ジャズの本

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 昨夜は中山康樹の『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』を読了。歴史的に半世紀ほども離れていて関係性が薄いと感じられるビバップとヒップホップを、ここまで引き寄せ合わせた論考って、多分これまでなかったのではないだろうか。具体的な証言や音源を紹介しながらの研究成果には頷く点が多いが、ジャズ(が本来的に持っていた黒い資質のようなもの)がヒップホップに内包されたとするような主張には幾分違和感もおぼえる。マイルス・デイヴィスの音楽変遷を軸に語られていることもあって、マイルスの晩年の作品などは全く聴いていないのではっきりした判断はしかねるところもあり。大和田俊之の『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』を読んだ時にも思ったことだけれど、音楽史の再考/再検証の可能性はまだまだ残っている、あるいは終わりがないのかも知れない。この本の論点を頭におきながら、手元の古いレコードを聴き直してみようかといった気にもさせられる一冊ではある。




 先日 Tower Records でのこと。特集タイトルが気になって『ジャズ批評 163号 特集:ジャズ・ロックって 何だ?』をパラパラ捲ったら「ジャズ・ファンにオススメするプログレ20選」という記事があった。Khaliq Al-Rouf & Salaam の "The Elephant Trot Dance"(Alvin Queen がプロデュースした最高にカッコいいジャズ・アルバム)なども入っていて、変わったリストだなと思いながら筆者を確認すると「伊藤龍秀」。なんだ、伊藤くんじゃない! 彼は大学の呑み仲間だった。その20選を見ると "The Elephant Trot Dance" の他にも "Mark - Almond"(Marc Almond じゃない方)が強引に入っていてかれこれ30年経っても好みが変わっていないことを知り、なんだか懐かしくなってしまった(その思い出話はどれも彼のプライベートなことになるので書かないけれど)。伊藤くんが音楽について書いた文章は初めてみたけれど、クラシックを中心に貴重なアナログ盤を強烈に蒐集している話は聞いていたので、やっぱりその筋?では有名なんだな。





by desertjazz | 2011-10-13 08:30 | 本 - Readings

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