◆ Kaushiki Chakrabarty (7)

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Kaushiki Chakrabarty Desikan / "Boon" (N A Classical, India, 2008)

 前作 "Kaushiki" はやはり特殊な作品集だった。Dhrupad、Khayal、Tanara、Dadra など北インド(ヒンドゥスタニ)の種々の形式に加えて、南インド(カルナティック)の Varnam、Thillana までもを取り上げて、カウシキの幅広いテクニックと表現力を示す、ある種ショーケース的な内容だった。

 続く『恩恵』と題されたアルバムはライブ録音のみに戻っている。10通りある音階(音の組み合わせ)のタート Thata に基づき、いくつかの約束事に則って生まれる音階(音の上昇下降パーターン)ラーガ Raga。そのラーガを基本とする北インド古典声楽であるドゥルパッド Dhrupad やカヤール Khayal をじっくり歌い聞かせるのが彼女本来のスタイルなのであろう。

 1トラック目は Raag Multani は、ムルタニという良く知られた?ラーガに基づく約1時間。いつも通り4パートほどに分かれていることが聴き取れるが、残念ながら詳しいクレジットは全くない。

 2トラック目は Thumri で約17分の小品。トゥムリは準古典形式の恋愛歌で、ドゥルパッドやカヤールなどよりも、可憐で柔らかく暖かい印象を受ける歌である。1時間ほどノンストップで歌われるカヤールなどの後、歌い手にとっても聴き手にとっても喉休め/耳休めに相応しい曲だろう。

 ちなみにこのアルバムは滅多に見かけることがないので、入手が難しい1枚かもしれない。


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Kaushiki Chakrabarty / "Live at Saptak Festival" (Sense World Music 112, UK, 2009)

 続くアルバムもライブ録音で、約1時間の 'Raga Maru Bihag' と小品 'Raga Bhairavi' を収録。やはりこうした組み合わせがカウシキの通常のライブのレパートリーのようだ。録音場所は Saptak Festival で、彼女はこのフェスティバルの常連となっている。

 伴奏者のうちタブラを演奏しているのはスバシス・バタチャルヤ Shubhashish Bhattacharya。昨年スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 2010 で来日したデバシシュ・バタチャルヤの弟で、昨年その兄のライブでも伴奏し、今夏のカウシキのライブにも帯同、伴奏することが発表されている。


(上記2枚に関しては、後でもう少し追記する必要がありそう。)





 さて、これでカウシキの全アルバム・レビュー完結、と言いたいところだが、最近になって他にも録音作品がいくつか見つかった。

 …ということで、 ◆ Kaushiki Chakrabarty (8) に続く。





Kaushiki Chakrabarty (1)
Kaushiki Chakrabarty (2)
Kaushiki Chakrabarty (3)
Kaushiki Chakrabarty (4)
Kaushiki Chakrabarty (5)
Kaushiki Chakrabarty (6)・・・一部修正&追記
Discography of Kaushiki Chakrabarty Desikan・・・後日4タイトル追加予定




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by desertjazz | 2011-08-13 12:00 | 音 - Music

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