Jupiter's Dance in Japan

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 8月、夏真っ盛り。いよいよスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドの季節。今年はコンゴからジュピテル(ジュピター)Jupiter & Okwess International がやってくる。

 ・SUKIYAKI MEETS THE WORLD 2014
 ・SUKIYAKI TOKYO 2014

 その来日ステージに合わせて、彼らを世界に知らしめたドキュメンタリー映画 "Jupiter's Dance" が富山と東京で上映される。

 ・8/24(日)映画上映「Jupiter's Dance」(ジュビターの踊り)
 ・8/27(水)ジュピター & オクウェス・インターナショナル "ルベル将軍を迎えて"

 2つのイベントのいずれにも協力していることから、久し振りにその DVD をじっくり観直してみた。

 この映画は、2006年にコンゴの首都キンシャサの低所得者層が暮らすエリア(ゲットーと言ってもいいのだろう)で撮影されたもので、そこの人々の様々な音楽や、彼らの暮らしぶりを見事に捉えた作品となっている。改めて観てみると、素朴な歌、スークース(リンガラ)直系のポップス、そしてラップと、いずれもがとても魅力的だ。

 私が特に興味深く思ったのは、いろいろな楽器を手作りしていること。藁を束ねてドラムにしたり、空きビンに缶を打ち付けてパーカションにしたりと、実に巧みで興味深い(スタッフ・ベンダ・ビリリのロジャーのあの1弦ギターも登場する)。

 キンシャサに限らずアフリカの大都市は周辺民族が離合集散することで新たな文化が滋養されるメルティングポットである。そのことはヒュー・トレイシーの一連のCDのライナーノーツなどでも指摘してきた。映画の中で圧倒的存在感を示すジュピテル・ボコンジもそのことを強く意識し、コンゴの諸民族の多様なリズムがキンシャサのミュージシャンたちの音楽のベースになっていることを強調していた(コンゴには446ないしは450もの民族が暮らし、それぞれが10のリズムを持っていると語られる)。

 そうした音楽が、人々にとってとても大きな楽しみである様子がひしひしと伝わってくる一方で、一面では経済的に生活を支える糧にもなっていることに、彼らの生活の過酷さが感じ取れた。

 その他、印象に残ったこと(アトランダムに…)。

・ジュピテル曰く「オレの血管には音楽が流れている」
・市井の人々、ゲットーの暮らしが活き活きと描かれている。
・子供たちに対する暖かい視線。本当に子供が多い。
・コンゴを、キンシャサを愛していることが随所から伝わってくる。
・普段の生活の中で人々がしっかりと繋がっている姿が眩しい。
・コンゴ音楽の中でギターが重用されることと、ラップの流入について考察させる(50centのTシャツ多いな)。
・ダンスの圧倒的魅力。
・ジュピテルのファッション・センスが最高。
・仲間たちから愛され頼りにされるジュピテル。
・「イスラエルとパレスチナの子供同士が喧嘩しようとも…」とか「近い将来、世界が俺たちの音楽を聴くようになる」とか、暗示的。
・明るい未来予測を語るミュージシャンたち。
・戦争の傷跡を語る人々の言葉の重さ。

(全くの余談になるが、蒸す夜には Primus と SKOL が益々懐かしい。いずれもコンゴを代表するビールです。→ 参考

 この DVD が日本に入ってきた時、アフリカ音楽ファンの間でかなり話題になったが、今観ても見所満載の作品だと思う。

 DVD にはジュピテルのファースト・アルバム "Man Don't Cry" のCDが同封されている。コンゴの各地方のリズムを想像させるアコースティック主体のサウンドとアーシーなブルース感がいいね(このCD、今回初めて聴いたかも?)。昨年リリースされたセカンド "Hotel Univers" の、カメルーンのマコッサやナイジェリアのアフロビートもまでを取り込み、堅実にプロデュースされた派手なサウンドとは対極にある。地域密着な活動を20年以上続けてきたジュピテルたちが、世界的に有名になった今、これからどういった方向に進もうとしているのかも気になるところである。






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by desertjazz | 2014-08-01 23:50 | 音 - Africa

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