読書メモ:カズオ・イシグロ

 4作目『充たされざる者』を読む2日目。前回読んでいて困惑の極みに陥った冒頭の不可解なエレベーター内の会話や、後半?での電車内での食事や片足になって指揮をするシーンなどはよく憶えているが、今のところはすっかり忘れている内容が大半。そう思っている先から、すでに過ぎた部分の記憶が曖昧になる。やはり難敵の厚さだ。

 相変わらず読み手をイライラさせることを目的として書かれたような印象の小説で、どう楽しんだらよいのか分からない。カフカの『城』をメビウスの輪のようにもうひとひねりした作品を目指しているかのようだ。

/2日目 〜P.230


 大野和基による長いインタビューを通して読んでみた。「二作目と三作目(『浮世の画家』と『日の名残り』)はほとんど同じだ、舞台設定が日本かイギリスかの違いだけだと言った人もいます。その言い方はいささか辛辣かもしれませんが、そこにある程度真実があることも確かです。」とある。今回その2冊を読み直して感じたことは、外れてはいなかったようだ。





by desertjazz | 2011-11-14 22:00 | 本 - Readings

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