断酒52日(今年を振り返って)

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 人生初の「断酒」は52日間でいったん終了。その間、「どうして酒を止めたの?」「病気?」と多くの人たちから尋ねられたのだけれど、毎度の答えは「単なる気まぐれ」。実際その通りだった。なぜかたまたま休肝できたというだけの話。けれども、いろいろなことを考え、個人的には面白い体験にもなった。



 確かに、毎日ウイスキーを水代わりにストレートで飲み続けていたのでは身体が持たないと思っていたし(喉頭がんのリスクが高い)、酒量を減らして「デブ脱却」を果たしたいとも考えてはいたが。それでも断酒が実現できたとは、自分でも不思議な気分だ。

 どうやら、飲酒を止めてみたことと、運動量を増やしたことと、多忙で美味いものを食べに行く時間がなかったこととが、うまくリンクしたようだ。それで2ヶ月近くも酒抜きで過ごせたのだろうと思う。たっぷり歩いたり走ったりした後はアルコールよりも水の方が美味しく感じられる。食事抜きで働いて体重が減り始めると、断酒の効果が出たのかと都合良く解釈してしまう。アルコール抜けた禁断症状が苦しい時期もあったけれど、それより体重が減っていくことの方が楽しみになっていった。

 それとともに、生活のダウンサイジングに関するここ数年間の意識とも結びついたことが大きかった。自分の生活の中から無駄な部分をどんどん省いて行って、スリムな生き方、シンプルな生活を目指したい。酒を飲み過ぎないこともそこに含まれる。

 残念ながら今の日本の政治や社会状況を鑑みると不安ばかり。勿論悪辣な施策に対しては反対の声を上げ続けなくてはいけないが、それでも一般人の稼ぎや安寧が搾取され続ける現状はますます悪化すると予想されるのではないだろうか。ならば、それへの最低限の備えなり覚悟なりを持っていた方がいい。

 近年話題になった「里山主義」にも通じる考え方だろうと思うのだが、シンプルな生活も対抗手段のひとつになるはず。世の中が多少厳しくなっても心の安寧は保てるだろう。そうしたことも考え続けている。

 漠然とそんな思いを抱き、自分はどの程度までシンプルに生きられるだろうか少しばかり試してみたくなったのだった。今年はなるべく本を買わなくなり、レコードの類も本当に気になるものにしか手をのばさなくなった(最盛期には毎年数千枚も聴いていたのに、今年買ったのは100枚程度。ここ数年は自分の好みに適う新作には滅多に出会わず、人から薦められても気に入ることは少ないことも事実)。外食の機会はさらに減り、飲みにもほぼ全く行かなくなった。食べるものは極シンプルで、その量も以前からは半分くらいに減った。

 こう書くと禁欲的でネガティブに聞こえるかもしれないが、むしろ反対の面の方が多かった。例えば何年か前までは必至に時間を作って新譜をせっせと聴いていたのだが、買うほどにじっくり聴き込むことのできないレコードが山積する一方。結果、昔から好きだった音楽を聴く余裕がいつの間にか奪われていた。けれども新たに買うことを控えると、昔からの愛聴盤を楽しむゆとりが生まれたし、持っていることを忘れていたレコードを「発見」しその内容の素晴らしさに聴き入ることも相次いだ。たっぷり音楽を聴く時間を確保できなくなったことで、音楽生活は逆に豊かになったとも言える。

 読書についても同様。しばらく前に買ったままだった本の山に取り組み始めたし、また昔読んだ本を読み直すこともとても楽しい。

 そして、シンプルな生活によって得られたものの中でとりわけ大きいのは、歩くことの楽しさだ。ヘッドホンはせず、スマートフォンも持たず(携帯電話は自分にとって余分なものなので、そもそも持っていない)、ただただ歩くだけ。それが何とも気持ちいい。特に晴天の日の散歩や森歩きは本当に気持ち良くて、身体が喜んでいることを感じる。そう、身体がそれを求めていることに気がついてからは、毎日10〜15kmくらい歩くことが習慣となった。

 ただ余りにストイックにシンプルな生活を目標とすると、暮らしの中から潤いが失われていくだろうとも思う。たまにはちょっと贅沢で飛び切り美味しい料理をいただきたいし、仲間たちと飲み語らうひと時も大切。

 そして、これからも旅には出かけたいと思う。

 昨年はノルウェーの山をトレッキングし、スウェーデンで街歩き。今年はオーロラを観に行った北極圏(スウェーデン)の森の中の雪道を歩いたり、屋久島をトレッキングしたことがハイライトだった。ひょっとすると旅先で歩くことがひとつの理想的な旅のスタイルなのかも知れない。円安が急速に進み、物価が上昇するとも叫ばれているが、それでも旅に出たい。その資金捻出のために、レコードや本を買わず、外食や酒も控えているようなものなのかも知れない。


 どうも文章でうまく伝えることが難しいのだけれど、こんなことも考え続けた2014年だった。


(酒抜きの生活はやっぱり味気ないし、一応「デブ脱却」の目標は果たせたかと思い、飲酒は 11/15 に再開。53日振りで口にしたアイリッシュ・ウイスキーは実に美味かった! それでも、体重は今年ピークの76kg台から67kg台へと約9kg落ちた後、それを維持している。何とかあと1kgと思っているのだが、そこから先へは進まなくなった。そろそろここが限界か。それより、再び飲み始めても体重が増えなくなったので、アルコールが原因で太るのではないことは実証された。)






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by desertjazz | 2014-12-26 20:01 | 食 - Eat & Drink

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