読書メモ:ミシェル・ウエルベック『地図と領土』

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 ミシェル・ウエルベックの最新作『地図と領土』を読了。何なんだ、この面白さは!

 著名人、有名人が次々登場するが、どこまでが事実で、どこからが妄想なのか。作者自らもキーパーソンとして登場し、それがとんでもない末路に。時代設定も過去から未来まで股にかける(主人公の生涯、思わずオスカー・ワオと対比してしまった)。驚くまでに繰り出される知識と情報が渦巻き、全編を通じてリンクする。アメリカにトマス・ピンチョンいれば、フランスにはウエルベックがいる? 何とも圧倒的なスケール感だ。

 現代アートについての創造的センスがとにかく素晴らしい。ジャクソン・ポロックやコルビュジエについて語られる辺りにも心をくすぐられる。アートをテーマにした小説としても、原田マハ『楽園のカンヴァス』より100倍深い。

 ウエルベックはスキャンダラスな評判が気になってパスしてきたけれど、これで全部読みたくなった。『素粒子』はすでに買ってあるが、これは来月の旅行中に読む予定。

 この小説、昨年中に読んでいたらベスト10に入れたな。


(追)ミシェル・ウエルベックはレユニオン生まれなのか。『地図と領土』で登場人物たちが生地に戻ろうとする憧れは、この根なし感から来ているのかもしれない?

(追)小さなエピソードのひとつひとつが、それだけで小説になりそうなくらい深い。自分のこれからの生き方についても反照させられる。もしかすると、繰り返し何度も読み返す作品になるかも知れない。


(From FB)





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by desertjazz | 2014-02-13 23:59 | 本 - Readings

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