読書メモ:カズオ・イシグロ

 カズオ・イシグロの長編小説5作目『わたしたちが孤児だったころ』を読み始める。急に寒くなり風邪気味のせいもあって、今日はさほど進まず。だが PART 1 からすでに、人間心理の微妙な機微の表現に感心させられることしきり。

 この小説を最初に読んで印象に残っていることのひとつが、前半と後半とで相当に違った作品になっているということ。まるで 'Band On The Run' のように異なる2つの作品を合体させたよう、というはおかしな喩え方か?



 前作『充たされざる者』で主人公ライダーは3日間ほとんど食事することがない。そのためか読んでいて腹が減ってくる気分になる小説でもあった。それとどこかの解説で指摘されていたことだが、ライダーが招く空腹感とは対照的に食べるシーンが確かに異常に多い小説でもある。村上とはまた異なった食べることへのこだわりがあるのだろうか。





by desertjazz | 2011-11-22 23:59 | 本 - Readings

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