読書メモ:大和田俊之『アメリカ音楽史』ほか

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5/24(火)

 ジュンク堂へ。原発関連の本が増えている。最近の何冊かや広瀬隆の『原子炉時限爆弾』くらいは読んでおきたくなった。だが、もっと理論武装することに意味はあるのだろうが、それは今自分の役割ではないように思うし、原発事故についてばかり読むのも人生のロスである。

 結局買ったのは仕事に必要な本を除くと小説ばかり。1冊はカズオ・イシグロの短編「日の暮れた村」を収録していることを知った河出世界文学全集の『短編コレクション II』。

 夜、荘中孝之『カズオ・イシグロ〜〈日本〉と〈イギリス〉の間から』と「日の暮れた村」を読了。前者は興味深い指摘も多かったが、イシグロの魅力の核心よりもやや周縁的な話に終始している感も。「日の暮れた村」も含めて、カズオ・イシグロはやはり哀しいノスタルジーに惹かれる。


5/25(水)

 24時近くまでかむなびで呑んでいたので、ほとんど読書できず。梅棹忠夫などを少しだけ読む。気になった『朝日ジャーナル』の臨時増刊も買いに行けず。


5/26(木)

 大和田俊之の『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社選書メチエ)を読了。実に面白い研究書だ。

 19世紀のミンストレル・ショウに始まり、ブルース、カントリー、ティンパン・アレー、ジャズ、R&B、ロック、ソウル、そしてヒップホップまで、アメリカの主要なポップ・ミュージックの歴史を網羅的に解説する。いずれの音楽スタイルの変遷も、決して単系なものではなく、より幅広い相互影響が及んだものであること、本流たる正史が固定化することで削ぎ取られてしまったそうした歴史の傍流があることを、膨大な脳内データベースをリンクさせて解き明かす。

 次々と斬新な視点を紡ぎ出していくのだが、フランス音楽やラテン音楽から影響された可能性についての指摘などは、従来の音楽史がある程度頭にこびりついてしまっている読み手にとってかなり刺激的。後半ほど挑戦的な論考(特に最終章)で、比喩的連関から導き出されたように読める断定や仮説も多く、そのあたりは検証が必要だろう(反論や批判も多そうだ)。

 それでも、ジャズ革命の文節点としてビバップ誕生よりもモードの導入を重視する理由や、ムーンウォークの歴史的/宇宙空間的解釈 (P.214) の下りあたりは、ちょっとしたミステリーを読むような論理展開に唸らされた。





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by desertjazz | 2011-05-26 20:00 | 本 - Readings

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