追記:Kisar Ikat

追記:Kisar Ikat_d0010432_1536468.jpg
 このブログへのアクセス・キーワードを時たま調べてみると、意外と多いのがバリ島 Ubud の「bucu view bungalow」あるいはそれに類するものだ。そして最近、別のインドネシア関連のワードで度々辿り着いている足跡に気がついた。それは「キサール イカット」。以前、「kisar で検索しても何ら情報が出てこない」といったようなことを書いた記憶があるが、改めて検索してみると、今回は若干数見つかった。

 いずれもキサールのイカットを売っているページで、これらを見て最近のイカットの実勢価格が分かった。それらの中で特に眼を引いたのは、この JITA Collection のページ 。ここには自分が数枚持っているタイプ(20世紀半ばに手紬ぎ/手織りされたもの)と同様なものが掲載されており、売価は13万円ほどと、思っていたよりも安い。世界的な不況下、こうしたものの売買価格も下がっているのかも知れない。またそれほど古くないらしいことも分かった。

 そんなことよりも、思わず眼が釘付け、そして少なからず興奮させられたのは次の2枚だ。実に美しい。。。

マルク諸島 キサール島/1918年ごろの布/320000円
マルク諸島 キサール島/1930年ごろの布/257000円

 キサールには、これだけチモールの意匠に近寄ったデザインの布も存在したことは、勉強させられた。簡単には手の出ない価格なので、せめて現物を拝見したいと思ったものの、すでに売却済だった。残念。

 JITA Collection のアイテムを眺めて、いつか家を持てたなら、こうした布をふんだんに飾って暮らしたいとも、改めて思う。それとともに、やはりプロの収集力は違うなと、感心もさせられた。ときどきブラッとインドネシアに出かける程度の自分には、これだけの収集は困難だ。

 また同時に、欧米・日本のコレクターやバイヤーが買い漁ったために、インドネシアから貴重な布が失われ続けていることには心が痛む。伝統行事に使うために伝承されてきた布の盗難さえ起きているのだから。



 昔からイカットの関連図書は片っ端から買い漁っている。それらの中で一番好きなのは、Roy W. Hamilton が編集した "Gift of the Cotton Maiden - Textiles of Flores and the Solor Islands" (University of California, 1994, ISBN 0-930741-38-2) 。フローレス島の布の色彩とデザインが好きなので、時々この本のページを繰っていて、それだけでとても幸せな気分になれる。



 昨年バリを訪れたとき、Kuta/Legian/Seminyak 界隈のアンティーク・ショップも探索してみようかと思ったのだが、すでにその価値はないと聞かされた。実際、Ubud のアンティーク・ショップを覗いてみても、買う/触れるに値する布が年々減っていっている。そのことは、それだけ各島に価値の高い布が残されていないことの現われなのだろう。

 それでも、イカット好きならば、眼の保養になるショップが Ubud に2店ある。

Threads of Life

 現地の製作を支援する活動からは熱意と愛情が伝わってくる。彼らの援助の元で作られた布は質が高く、また良心的な価格でもある。

Macan Tidur

 アンティークを探すなら、まずはここだろう。昨年は籠を探し求めた。しかし、自分が買いたいと思う品とはまだ出会っていないのだけれど。
by desertjazz | 2010-02-13 03:45

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