Hard to Say Goodbye, Chiwoniso

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 大好きなチウォニーソ(チウォニソ・マライレ)が突然世を去ってしまった。

 ジンバブウェのニュースサイトが彼女の訃報を伝えていることに気がついたのは昨日25日の朝のこと。最近、パパ・ウェンバやネルソン・マンデーラに関する誤報が続いていたので、今回もそうであって欲しいと願った。しかし、ハラレ発のニュースを追うように、Cumbancha や BBC もツイッターで速報。今回ばかりは間違いないのかも知れないと観念したのだった。

 報じられるところによると、24日に肺の病によりジンバブウェ国内の病院で死去。まだ37歳だったという。あまりに若すぎる。


 私がチウォニーソと出会ったのは1999年、彼女のデビューアルバム "Ancinet Voices" (Lusafrica, 1998) を聴いてのこと。ジンバブウェ南部の各地で目にする特徴的な巨石、その上に佇む少女の様な可憐な姿(撮影は同国南東部のジンバブウェ遺跡近郊で行われたようだ)に真っ先に眼が釘付けになった。

 そしてチウォニーソの紡ぎ出す音楽。自身爪弾くンビーラ(ショナ人の親指ピアノ)をベースに据えながらも、アコギやエレキ、ホーンズのソリッドな音を重ねてモダンなアレンジが施された、都会的センスを感じさせるサウンド。清涼感溢れる魅力的な彼女の歌声。どこまでも軽やかなサウンドに一気に魅入られた。経歴を読むと、父の仕事の事情からアメリカで生まれ育ったという。そのあたりは外交官を父に持つマリのロキア・トラオレと通じ合うものを感じた。チウォニーソとロキアが新世代のアフロポップを担っていく、当時はそんな予感を抱いたのだった。

 その後発表した作品はどういうわけか少なかったが、どれもが充実したものだった。"Timeless" (Metro, 2004) も "Rebel Woman" (Cumbancha, 2008) も高く評価されたし、女性の地位向上を目的に(だっただろうか?)ノルウェーで制作された企画盤 "Woman Care" (2005) も愛聴した。

 そして 2010年、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドのスペシャルユニット Sukiafrica で遂にチウォニーソの生演奏に接し、彼女に会うこともできた。来日時にサカキマンゴーさんの新作録音に参加した 'ネマムササ・ロック Nhemamusasa Rokku'("oi!limba" 収録曲)は10分超の壮大なリンバ・ロックで、これも晴らしかった。

 けれども、私にとってのチウォニーソはファーストアルバム "Ancient Voices" が一番。この爽やかな音を聴いて、新たなアフリカンポップが生まれたのだという感慨が忘れがたい。

 中でも冒頭の 'Mai' が大好き。この曲は亡き母へのトリビュートであることに今さらながらに気がついた。そして歌詞を読んで愕然、、、

 ♪ I still find myself searching for your face
 ♪ Though I know you're gone
 ♪ And it's so hard to say goodbye


 まるで彼女のことを悼むみたいで、今の私たちの心を代弁しているかのようだ。なんて悲しい歌だったのだろう。




 記憶では、父ドゥミサニ・マライレ(ジンバブウェを代表するンビーラ・マエストロだった)も活動盛んなうちに早逝し、主人であり音楽面でのパートナーでもあったアンディ・ブラウンも昨年若くして亡くなった。残されたふたりの子供のことが気がかりです。






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by desertjazz | 2013-07-26 23:00 | 音 - Africa

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