"commons: schola | Traditional Music in Africa"

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 坂本龍一が総合監修している『音楽の学校 (schola) 』、第11巻は「アフリカの伝統音楽」。昨年暮れ発売になったときご献本いただいたこの本、ざっと読み通した後は付属 CD を時々聴いている。

(昔私が書いた文章をあれこれ参照したとのことで、制作された commons の方が送って下さった。ありがとうございます。)

 テキストの方は、坂本と塚田健一を中心に、小沼純一、分藤大翼、川瀬慈、後藤繁雄といった研究者/学者らによって対談、執筆されている。1時間で読み切れる程度の分量なのだが、初心者にとってもアフリカの伝統音楽に対して興味の湧きそうな内容だろうと思う。どうしてもテーマが限定的になることもあって、もっとたっぷり読みたくもなるが、導入篇の教科書としてはこれくらいがちょうどいいか?

 CD の方は懐かしい音源も多いが、塚田、分藤、川瀬による現地フィールドレコーディングの8トラックも思わず聴き入る面白さだった(もちろん全て初めて聴くものばかり)。解説をじっくり読み直しながら聴いていけば、自分のアフリカ伝統音楽への関心もさらに膨らんでいきそうだ。

 実際こうした伝統音楽(民族音楽)をもっと聴きたくなっている。伝統音楽は素朴なのだけど奥深いものを感じる。今回収録された分藤大翼らによる録音もかなり面白いし、彼らの研究はもっと読んでみたくもなる。アフリカ音楽は(アフリカに限らないけれど)ポピュラー音楽もいいけれど、伝統音楽(民族音楽)にも興味が尽きない。




 『音楽の学校 (schola) 』を読んで/聴いて個人的に驚いたのは、参照音源としてブッシュマンの親指ピアノ(Dango, Dengu などと呼ばれている)が取り上げられていること。それも John Brearley が1990年にリリースしたカセットから(参考:Records of Bushman に掲載済み)。こんなカセットを持っている日本人なんて一体何人いるのだろう? 

 世界中のありとあらゆる音楽の中で個人的に一番好きなもののひとつがブッシュマンの音楽。カラハリ砂漠の最奥で老人のつま弾くデングと出会い、心底惚れ込んでしまった。このカセットに収められたコーラスや親指ピアノの弾き語りも素晴らしく、どのトラックも大好きだ。けれど CD 化されるのは難しいかなぁ。

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(分かりにくいと思うが、背景はブッシュマンが手作りしたハンティングキット。カラハリでキャンプ生活したときの大切な思い出の品である。野生の皮を使っているので「匂いが出てダメになりやすい」と言われたが、20年近く経った今でも問題ない。)

(John Brearley 音源が『 schola 』に収録された経緯などといった余談も伺ったので、それは何かの機会に。)




 分藤大翼は『講座・生態人類学 森と人の共存世界』(京都大学学術出版会、2001年)や『森棲みの社会誌 II アフリカ熱帯林の人・自然・歴史』(京都大学学術出版会、2010年)などで知ったピグミーの研究者。タイミング良いことに彼が主催するイベントが今週から来月にかけて予定されている。どれもが気になるプログラムなので、どの1日でもいいから参加してみたい。

(・・・と思ったのだけれど、今現在、全日程とも別の予定が入っている。3.11 東日本大震災2周年直前なので、さすがに時間のやりくりがつかない。残念。)

映像人類学者・分藤大翼の『アフリカ、森の民の音楽と食事』展




 そして『 schola 』のTV版(ETVで毎週水曜23時放送)は、今週からいよいよ「アフリカ音楽」編のシリーズが始まる。

スコラ | 坂本龍一 音楽の学校
 

(先週で終わった「映画音楽」編は毎週岸野雄一のコスチューム?で話題沸騰だったが、アフリカ編はさていかに?)







 
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by desertjazz | 2013-02-10 14:00 | 音 - Africa

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