パリ滞在記 2015(15)

〈6日目〉4月16日(木)


■喧噪のモナリザ/静寂のイスラム


 8時起床。今朝も寝坊した。相変らずの快晴続きで、今日も暑くなりそうだ。

 今日は大きな予定は入れておらず、さてどうするか。パリ市内には好きなエリアが結構ある。シテ島周辺を散策してもいいし、その足で Paris Jazz Corner や近所の音楽書店などを巡ってもいいし、のんびりウインドー・ショッピングしてもいいし、昼間から冷えたシャブリを飲みながらオイスターやムール貝をいただくってのも最高だろう。

 などと思案した末に、今日も美術館に行くことにする。今回はアラブ研究所は諦めて、最後はケ・ブランリーとルーブルのどちらにするか。迷ってルーブル美術館に決める。完成直後に訪れたイスラム美術コーナーが素晴らしかったので、ここをもう一度じっくり見たいと思ったから。

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 10時半にホテルを出て 11時に到着。するとメトロを降りたセキュリティーチェックのところで長蛇の列。何と30分待ちとの掲示。ならば予定変更してケ・ブランリーに行くかとも一瞬迷ったけれど、移動時間を考えたらここで待つのと大差ない。

 掲示されていたとおりほぼ30分かかって入れたのだが(これなら地上に出てガラスのピラミッドかの入口から入った方が早かっただろう)、今度はまたチケット売り場で長い列。もうウンザリ。ところが自動券売機には全く並んでいなくて、チケットをすぐに買えた。12ユーロ。

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 さて、ルーブル美術館の中に入ると、ここ最近訪れた時に比べてもますます喧噪凄まじく、まるでテーマパークと化している。けれども、イスラムのフロアだけはひっそりとしていて、警備する学芸員?たちが暇つぶしに話込む声だけが響いているのだった。

 このイスラムのコーナー、質・量ともに圧巻。とりわけ漆器や銅製品が素晴らしい。栄華を極めた時代のイスラムの美術の技術と美しさにただただため息。

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 イスラムと古代美術の一部をじっくり見た後、いつもと同様本当に好きな絵画だけを巡ることにした。まず向かったのはレオナルド・ダ・ヴィンチの4枚。中でも好きなのがモナリザ。実物を見る前には全然興味がなかった作品なのだけれど、何年前だったかルーブルで初めて見た途端にそのミステリアスな魅力に魅入られてしまった。なので、数年前にルーブルに来た時にもイスラム・コーナーとモナリザだけを見てきた。

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 それにしても写真を撮っている人が多いな。モナリザの前にも順番待ち(この絵画を静かに鑑賞することはもう永遠に無理なのだろうと思うと悲しい)。オルセーほどではないけれど、1枚1枚撮って回っている人や、片っ端から自身との2ショットを収めて歩く人が正直邪魔と感じるほどに(ご想像通り、それでいて実際の作品はほとんど見ていない)。高そうなカメラで延々撮り続けている人を見ると、だったら画集を買った方が効率的なのでは?と思ってしまう。ガラスの反射もないしね。でも多くの人にとっては一生に一度のパリ旅行。こうやって思い出を残したいという気持ちは分からないでもない。

(自分の場合はメモ代わりに若干数撮っているだけ。なので今回はイスラム・コーナーのカタログはないだろうかと思って売店で探してみた。すると思った通り立派なカタログが売られていた。それも思ったより安い。買って帰ろうかと迷う…。かなり重いし、これ以上分厚い画集の類は自宅に起きたくないし、それほど頻繁に見るわけでもない、と自分に言い聞かせて購入を思いとどまった。)

 さてそんな風にイタリア美術を見ているうちに、ちょっと気が変わった。恐らくルーブルにはこれまで歩いていないエリアの方が多いはずなので、今回時間があるのならと思って一通り巡ってみることにした。以下の3点なども有名な作品ながらも、ルーブルの中でもかなり外れた一角に展示されているので、ここまで見にくる人は少ない。自分も初めて来たかも知れない。

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 さすがに疲れてきたので途中から早足になる。そろそろ3時間見て歩いたところで集中力がなくなり、14:20 に退館。勝手な見方をしているだけなのだけれど、やっぱりアートは楽しい!




 15:30、今日もスーパーでサンドイッチやサラダを買ってホテルで遅めのランチ。

 16:30、歩いてバルベスへ。頼まれたブツの買い付けついでに、もう一度マグレブものの CD をいろいろ試聴して追加購入。

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 街中の路上にはこんなポスターが。これだけパリに来ているのに、マグレブやアフリカなど移民向けのローカル色強いライブがなかなか観られない。

 Youssou N'Dour などとも関係の深いセネガル人?が経営しているレコードショップの品揃えが凄いと聞き、ジャンゴ波多野さんにご案内いただくことにした。しかし話を聞くとどうも昔何度か行った Bellot Records のようだ。そこで予定を変更し Republique 駅近くの Superfly Records へ。

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 全然期待していなかったのだが、意外にも掘り出しものがザクザク。LP も EP もシングルも安い盤が多かったので大量買い。7インチ盤はすでに所有しているアイテム含めてこんなところをセレクト。他には1ユーロ箱などの中から I.K.Dairo のシングル数枚など。

 ここの店主は時々アフリカにも買い付けに出向いているらしい。珍しいレコードが良心的価格で手に入れられるとは、さすがはフランスだなと思わせる品揃えだった(何と、El Sur Records にも頻繁に来て買い付けているそう)。


 レコハン後は、評判のバルへ。ステーキなどを食べながら楽しい会話。

 23:30、ホテルに戻って飲み直しながらパッキング。自分用の CD は解体してプラケースをゴミ箱へ。大充実のパリだったけれど、まだまだ物足りなくて日本に帰りたくない。パリの夜はこれが最後かと思いつつ、26時30分に就寝。

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(続く)





by desertjazz | 2015-04-16 23:01 | 旅 - Abroad

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