2016年 12月 31日 ( 3 )

BEST LIVES 2016


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Mangeira (Rio de Janeiro, Brazil in Jan.)


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Bruce Springsteen & The E Street Band (Orakland, USA in March)


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Vaudou Game et al. (Sukiyaki Meets the World, Nanto in Aug.)


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Super Session (Sukiyaki Meets the World, Nanto in Aug.)


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Sona Jobarteh (London in Nov.)


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Youssou N'Dour et Le Super Etoile de Dakar (Paris 3 Days in Nov.)


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Hindi Zahra (Rezé, France in Nov.)


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Klo Pelgag (Nantes, France in Nov.)




… and Oki Dub Ainu Band, A. R. Rahman, Caetano Veloso too (but no photos).






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by desertjazz | 2016-12-31 16:00 | 音 - Music

BEST BOOKS 2016

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 1. バーニー・クラウス『野生のオーケストラが聴こえる―― サウンドスケープ生態学と音楽の起源』
 2. チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』
 3. ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
 4. ブルース・スプリングティーン『ボーン・トゥ・ラン』
 5. オルハン・パムク『僕の違和感』


 今年は日本各地/世界各地への旅が続き、自宅で読書する時間がさほど取れず、その旅の間も本を読む時間的余裕がほとんどなかった(仕事も忙しく、また旅のプランニングにも結構な時間を要した)。なので、BEST ALBUMS と同様にこちらも5点に(10作選ぶにはやや無理があった)。

 1位、バーニー・クラウス『野生のオーケストラが聴こえる』(出版は 2013年:原書は出てすぐ買ったが軽く目を通しただけだった。日本語版も出ていたことに今年になって気がついた)は、自分がかねてから音と音楽に関して考えていることついてたっぷり整理して書かれている。音との関わり方そのものについても根本から考えさせられる。特に音響(自然音/環境音)と音楽との間には境界はなく、両者を同等/同時に楽しめるのはなぜなのかについて理解するのに大いに助けとなった。単に音楽の良し悪しを超えて、音と音楽をより深い次元で捉え直したい考えの人にとってはとても有益な本である。自然音とピグミーの歌声とが溶け合う/響き合うところが大きな魅力の "SONG FROM THE FOREST" と呼応し合う部分も多いので、きちんと紹介しておきたかった。来年もう一度じっくり読み直すつもり。

 2位、アディーチェ『アメリカーナ』は最新作の待望の翻訳。2013年に出た時、これの原書(英語)も出版と同時に買ったが全く読めなかった。アディーチェ、今回もさすがの筆力だ。基本的には純粋なラブストーリーなのだが、そこへの、アメリカやナイジェリアの社会状況、人種問題などの織り込み方が絶妙。短い一文によって一瞬で登場人物のイメージを喚起するセンスも実に鮮やかだ。

 3位、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』は、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』みたいな物足りない(いや退屈とさえ自分は感じた)本と似たようなものかと思いきや、正に「目から鱗が落ちる」論考の連続。人類の歴史を単に時系列に並べるのではなく、そこから導かれる新たな可能性を次々と提示する深い思索の書。自由や国や貨幣などいずれも万人が認める空想だとする視点が凄い。

 3月にスプリングスティーンのライブを観た直後から、スプリングスティーンに関してもう一度捉え直したいと思って、関連書物を手当たり次第に読み漁った。ピーター・エイムズ・カーリン『ブルース・スプリングスティーン アメリカの夢と失望を照らし続けた男』、デイヴ・マーシュ『明日なき暴走』(再読)、マーク・エリオット『涙のサンダーロード メイキング・オブ・ブルース・スプリングスティーン』、ジェフ・バーガー編『都会で聖者になるのはたいへんだ ブルース・スプリングスティーン インタビュー集 1973-2012』等々。その直後に、一連の読書に止めを刺すかのごとく、本人が自伝を出したのには驚いた。生々しい語りで読みごたえたっぷり。ただ、スプリングスティーンの音楽履歴を振り返るには、カーリンの『ブルース・スプリングスティーン アメリカの夢と失望を照らし続けた男』の方が役立った。

 パムクも多く読んだ1年だった。最新作『僕の違和感』、ようやく和訳が出た大作『黒い本』、未読だった『新しい人生』と『父のトランク ノーベル文学賞受賞講演』、そして『雪』を〔新訳版〕で再読。5位にはトルコの庶民の暮らし振り(と思い違い)から何ともほんわかとした暖かみが伝わってくる『僕の違和感』を選んだが、その対極にあるようなミステリータッチの『黒い本』でも良かったかも知れない。


 今年もノルマの100冊には遠く届かず。来年はもっと読みたい。







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by desertjazz | 2016-12-31 08:02 | 本 - Readings

BEST ALBUMS 2016

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 1. KLO PELGAG / L'ETOILE THORACIQUE
 2. KADER JAPONAIS / HKAYA
 3. SLAWEK JASKULKE / SEA
 4. ANOHNI / HOPELESSNESS
 5. SOUNDTRACK "SONG FROM THE FOREST"



 例年だと10枚だが、今年は5枚だけ。購入盤リストを何度見返しても10枚に足りない。今年は1年中旅を繰り返していたので、レコードを聴く時間はここ数年と比べても少なかった。新譜の購入枚数もさらに激減。毎年500枚程度買っていたピーク時の何分の1かに落ち込んだ。

 以下、選考基準は例年と同様「自分が気に入ってよく聴いた作品」。

 1位はカナダの奇才娘クロ・ペルガグによる待望のセカンド・アルバム。前作は2年前に2位に選んだが、今回は迷わずトップ。毎度書いているが、美しく哀しい独特なメロディー、切ない優しい歌声、ザッパ風味も感じさせる卓越したアレンジと、どれもが好きでたまらない。奇天烈なステージングも含めて、近年特に気になっているアーティストのひとりだ。ただ、現時点ではファーストの出来を超えていないという印象も持っている。それでも今回も(2年前にもパリで観た)新作ツアー・ライブを先月早々にナントで観ることができたのは幸運だった。カナダではアルバム通り、30人編成のオーケストラを従えた公演も予定されているとのこと。観たい!(11月にカナダ盤が出たばかりで、フランスでのリリースは来年2月の予定とのこと。)

 2位はアルジェリアン・ライの歴史に残り得るレベルの超力作。カデール・ジャポネの気合いの籠った声とライ王道と言えるサウンドがとにかく素晴らしい。11月にバルベスで見つけて渋谷某店にひとやま届けたら、たった1日で完売したとのこと。そりゃそうでしょう!(アルジェリアでストックが見つかり、年明け早々日本に届くそう。なので未入手の方々はご安心を?)

 3位と4位は日本でも各所で話題になったアルバム。"SEA" のソロ・ピアノは密室で奏でられる極めてパーソナルな現代版 "Koln Concert" といった雰囲気も(?) くすんだ音からふわっと沸き立つ寂寥感が心地よい。4位もパーソナルな叫びが伝わってくるようで、その独特なサウンドに圧倒された。近付き難い世界観でありながら、そこに包まれてしまいたいとも思わせる魔力を持っている。

 さてあと1枚。ところがこれら4枚に匹敵するアルバムが思い浮かばない。特に最初に2枚、クロ・ペルガグとカデール・ジャポネが素晴らし過ぎて、「かなり良い」作品でも一緒に並べる気にまでならなかった。そこで、2013年リリースながら、今年自分が日本に紹介し聴いた多くの方々が絶賛したピグミー映画のサントラを5位に。バーニー・クラウス『野生のオーケストラが聴こえる―― サウンドスケープ生態学と音楽の起源』とも響き合う音。



 今年レコードを余り買わなかったもうひとつの理由は、ブルース・スプリングスティーン体験があったから。3月に観たEストリート・バンドとのライブが想像していた以上に素晴らしくて、放心状態を引きずり続けている。中でも、彼の人生を集約しているかのように感じさせられた "Stolen Car" の美しさ。いまだに耳に焼き付いて離れない。そんなことから、彼の音楽をまだまだきちんと理解していない気になり、ピーター・エイムズ・カーリン『ブルース・スプリングスティーン アメリカの夢と失望を照らし続けた男』などをガイドに、スプリングスティーンを聴き直し。特に彼のデビュー前の音源を片っ端から探して聴いていったところ、その魅力に圧倒された(おかげで秋で出たベスト盤 "Chapter and Verse" 収録のデビュー前の未発表音源5トラックは、公式発売前に聴き過ぎていて全く新鮮味がなかったほど)。3月以降はスプリングスティーンさえ聴いていれば満ち足りた日々だった。

 そして11月にパリで観たユッスー・ンドゥール。昔と変わらないンバラの躍動感。久々にライブで聴いた "Yakaar (Hope) " と "Fital (Useless Weapons) " の素晴らしさ。特に "Fital" の入魂の絶唱の凄まじかったこと。("Eyes Open" の穏やかなスタジオ・ヴァージョンとは大違いなので、ユッスーは21世紀以降のヴァージョンこそきちんとレコーディングしておくべきだ。)

 年末に至ってもまだ "Stolen Car" と "Fital" が頭の中で響き続けている。なので、他の音楽はなかなか受け付けなくなってしまったまま。

 自由になる時間が限られる中、際限なく新しい音楽を求めるよりも、自分が本当に好きな音/音楽に集中した方が、充実した時を過ごせるし、思わぬ発見や体験も相次ぐ。今年もそんな1年だった。







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by desertjazz | 2016-12-31 08:01 | 音 - Music

DJ