がっている。対してワールド・ミュージックの多くには、強い民族性やそのルーツが認められ、そこに魅力を感じる日本の音楽ファンが多いのではないだろうか。近年はワールド・ミュージック全般が低調なために、コミュニティー性、言い換えればその音楽が持つルーツとの繋がりがより強力に感じられる、「ローカル・ミュージック」へと関心を移すリスナーが増えているのだと思う。そういったことを伝えてみた。

 ところで、その映画会社に私のことを紹介したのは、タトゥ Tatou 本人だとのこと。彼は日本公演を熱望しており、彼とその関係者たちが日本にいるファンに関心を持ち続けてくれているのは、とても光栄なことだと思う。これからも彼らのために役立つことを考えたい。



 余談。

 Massilia Sound System 一派の作品やウェブサイトを眺めて感じるのは、彼らが大変な記録魔であるということ。様々なアイディアが込められたビデオ作品の数が夥しい。数年前に Tatou と Blu にインタビューした際にも、そうした一端を体験した。インタビューの最中、取り巻きたちが「撮影してもいいかい?」と訊いてくるので「構わないよ」と応えると、ずっとビデオを回しっぱなしで、終わった途端には逆にインタビューされてしまった。英語が苦手なくせに、彼らの答えを聞き取ることと、次の質問を考えることと、写真を撮ることとを同時にやっていただけに、インタビューを終えた時にはもうヘロヘロ。そんな時に質問されたものだから、答えがしどろもどろして恥ずかしい思いをしてしまった。まあ、この映像がどこかで使われることは絶対にないとは思うのだが、、、。
by desertjazz | 2009-10-20 01:42

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