Old Time Juju (2) : Ayinde Bakare

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 しばらく古いジュジュを聴いてみる気になり、11/7 に取り上げた Sina Ayinde Bakare の父親の方のアインデ・バカレ Ayinde Bakare から聴き始めてみた。そして、彼がジュジュ・ヒストリー最大の巨人のひとりであることを再認識した次第。

・ナイジェリアのジュジュの原初形は、レゴスのミンストレルたちがタンバリンやサンバドラム(方形のハンドドラム)で奏でるものだった。そこにギターあるいはバンジョーやウクレレなどの弦楽器を導入しされて最初期のジュジュが現れる。1920〜30年代にその中心にいたのがトゥンデ・キング Tunde King 。彼こそがジュジュのオリジネイターと称される所以である。
 同時期活動していたもうひとりが Ayinde Bakare。37年に自身のバンドを結成し、その当時の録音も容易に聴くことができるのだが、Tunde King の土着的な音と比較すると一歩洗練された印象を受ける。

・40/50年代には、ガンガン(Gangan トーキング・ドラム)などのパーカッション、アギディボ(Agidigbo ベース楽器である大型の親指ピアノ)などが導入されることにより、ジュジュのサウンドは変化していく。そうした変化の中でも特筆すべきはエレキギターが用いられるようになったこと。それを最初に行ったのが Ayinde Bakare だと言われている(1949年。正確には ウクレレ・バンジョーという楽器に電気ピックアップをつけた)。

・70年代初頭まで活動し、Ade や Obey の時代(大編成化)への橋渡しをした。最晩年のアルバムを聴くと、片面全てを使ったノンストップ・メドレーになっていて、新時代のジュジュのレコーディング・スタイルにも対応していたことが分かる。

 といった具合に、うる覚えな記憶を書き出してみた(なのでやや不正確かも知れない)。振り返ると、72年に<不自然な死>を遂げるまで、ジュジュの変遷史の長きにわたって重要な役割を果たしてきたことが分かる。こうしたミュージシャンは他にはいない。彼ほど熱心に女性を讃える歌を歌った人物はいないとも語られている(そのあたり、まるで Youssou N'Dour のようでもある)。



 Ayinde Bakare について文章でばかり紹介していても仕方ないとは思ったのだが、少々調べてみたら案外いくつかのCDでも現在でも聴ける(そうした音源の整理も始めてみた)。それ以前に(今、センカクで話題の)YouTube でもいろいろ聴ける。便利になったものだ。




 ここ数日は M. E. ヴィールの『DUB論』を読み続けている。そちらにひと区切りついたら、T. Ajayi Thomas の "History Of Juju Music" (Thomas Organization, 1992) などをしばらく振りに再読し、ジュジュを再履修してみたい。

 余談をひとつ:

 昨晩も登場した T. Ajayi Thomas は、何を隠そうフェラ・クティの "ファースト・アルバム" の音源提供者(といったことは10年前から私のウェブサイトをご覧になっている方ならご存知かな?)。現在流通しているリイシューCDの音をよく聴くと分かるのだが、正規盤の音源は彼からいただいたのと同じコピーが使用されている(勿論、いちいち全てを確認するなんてことはしていないが)。彼が "ファースト・アルバム" を所有していることを知り、そして連絡を取り合えたことによって、フェラとクーラ・ロビトス Koola Lobitos の60年代の録音のリイシューが実現できたのだった。そうした意味では、T. A. Thomas 氏との出会いは、私とアフリカ音楽との関わりの中で最も世間に役立ったものだった、そう今でも考えている。

(不眠症再発で眠く、飲みながら料理の仕込み中に書いているので、今夜はこの辺で失礼。)

→( 最近のブログを部分的に読み直したら、やっぱりケアレスミスなどがあった。気がついた順に訂正中。)






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by desertjazz | 2010-11-09 22:00 | 音 - Africa

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