"Chants Berberes de Kabylie"

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 アルジェリアは昨年独立50周年を迎え、それを記念して様々なコンピレーション盤が作られ(4CD クラスの力作揃い!)、アルジェリア音楽の歴史と魅力について伝える役割を果たした。先日出た Lili Boniche のアンソロジー(World Village 盤)もちょっとした注目を集めている。そして Amazigh Kateb 率いる Gnawa Diffusion がいよいよ10年振りに新作アルバムを発表(これは日本語解説を読みたいので、本日発売?の国内盤待ちにつきまだ未聴)。

 かつてのワールドミュージック・ブームのころには、日本ではライくらいしか知られていなかったように思うが、最近のリリースを通じてアルジェリア音楽の面白さが再び認められてきているのではないだろうか。そのことから考えても、連日アルジェリアの負の面ばかりが報道され語られるというのはとても残念な状況だと思う。

 そのようなことをつらつらと考えながら、今夜は 仏 Creativ Productions からリリースされたカビール(アルジェリア北部のベルベル系民族、で正しい?)のリイシューシリーズ "Chants Berberes de Kabylie" を聴いている。El Hasnaoui, Slimane Azem, Kamal Hamadi, Hanifa らによる、主にウードやダラブッカの伴奏で歌われるこうした素朴な音楽も、アルジェリアを代表する大衆歌謡のひとつと言ってよいだろう。

・ KAMAL HAMADI "KAMAL HAMADI"
・ EL HASNAOUI "EL HASNAOUI"
・ EL HASNAOUI "MAISON BLANCHE"
・ HANIFA "UNE AME BLESSEE"
・ SLIMANE AZEM "LE MALHEUR DES TEMPS"
・ SLIMANE AZEM "TASEKKURT"
・ SLIMANE AZEM & NOURREDINE MEZIANE "LA CARTE DE RESIDENCE"

 Slimane Azem と Nourredine Meziane の掛け合いによる語りものなどはモロッコの Houcine Slaoui にも通じる印象。節回しが本当に似ている。彼らの 'La Carte de Residence' は Zebda の Mossu et Hakim らによる Origines Contrôlées も取り上げていた曲。Slimane Azem & Nourredine Meziane はそのオリジナルヴァージョンなのかな(彼らの CD は 1978年のアルバム "La Carte de Residence" をそのままリイシューしたもののようだ)。

YouTube - Origines contrôlées carte de résidence


 昨年秋のモロッコ入手盤は12月初旬に半分程度まで聴いたところで中断中。相変らず音楽をじっくり聴く余裕がなくて、ベルベルやシャービのレコードにはまだほとんど手をつけられていない。それらがひと区切りついた時点で、昨年フランスで買ってきたこれらのカビールのCDを紹介しようかとも考えていたのだった。ところで Creativ Productions 盤は日本に入ってきたことがあるのだろうか?


(追記)

 聴き出したら、当然ながら後年の Zebda などとの繋がりが見えてきたり、反対に全く聴いたことのないようなスタイルの新鮮があったりと、たいへん興味深い。こうしたカビールの音楽も時間を作って掘り下げる価値がありそうだ。課題は増えるばかり…。




 ベルベルといえば、この写真。何度見ても惚れ惚れする。完璧。

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 今日からまた遠出。これから4月頃までは旅行を繰り返すことになるかも知れない。海外各所に出かける誘いやプランもあるけれど、当面は国内旅行が中心になりそう。

 …ということで、またしばらくの間はネットから離脱しがちになると思います。






by desertjazz | 2013-01-25 00:00 | 音 - Africa

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