France 2017 - Day 10 (Part 1)

★★★ UPしました。→ 【 Live Report : Georges Wassouf 】★★★ 
  

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 再びパリ。旅の最後に見たのはシリアの大御所 Georges Wassouf。いろいろな意味でとにかく凄かった。




【 Live Report : Georges Wassouf 】

 せっかくフランスに来ているなら、ライやシャアビ、あるいはコンゴ音楽やセネガル音楽など、マグレブ/アフリカ人たちに向けた完全ローカル仕様のライブも観てみたい。そう思って毎回旅行の度に情報を探すものの、どうしても滞在中の催しは見つからない(Youssou の Le Grand Bal はその超巨大なものだが、これはあくまで例外)。今回もマグレブなどに貼られたポスターをチェックしてみたのだが、やっぱり収穫はなし。

 それでも新作リリース・シーズンの秋だけあって、パリには気になるコンサートが目白押し。Thundercat, Trombone Shorty, PNL などが重なった 11/21 と同様迷ったのが、最終夜 11/25 に何を観るかだった。Amadou & Mariam、Gregory Porter、IAM、KOKOKO! などを検討。さてどれにする? 決めかねていたところ、日本を発つ間際になって Kamel El Harrachi のライブが発表になった。ひっそり告知されたもので、これはかなりローカル向けのライブであるに違いない。Kamel El Harrachi を観ようと決めて、ホテルを探す。終了予定が23時30分では予約済みの CDG のエアポートホテルまで戻るのが一苦労と思い、会場近くリヨン駅目の前のホテルにも別に予約を入れた。

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 ところがパリに着いて4日目、11/19 にFondation Cartier で Malick Sidibe の写真展を見た帰り道、さりげなく貼られたポスターに目が止まった。「ターラブのスルタン(王様)」こと、シリアの大スター、ジョージ・ワスーフ Georges Wassouf のコンサートだ。これだ!と決めて、再び予定変更。コンサート会場 Folies Bergère のサイトを確認するとチケットはまだ取れる。そこで、ホテル2ヶ所をキャンセルして、初日に宿泊した北駅近くのリーズナブルな宿 Holel d'Europe をブッキング(ここは駅近で安く、綺麗でフレンドリー、いいことづくめのホテルだ)。

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 とても珍しいコンサートが観られると思い、期待が高まったのだが、このあとは驚くことの連続だった。まずチケット価格にビックリ! 上から 270ユーロ、188ユーロ、135ユーロ、、、。はいはい、勿論一番安い3階奥の席を選びましたよ。


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 コンサート当日、Folies Bergère のフロアに足を踏み入れた瞬間、またビックリ! なんだこの空間は!? 集まってくる人々は皆豪華に着飾っているし。まるで社交界に闖入してしまった気分だ。

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 そのお客さんたちは、シリア人、レバノン人の他に、アルジェリア人、エジプト人、パレスチナ人など。フランス人を始めとする典型的な欧州人(白人)の姿は皆無。なので我々のような日本人、それも普段着姿の2人連れは結構目立ったようだ。それで度々話しかけられたり、一緒に写真を撮られたり(詳しくはここをご一読)。

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 コンサートは20時にスタート(「20時開始予定が19時半に変更」とメールを送ってよこしたくせに、、、)。まずベリーダンサーが20分間パフォーマンス。それからアルジェリアの男性ライシンガーが登場。ライの有名曲を多く歌っていたので、彼は特に名の通ったシンガーではないのだろう。それでも場内はすでにお祭り騒ぎ。飛んでもない盛り上がり様で、主役の登場前なのに手のつけられない?熱狂ぶり(今回観るライブ、このパターンが多いな)。大半の人たちがスマートフォン片手に撮影しながら踊り歌い狂ってる。目の前のおばちゃん、いや失礼、ご婦人に至っては、ヘッドバンギング状態(それについても、ここをご一読)。1時間弱で第一部が終了。

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 第二部の本編は21時15分にスタート。緞帳の背後から楽団の演奏が聞こえ始めると場内大歓声。そして幕が上がり Georges Wassouf が登場すると、一気に狂乱状態に。お上品エリアと思っていた1階前方(270ユーロ席)でさえも揺れるスマートフォンの大渦。ステージに上がり動き回って動画撮影する奴までいて、もう勝手放題。なものだから、ガードマン数人が Wassouf の背後やステージ袖に立って、終始目を光らせている。

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 そんな嵐の様な中、スルタン Wassouf 様は終始冷静な様子。いや、傍に置かれた椅子の背に右手をかけて身体を支えていて、左腕は全く動いていない様に見える(彼は何年か前に大病に見舞われたと後日聞いた。きっとその後遺症が残っているのだろう)。あまりちゃんと歌っている様でもない。

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 それでも観客たちは1曲目から全力大合唱。なので Wassouf の声がほとんど聞こえない。彼はワンフレーズ軽く歌うと楽団やガードマンを振り向き、歌うのを止めてしまう。コンサートが進行してもその繰り返し。まだまだ体調が思わしくないのか、それとも大合唱の中、わざわざ歌う必要のないことを悟っているのか。バンドはとても豪勢なので、こんな大合唱さえなければ、贅沢で芳醇な音を堪能できるはず、と想像してしまう。でも、場内の多くの人たちは歌が聞こえないことなど全く意に介していない様子(流石に顔をしかめる人も中にはいたが)。Georges Wassouf という大スターと空間を共有し、彼の写真を撮る、そのことだけが目的と言ってもいいだろう。

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 辛抱して1時間近く観ていたが、全くずっとこの調子。知らない曲ばかりなので、曲が変わってもその違いが聞き分けられない。これがまだ1時間ほど、23時頃まで続くらしい。明日の帰国便の時刻が早いこともあって、22時頃に会場を抜け出しホテルに戻ったのだった。


 音楽はさっぱり楽しめなかったけれど、ビックリすることが連続したのは楽しかった。19世紀から続く歴史を感じさせる建築、その空間を活かしたライティング、何よりアラブ系の人々のお祭り騒ぎ。旅の最後にとんでもない体験をしたという、興奮と変な充実感だけはたっぷりいただいた一夜になった。







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by desertjazz | 2017-11-25 23:59 | 旅 - Abroad

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