◆ 旅心を後押しするもの

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 サラーム海上さんのブログの旅日記を楽しく読んでいる。ネットやケータイをフル活用して、日記も毎日更新されるスタイルは、旅先ではなるべくパソコンやネットから離れるようにし、日記もノートに手書きの自分とは対照的なのも面白い。そして、昨年11月に同じモロッコに行ってきたばかりだというのに、読んでいてもう羨ましくなっている。

 この羨ましく思う気持ちが大切なのだと思う。自分はこれまで数えきれないくらい旅行記や探検記を読み、テレビの紀行番組を観てきた。その都度頭に浮かぶのは「羨ましい、自分もいつか行ってみたい」ということ。他の人の旅の記録に接することで大きく刺激され、それが実際に旅に出ようという活力や原動力を生み出したのだと思う。

 とりわけ多大な影響を受けた本を数冊選んでみよう。まず何と言ってもアルフレッド・R・ウォーレスの『マレー諸島』。後にダーウィンの進化論を生み出すことにもなるフィールドワークの集大成なのだが、旅行記として読んでも旅心が猛烈にくすぐられる。これを読んだから、インドネシアへの関心がバリ島から他の島々へも広がっていった。テルナテやアルー諸島への行き方を調べたりしたほどだし、スラウェシ(セレベス)は実際に訪れた。

 アフリカに限っても、一時期書店で手に入るものは全て買って読んでいたので、数多い。それらの中ですぐ思い浮かぶのは、田中真知さんの『アフリカ旅物語』やピーター・フォーバスの『コンゴ河 〜その発見、探検、開発の物語』など。これらを読んで、描かれているのと同じ土地を訪れることを幾度となく夢想したのだった。

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 こうした書物は自身を豊かにしてくれたし、これらに出会っていなかったらあちこち旅することもなかっただろう(実際、学生時代には海外旅行には興味ゼロで、社会人になるまで日本から出たことがなかった。)

 このブログ、暇つぶし的に徒然に書いているとは言え、勿論誰かへの良い刺激になってくれた方が嬉しい。「この本読んでみたい」「この音楽聴いてみようか」「この店のメニューを食べてみたい」、そして「こんな旅をしてみたい」と少しでも感じてもらえたらという願望は、常に頭の隅にある。

 景気が悪くて旅行どころではないという人は多いことだろう。とりわけ今の若い世代は本当に大変なのだろうし可哀想だとも思う。だけど、もし少しでも旅に興味を持っているなら、その気持ちは大事にした方がいい。諦めてしまったらそれでお終い。何の苦労もせずに素晴らしい旅を実現させた人などいないのだ。自分自身、どうすれば次の旅を始められるか常に考え続けているし、これまでに多くのものを犠牲にもしてきた。

 旅に限らず、何か好きなもの、こだわっているものを持っているのは、とても幸せなことだと思う。そしてその次のステップは、それを楽しむための方法について考え尽くすことなのではないだろうか。

 数年前に海外の音楽フェスで、長期旅行を続けている日本の若者と出会ったことがある。彼は日頃から、サラーム海上さんや私のホームページとブログを読んで憧れ、それもあって旅に出たと語ってくれた。自分は本も音楽も旅行も料理(食べること、飲むこと)も好きなので、読んだ本、聴いたライブ、泊まったホテル、食べた食堂などについて度々書いている。そうした紹介が、誰かにとってささやかなヒントや刺激になってくれたらと素直に思う。きっとサラームさんも、少しは似たようなことを考えながら書いているのではないだろうか? (…違っていたらゴメンナサイ。)





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by desertjazz | 2011-01-11 17:00 | 本 - Readings

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