Paris & Marseille 2015 (#7) : Reda Taliani


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 レダ・タリアニ Reda Taliani の時代到来か? レダ・タリアニの人気が今日本でも高騰中? 今年10月にフランスのパリとマルセイユで買付けてきたライ・シンガーの新作が、評判を呼んで奪い合いに??

 彼の CD が El Sur Records など随所で紹介されたものだから「欲しい」と直接ご連絡いただいたりしている。そして『ミュージック・マガジン』最新号(12月号)の輸入盤紹介ページにも取り上げられた(P.183)。うーん、これならパリとマルセイユで彼の CD をあるだけ全部買い占めてくるんだったかな。

 そんなことを思いながら、マルセイユのベルザンスで買ってきたレダ・タリアニの最新作 "Bladi" をじっくり聴き返してみた。

Reda Taliani "Bladi" (Dounia Production 931, 2015)

(いや正確に書くと、この CD はただでもらってきたんだった。今秋のフランス旅行でもアラブ/マグレブの CD ショップを巡ったのだが、店に入る度に「やあ、また来たか!」「おお、モナミ!」と大歓迎。毎度爆買いするものだから、たっぷり安くしてくれるし、店主のお気に入りはおまけとしてプレゼントしてくれるし、会計終えた後で目に留まった CD は「いいよ、もってけ!」と一言。ありがたや! これもそんな1枚。)

 (1) "Mardi L'Amour" は切迫感溢れる軽快なチューン。絶頂期の Cheb Mami さえ連想させる。(2) "Yachaba" はトランペットやハイトーンの笛も響くライ・ナンバーで、ノリがさらに加速する。(3) "Soirée H'Bel" はゲンブリやカルカベっぽいサウンドのイントロに続いて、まるで Ibrahim Maalouf のようなトランペット・アンサンブルが加わる濃厚/芳醇さ。至福を約束するビッグ・チューン。(4) "Alguitha Fi L'Arret" は往年の Khaled かのよう。「おい〜」の一声で "La Camel" の世界に誘われる。この曲もトランペットが耳に響くが、プレイヤーは誰なのだろう? (5) "Chayef Au Aayef" は典型的な今風のライだな。(6) "Miya More" はピアノによるイントロとオーケストレーションが印象的な感涙バラード。ストリングス、アラビック・パーカッション、サックスなどによるインタープレイもいい。(7) "Redatini Man Nes Wache" もピアノとストリングスに導かれる濃密なバラード。(8) " Essemaani" はレダのしっとりした歌が実にいい。曲の流れもよく考えられていて、何とも贅沢な作品だなぁ。

 ちなみにマガジンでレビューされたのは、このアルジェリア Dounia Production からのオリジナル盤(多分)ではなく、Mogador Editon から出た粗製盤の方だ。

Reda Taliani "Mardi L'Amour" (Mogador Edition, 2015)

 これは編集盤(多分)で、"Bladi" から (4) と (8) を除いた6曲に別の5曲を追加した内容になっている。なので、「ジャケ違いで "Bladi" と題したCDも出ているが、内容は本作と同じようだ」との記述は厳密には正確じゃない。まあ、どちらか1枚持っていれば十分なワケで、どうでもいい次元の話なのですが。



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 以前にも書いたが、レダ・タリアニを気に入って聴いているのは今年4月からのこと。パリのバルベスにある馴染みの CD ショップで「今一番のライ・シンガーは誰?」と訊ねて奨められたのがレダだった。そのとき買ったベスト盤、ホントにいいね。曲良し、歌良し。とても陽気でダンサブル。往年のライのエッセンスが詰まった華やかさを感じる。先日誘われてお邪魔したアルジェリアン・パーティー(Cheb Hasni の21回忌)でも、この CD のトラックがガンガン回されて、皆踊りまくっていた。

 すっかり忘れていたが、レダはもっと昔から聴いていた。例えば 2009年にマルセイユで "El Djazair" を買って(いや、これももらって)聴いている。だけど当時はなんだかピンとこなくてそれっきりに。音よりも「このヘア・スタイルは何じゃこりゃ!?」と感じて、キワモノ扱いしてしまった面もあったかも知れない。



 レダ・タリアニのレコーディングとして有名なのは 2005年にヒットした 113 との共演曲 "Partir Loin" 。また意外なことに Grand Corp Malade とも共演していて、2011年に2人連名でシングル "Inch'Allah" を発表している。この曲は Grand Corps Malade にとって初めてチャートインした曲になったのだそう。彼のアルバムをチェックし直してみたが、どれにも収録されていないので、シングルのみでのリリースだったのだろう。確かにこのダンサブルなナンバーを Grand Corps のアルバムに入れたとしたら、他のトラックとは馴染まず無理がありそうだ。

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Grand Corps Malade, Reda Taliani - Inch'Allah - Clip officiel

 ・・・このビデオ、のっぽと小太りの対比にも笑える。




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 1980年アルジェ生まれのレダ・タリアニ。ただ歌えるライ・シンガーというだけではなく、シャービやモロッコ伝統音楽なども吸収消化し、年々プロダクションが充実してきている様子も感じられる。今年はハレドの甥っ子 Madjid Hadj Brahim や Kader Japonais、Bibal らも良い作品をリリースした。最近のライ、なかなか好調じゃないか!

 レダのアルバムを遡ってもっと聴いてみたいと思い調べてみたら、Dounia Production からの CD だけでもまだこれだけ出ていた。またマルセイユまで探しに行かなきゃ。いや、それよりアルジェに行きたいぜ!










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by desertjazz | 2015-12-13 14:00 | 音 - Music

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