パリ滞在記 2015(19)

〈7日目〉4月17日(金)Part 4


■快眠ファーストクラス(1)


 どうにか空港まで辿り着いたが、車で移動する誰もが渋滞に巻き込まれたはずなので、チェックインカウンターも激混みだろう。イミグレも含めて時間がギリギリになるかもしれない。もしエコノミーだったならば…。

 この「滞在記」の最初に書いた通り、フランス便はなるべく JAL のCクラス(ビジネスクラス)に乗るようにしている。しかし今回は帰路もCクラスが取れなかった。だが、珍しくFクラス(ファーストクラス)に空きがあったので、「話のタネ」に久し振りにFに乗ってみることにした。

 まずはチェックイン。もちろん待つこともなく瞬時に手続き終了。その後も搭乗から日本到着まで、ほぼ他の乗客たちからほぼ完全に切り離される。チェックインが済んだら、手荷物検査、そしてイミグレへと進むことになるのだが、Cクラス以上は別ルートでショートカット。列に並ぶこともなく、気のせいかボディチェックは厳しくなく、イミグレの職員もにこやか。多くの空港は手荷物検査やイミグレをクラス分けしていないが、CDG のこの対応は毎度快適だと感じる(同時に、特別扱いし過ぎではないかという疑問も湧いて来るのだが)。そういえば、数年前に旅した北欧の空港でもこのシステムになっていて、セキュリティーチェックなどは楽だったな。

 ラウンジでも搭乗の際にも、接する誰もが物腰低く、まるで自分が大臣か大企業の経営者にでもなったような感覚が生じる。とにかく全てが特別待遇。バカな政治家たちにとっては、きっとこれが心地良いんだろうな。でも自分はまずこれが落ち着かない。機内でもアテンダントがひとりひとり自己紹介してきて、いちいち「xx様」「xx様」と「お声がけ」してくださるので、ゆっくり読書もできない。

 昔乗った時にも思ったが、Fは自分のような平民には余りにもオーバースペックすぎる。乗客8人に対してアテンダント3人のチームだからこそ可能なサービス。もちろんその気配りは有り難く受けとめるべきものなのだろうけれど。(それなのに、注文は度々忘れるし。20年くらい昔のCのアテンダントの方が気が利いていたかも?)

 結局のところ、Fの一番のメリットは自分の空間をしっかり専有できることだろうと思う。まるでマンガ喫茶みたいなCよりも2倍くらいは広い。そして他の客からは完全に隔離されていて、プライバシーがしっかり保たれている(FやCの席は機体前方でエンジン音が響かず静かな分だけ、実はCだと周囲の会話が結構気になるのだ)。おかげで、ベッドメイキングが済み睡眠導入剤を飲んだ直後には、自宅のベッドで寝ているかのように爆睡してしまった。

 料理も予想した通りで、特別なものではなかった(反対に最近のCはかなりいいと思っているのだが)。昔のFのような高級感も消えた。その分さっさと配膳してくれるのは有り難い(この話、以下割愛)。

 ただ、ワインのセレクションはとても良かったと思う(ここだけの話 JAL のCクラスのワインはガッカリするほど悪い)。どれも美味しくて、ついついシャンパン3杯、白ワイン3杯、日本酒2杯、赤ワイン2杯と…。それでも全くほろ酔いにもならず。勧められて、もっと飲みたかったのだけれど、ほどほどにしておく。

 と言うのは、周囲の様子がはっきりとは分からなかったものの、酒を飲み続けているのはどうやら自分ひとり? 隣の男性は缶ビール2本だけだったし。起きがけに赤ワインをお願いしたら、チーフに「人生をエンジョイされていますね」って言われてしまったくらい。ハイ、休日は朝からスパークリングワインを飲んでいます。

 他のお客さんを見回してもオシャレな人はいないし、カバン類も見るからに安物?が多い。噂に聞いていた通り、Fの乗客は贅沢なフライトを楽しむ気などなくて、移動中にしっかり休むために高い金額を支払っているのだろう。かく言う自分も、『バードマン』をもう一度観ようかなと思いつつ、他の乗客たちが食事を続けている合間にさっさと寝てしまった。

 でも、結論としては、Cクラスの方が気楽でちょうどいい。個人的にはエコノミーシートで長時間移動するのも全然苦ではないのだけれど、折角マイレージを使うのだったらビジネスクラスの方が断然お得! マイレージでエコノミーに乗るのは勿体ない。それなら早割で乗ってマイレージを貯めた方がいい。

(JAL を例に具体的に書くと、早割で5〜10万円で買えるエコノミー往復チケットに 55000マイル必要なのに対して、40〜100万円程度のビジネスクラスだと 85000マイル、ファーストだと 120000マイルと、コストパフォーマンスが圧倒的に違う。)

 ・・・と書くまでもなく、勿論、今回もマイレージの特典航空券を利用しての搭乗。ちなみに正規料金(往復)はおよそ 255万円!(勿論のこと、ファーストクラスにはディカウントチケットなど存在しない。)無能な政治家の様な輩たちほど、庶民から搾取した税金をこうした移動に使っているのかと思うと、怒りと呆れも湧いてくるのだった。


 今回Fに乗ったのには別の理由があってのこと(それは別の機会に)。またアテンダントたちは乗客の個人情報を事前にチェックしており、それに基づいた(微妙な)サプライズも演出。(この話は書くと長くなるので割愛。)マイレージの無料航空券なので、乗る前に、正規料金を支払ったお客さんとは差別されるかも知れないなんてことも思ったけれど、もちろんそんなことは全くなかった。むしろ逆の印象さえ受けた。マイレージでFに乗れるということは、それだけ普段から JAL のフライトと JAL CARD を利用している証だから、それも当然か。


 溜まったマイレージを使い切れないとブツブツ言っている友人たち、折角ならファーストクラスに無料で乗ってみるのもいいかもしれませんよ。ちょっとした社会観察をしながら、たっぷり頭も身体も休められます。


(ファーストクラスに乗ったと話すとびっくりした人もいたけれど、エコノミーで欧州往復に必要なのは 55000マイル。対してファーストは片道だけだと 60000マイルと、ほとんど差はありません。)



(続く)






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by desertjazz | 2015-04-17 23:04 | 旅 - Abroad

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