読書メモ:ミシェル・レリス『幻のアフリカ』(1)

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 ミシェル・レリスの『幻のアフリカ』を読了。単行本(河出書房新社、1995年)も持っているが、新書版(平凡社、2010年)で再読。全部で1065ページのこの分厚い本(解説部だけで70ページもある)、今日は蒸し暑い中、ダラダラ汗を流しながら(まるで熱帯にいるような気分)、ギンギンに冷えたビールと白ワインを飲みつつ、残り160ページを一気に読み終えた。

 1930年代初頭にセネガルからエチオピアまで横断したフランス人民族学者集団の公式記録であり、またレリスの私的で極めて特異な日記でもあるこの本、その余りの長さから、再び放り出したくもなった。けれども、読み終えてみると、書いておきたいことが次々浮かんでくる。

・なぜ2部構成にしたのか。ドゴンの仮面とアビシニアの憑依(ザール)との対照性。
・20世紀初頭の欧州のフィールド・ワーカーたちの横暴さ。
・東南アジアで奉られてきた古布の消失との類似性。
・ルーモン・ルーセルとの関係。
・文化人類学の不可避的欠点。ハイゼンベルクの不確定性原理を強烈に連想させるもの。
・その中で悩むレリス。ピグミー研究者、ルイ・サルノを思い出させるもの。
・彼らの収集とアフリカにおけるレコード探しとの類似点と相違点。
・旅行記のこの。地図のこと。(そして、ミシェル・ウェルベック)

 等々。


 追々この本のことを反芻しながら、ゆっくり書いてみることにしよう。




 先月は、詩を捨ててエチオピアに旅だったアルチュール・ランボーの『ランボー全詩集』(河出文庫/鈴木創士による新訳)を読み終えた。その後は岡倉登志 編『エチオピアを知るための50章』(明石書店)なども読んでいる。そして『幻のアフリカ』第2部の舞台はエチオピア。なんだかエチオピアが呼んでいるような気もする。

 そうそう、今年10月に東京ーアジスの直行便が就航開始するのだった。これを上手く利用できないだろうか?




 この旅行記は、フランスを旅立ってから1年10ヶ月、1933年2月16日の朝、マルセイユ港に帰ってくる直前で終わっている(その最後の短い一文が感動的)。時は正に Moussu T たちがテーマにしている時代。彼らの新作 "Operette" をまた早く聴きたくなってしまった。(→ 8/20 に発売延期となった模様。)





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by desertjazz | 2014-08-15 00:00 | 本 - Readings

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