New Disc : V.A. "African Gems" (2)

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「これは全音楽ファンに聴いて頂きたい大傑作!!!」shhhhh氏がここに書いた言葉 を Twitter で紹介したら、それがどんどん拡散中。SWP からの新作 "African Gems"、ライターやバイヤー諸氏からの前評判が高いと聞いていたが、どうやら本当らしい。

 その "African Gems" の日本盤が明日8日にアオラ・コーポレションから発売になる。その機会に、このブログでも改めて紹介しておこう。

Ahora | African Gems-Recorded In Central Africa Between 1965 ~ 1984 アフリカの宝石たち - 1965~1984年の中部アフリカにおけるフィールド・レコーディング集

 このアルバムは、シャルル・ドゥヴェル、ヨス・ガンゼマンス、ブノワ・クエルシン、デヴィッド・ファンショーという欧州の「録音家」4人が1965〜1984年の期間に(主に)アフリカ中部でフィールド・レコーディングした珠玉の12トラックを SWP のマイケル・ベアードがリマスターしコンパイルしたもの(ネット上で多くに「1965〜1982年」と書かれているが、これは誤り)。

 このアルバムの最大の魅力は次の2点だろう。

(1)自然素材だけから作られたアフリカ民族楽器による音楽の圧倒的な面白さ

(2)アフリカ民族音楽であることさえ忘れさせる音響面での面白さ

 それらのことについては、ブログでもじっくり書いてみたいけれど、ライナーノーツに詳しく書いたので、ここでそのこと全部を書くわけにはいかない(よければ CD 買ってライナー読んでください)。

 SWP Records を本邦に紹介した責任を感じて? SWP のアルバムのライナーは何とか書くように務めているので、今回も執筆させていただいた。しかし、英文ライナーがいつもと同様に充実しているので、そこに加えるようなことはほとんどなかった。なので、英文ライナーのポイントを抄訳した上で、足りないところなどを若干補足することに。

 ライナーを書きながら浮かんだ疑問は随時、プロデューサーのマイケル・ベアードにメールで質問したのだったが、毎度即座に回答してくれた。一番の疑問は収録トラックが未発表録音なのかリイシューなのかということ。そのあたりについて英文ライナーの書かれていなかったので、マイケルに確認したところ、全て既発表とのこと。ただし、仏オコラを創設したシャルル・ドゥヴェルの7トラックはどれも未CD化のままだし、他のトラックに関してもリマスタリングしたり、従来フェイドアウトしていたものをオリジナルの長さのままで収録したりしているとのことだった。

 今回マイケルとメールをやり取りして強く感じたことは「失われた音楽への危機感」のようなものだった。例えば CD1トラック目は、シャルル・ドゥヴェルが録音し、1974年にオコラの "Musiques de Cameroun" で発表されたもの。しかしこれはそれ以降忘れられたままだと言う。素晴らしいアフリカの音楽遺産を再認識してもらおうとする彼の姿勢は、ヒュー・トレイシーの一連のリイシューと全く変わっていない(そう言えば、トレイシー・シリーズに "Forgotten Guitars from Mozambique" なんてタイトルのアルバムもあった)。

 そんなマイケルの精神が自分自身にも伝わってくることを感じる。具体的なことまでは書けないが、マイケルとは「失われた音楽」の再発見、アフリカ音楽の録音史などに関して共同制作しよう、一緒にアフリカに行こうなどと、長年やりとりしている。もしそれらが実現できたら、きっと良いものが作れることだろう。いつかその日がやって来てほしいと思い続けている。


 どうやら "African Gems" は今年のワールドものを代表する1枚になりそう。そんな音楽をいち早く紹介し、ライナーまで書くことができたというのは、音楽ファン冥利に尽きるのかも知れません。






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by desertjazz | 2014-06-07 00:00 | 音 - Africa

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