I Love Marseille (New Discs from MRS)

 近頃聴いているマルセイユ盤をまとめて紹介。


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・ Moussu T e Lei Jouvents "Artemis"

 まず一番に楽しみにしていたのは、Moussu T e Lei Jouvents の第5作目(スタジオ録音盤のみ数えて) "Artemis"。これが発売日 4/23 をとうに過ぎてもなかなか届かなくてやきもきさせられたのだけれど、待った甲斐があった。初期の頃を思い起こさせるシンプルな曲から、作り込みの深くなった曲まで、さらにはオクシタン・コーラスの重なる曲もあり。今はただ繰り返し聴いて楽しんでいるところ。對馬さんがたっぷりお書きになっているので、それ以上ここに綴る必要はないかな?

 思い出すのは、昨年秋に Tatou (Moussu T) と同じ Massilia Sound System の MC を務める Gari Greu に会って聞いた話。「今回のソロ・アルバムはあまりに Moussu T のサウンドにそっくりじゃないですか?」と尋ねたら、「Tatou はロックやブルースやレゲエやラガなどを組み合わせて、それまでマルセイユになかった新しいサウンドを作り上げたんだ」と Tatou へのリスペクトを表しつつ、タトゥー・ミュージックとでも言うものを高く評価していたのだった。ソロ作 "Camarade Lézard" を制作するに当たっても、真っ先に Tatou や Blu に相談したそう。つまりは Tatou のパーソナルなサウンドを模倣するのではなく、それをひとつの新しいサウンド・スタイルと捉えて、彼もそうしたサウンドのアルバムを作ってみたかったような話し振りだった。

 その気持ち分かるような気がする。Moussu T のサウンドには独特な心地よさが備わっていると思う。自分も Tatou の声と Blu のギター&バンジョーの音が聴こえてきただけで、もううっとりしてしまう。とにかく「好き!」としか語る言葉の浮かばないアルバム。そんな音楽を持てているのは、本当に幸せなことだと思う。


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・ Temenik Electric "Ouesh Hada ?"

 Temenik Electric はマルセイユを拠点に活動する5人組アラビックロック・バンド。2枚の EP "Temenik Electric" (2010)、"Hainik" (2011) に続いて発表したのが初のフルアルバム "Ouesh Hada ?" である(4/29 にリリース)。

 2本のギター、ベース、ドラム、それに Machines といった構成なのだが、エレクトリック・マンドール(マンドーラ)やベンディール、アラビックフルート(ネイかな?)のサウンドも随所に組み込まれている。これらは Machines からのサンプリング・サウンドなのかも知れない。

 サンプル CD を送ってきてくれたマルセイユの知人(バンドの広報担当)が「U2、Rachid Taha と Cheikaha Rimitti の間に位置するアラビックロックで、トラディショナルなグナワのリズムとアラビア語で歌われるエレガントなエレクトロロックのミックス」だと書いてきた。確かにそんな印象もするのだけれど、基本はヘビーなロックサウンド。さすがに Rachid Taha なんかと比べると、歌は弱いし、メロやアレンジにもうひと工夫欲しいところでもある。録音もややキレが足りなくて、もっとざらついた感じに仕上げてもよかったのではないだろうか。

 まあその辺りはまだ伸びしろがあるということ。ライブだともっといいんじゃないだろうか。新作発表を受けてフランス/ヨーロッパ・ツアーに出たところで、某所では何と Goran Bregovic と一緒にブッキングされている。


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 同封されてきたプレスキット。プロモーションにも力が入っている。


 追記:エル・スールのページによると「マルセイユのマンドゥーラ名人、ハキム・ハマドゥーシュ(ムース&ハキム)が1曲で参加!」とのこと。やっぱり生楽器の音だよなぁ。(6/8)


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・ Shurik'n "Tous M'appellent Shu"
・ Imhotep "Kheper"


 マルセイユのヒップホップ・ユニット IAM のメンバー2人が昨年に出した、それぞれのソロ作も最近のお気に入り。

 シュリケン Shurik'n の "Tous M'appellent Shu" は王道ヒップホップの充実作。昨年マルセイユで観て来た彼のライブを懐かしみながら聴いている。イムホテプ Imhotep の "Kheper" は日本の三味線やホーミーまでもサンプリングしていて面白い仕上がり。本体 IAM も最近新作 "Arts Martiens" を発表したので、そろそろこれもオーダーしてみようと思っている。





 今年もマルセイユの Dock で10月に開催されるはずの Fiesta des Suds は、まだ日程が発表にならない(事前情報も届いていないので、具体的内容まではまだ固まっていないのかも知れない)。それより前に例年通り、その先の Babel Med Music の日程の方が先に発表された。開催日は 2014年3月20〜22日の3日間。来年は10回目という節目になるので、それを記念した企画もありそう。


(ただ今年秋も来年春もマルセイユに行けるかどうかは、かなり微妙な状況。引き受けた仕事と、計画中の旅行が多すぎて、全てを実現するのは日程的にもかなり厳しいなぁ。)


 これもずいぶん先の話になるが、日本国内でも楽しみなイベントが発表になった。アンスティチュ・フランセ Institut Français 今年秋の「第5回 美食の祭典」のテーマは、何と地中海! 9/28, 9/29 の2日間「五感でご堪能いただける、美食や味覚に関する、映画特集、舞台芸術作品、展示会を開催しています。」とのこと。

 もし今年マルセイユに行けなかったら、ここでたっぷり地中海の味を楽しんで来ようと思っている。





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by desertjazz | 2013-05-06 12:00 | 音 - Music

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