2011年 08月 21日
SUKIYAKI TOUR 2011 (9) : Day 3 - part I
ところが…。
Wifi の通じるホテルのロビーで iPad でネットをチェックしていると、ゲンブリのハードケースを引きずって降りてきたアマジーグとばったり。そして「シンポジウムに来るよね」と声をかけてくる。
やっぱり行くかと思い直しながら、時間調整?しているアマジーグと一緒に記念撮影したり、最新作 "Marchez Noir" にサインをもらったり。前回来日した際にも同じことをしていたなと思いながら、「5年前にもあちこちで会いましたよね」と話かけると「そうか、会ったような気がしたのだけれど、思い出せなかったんだ」と。多分すっかり忘れているはずなのに、さりげなくこんな気遣いをできる男。
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ということで、12時半から「シンポジウム:アラブ諸国民主化運動と音楽〜ジャスミン革命以後〜」へ。パネラーは、粕谷雄一、サラーム海上、アマジーグ・カデブ、モハメド・セルジュ(オマラ・モクタル・バンビーノの「学者」プレイヤー)など6名。
まずは粕谷先生による北アフリカ諸国の近現代の歴史ガイダンスからスタート。参加者そぞれぞれが語りたいことがたっぷりあって、内容の詰まったシンポジウムだった。
アマジーグが語り始めると止まらない。来日中のインタビューもどれもが充実したものになったようだ。
サラーム海上さんはグナワについてモロッコでの映像を交えて解説。彼が披露したエジプト滞在中に撮影したビデオ(民主化デモの映像など)は、これまでこれを観る機会のなかった人たちにとっては新鮮だっただろうと思う。
彼が泊まっていたホテルに催涙弾が落ちたとき「催涙ガスを吸うと怒りっぽくなるので、窓を閉めた」と話していたが、こうした特徴は知らなかった(以前イスラエルでパレスチナを取材中、催涙弾を投げつけられたことがあったけれど、催涙ガスの強烈さは実際に体験しないと分からないと思う。呼吸しずらくなるし、まともに喰らうととても眼を開けていられない)。
盛り上がったのは、サラームさんが「アマジーグのソロ・アルバムがミュージック・マガジンの年間ベストで1位」と紹介したとき。アマジーグは自分の作品がこれほど高評価されていることを知らなかったそうだ。
もともと今回のテーマに関心の深い人が集まっているなら、北アフリカの基本事項やグナワ、アマジーグとモハメドの音楽についての紹介などはもう少し簡略して、さっさと「ジャスミン革命」についてのフリーな討論に移ってしまっても良かったんじゃないかな? はっきりしたことは言えないけれど(なぜならカウシキのコンサートの席取りをするために最後まで居られなかったから)。
粕谷さんとサラームさんがきちんとリポートすると思うので、これ以上詳しいことは書きません(と、丸投げ…)。
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ライブ、ワークショップ、写真展などと並行して、こうした取り組みを続けているのもスキヤキの魅力だと思う。
この夜、リビアでカダフィが逃亡、彼の政権が崩壊しら報が世界を駆け巡る。何か符号しているような気もする。
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(2011.08.31 記)
(続く)
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