カテゴリ:音 - Festivals( 94 )

 この春にクロ・ペルガグの来日が決まったと連絡を受けてからは、毎日毎日そわそわ。彼女が日本に到着してからも、間近でライブを楽しんで(撮影したステージ写真数枚は彼女のサイトやFBに使われて)、じっくりインタビューして、誘われて打ち上げにまで参加、、、、と、自分が今世界で一番気になっているミュージシャン(一番好きなのは誰かと問われると、ユッスー・ンドゥールかブルース・スプリングスティーンになるのだろうが)と数日間過ごせたことは、まさにファン冥利に尽きる。本当に毎日が至福のひとときだった。

(とは言え、クロ・ペルガグは仲間同志でいる方が楽しそうだったし、色々な理由から、話しかけて疲れさせてもいけないと思い、公式インタビューの場を除いて、基本的には彼女からはなるべく離れるようにしていたのだが。)

 しかし、クロが日本に滞在している間、彼女と会えるのもこれが最後になるだろうと、ずっと考え続けていた。ひとつ大きな期待を抱きながら。

 日本ではほとんど無名の頃から、私が惚れ込んで熱心に紹介し続けたアーティストは数多い。そのほとんどは未だにブレイクしないのだが、一方で気がつくと自分など手の届かない存在に大化けしてしまった人もいる。

 例えば、ダーラJ(現在は Daara J Family)のファーダ・フレディ Faada Freddy。11年前に仏アングレームで出会って意気投合。ダカールの自宅の電話番号まで教えてくれた。その後もシンガポール(WOMAD の片隅で疲れた顔で料理教室をやらされていたっけ)、東京(公式公演ができず、関係者だけ招いたライブのフロアで立ち話)、ロンドンのライブにも行って、一昨年にはパリで5回目の奇跡的再会。「これまで4回会ったよね」って話かけると、彼は大喜びで「絶対メールする」と言いながら、「忘れないように」と私の名刺を2枚ももらって行った。しかし、その後彼から連絡は来ていない。まあ、当然のことで仕方ないよな。

 それより、クロを見つめながら思い出していたのは、イダン・ライヒェル Idan Raichel のことだった。10数年前にイスラエルで「発見」し、世界デビューの日にパリでインタビュー(ってことはこれまで何度も書いたね)。その直後は、ワシントンでばったり再会し、本人からコンサートに招待されたり、突然メールが届いたことさえあった。でも、世界的スーパースターとなった今は、もうそんなことはあり得ない。直接の連絡先すら分からなくなってしまった。彼が日本に来る度に挨拶しに行っているが、私が誰なのかもう記憶にないようだった。それも仕方ないことだ。いや反対にファンとしては彼らの大成長を喜ぶべきだろう。

 クロ・ペルガルの音楽を聴いた人々からは、ビョークと比較する声すら聞こえてくる(今日読んだ『ラティーナ』最新10月号に掲載された吉本さんによるインタビュー記事には、ビョークのことを「敬愛する存在」と書かれていた。なるほど、そうなのか)。万人受けするポップさではビョークよりもクロの方が優っているかもしれない。ならば、彼女にはビョークを超えるくらいのポップ・スターになって欲しいと願う。(そのためには英語圏マーケットへの関心の無さがネックになるようにも思うのだが。)

 今回は「クロちゃん」と愛情こめて呼ばせていただいた。しかし、クロ・ペルガグの音楽をじっくり聴き直し、改めてライブで聴いて、ようやく気がつかされたことも多かった。これほど懐深く、凄みを感じさせるアーティストだったとは! なので彼女には、そんな気安い呼びなを許さない高みにまで登り詰めて欲しい。そう思って、彼女の公演後、自分は「クロちゃん」という呼称は封印した。

 クロ・ペルガグというアーティストには心底惚れ込んでいる。だから、彼女には自分など手に届かない遠い存在になって欲しいと心から願っている。正直それはちょっと寂しい気もするけれど、彼女の音楽の熱烈なファンとしては本望でもある。

 初来日公演を終え、早速、再来日を熱望する声が各所から聞こえてくる。少しでも早くそうなるといいな。でもその時には、もう私の出番はないだろう。自分ができることは今回でやり尽くした。一人のファンができることはこれが限界だと感じている。

 彼女のマネージメントからは、昨年の段階で「今後全てのコンサートに招待する」とメッセージをいただいている。しかし、彼女がビッグになっていけば、きっとそうはならないはずだ。気の早い話かもしれないが、来年はカナダに行きたいと考えている。5月には(二度目?の)オーケストラとの共演が発表され、6月にはクロとバンド・メンバーたちが楽しみにしていると熱く語っていたフェスへの出演も決まった。条件が揃えば、こっそり観に行きたいな。

 私が一人のアーティストにこれだけ惚れ込んだのは久しぶり。なので、クロ・ペルガグには、これからも素晴らしい作品を生み出し続けて評価をどんどん高め、自分自身でも芸術活動をたっぷり楽しんで欲しい。これからどんな作品を私たちにもたらしてくれるかとても楽しみだ。その結果、私からは遥かに遠い存在になってくれることを心から願っている。

 そんなワケで、「クロちゃん」にはさようなら。今度はよりスケールアップしたアーティスト、クロ・ペルガグの姿をまた観られることに期待しています。




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(クロ・ペルガグが日本に持って来たポスター2点も手に入れることができました。)







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by desertjazz | 2017-09-19 23:00 | 音 - Festivals

 シュールな歌を歌い、奇抜なパフォーマンスを繰り広げる、不思議に満ちた若き鬼才。クロ・ペルガグについてそんなイメージが先行したけれど、実際日本にやってきた彼女は、いつも明るく陽気。とても気さくでフレンドリーな人柄を、多くの人たちに強烈に印象付けていった。

 私は今回の初来日に際し、クロ・ペルガルを語る/クロ・ペルガグと語り合うに当たっては、基本的に謎は謎のままでいいというスタンスでいた(彼女は自分の中から自然と浮かんで来るものをメロディーや詩にしたり、衣装にしたりしているに過ぎない。その理由を問い続けることに意味はないし、そこから面白い話を引き出すことも無理だろう)。理解の及ばない部分については、それぞれが自由に解釈することに意味があると思う。

 ただ、ひとつだけ懸念していたのは公開インタビュー(スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドでのワークショップ)のこと。謎多いアーティストなので、どこまで本音で語ってくれるのか。かつてインタビューで質問への答えをはぐらかし続けた「前科」もあるらしい。そこで、まともに答えてくれないことまで想定してインタビューに臨んだのだが、いざ始まってみるとどんな質問に対してもストレートに答えを返してくれる。彼女にちょっと無理を強いているのではないかと感じ、突っ込んだ質問は取りやめたほどだった。

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 加えて、彼女はインタビューの最中「恥ずかしい」を連発。そういえば、フランスでライブを観た時も、スタンディング・オベーションを受けて、どうしたら良いのか分からないかのようにモジモジしていた。意外にも?彼女は結構シャイらしい。かつてのインタビューでのはぐらかしも照れ隠しだったのではないかという指摘も受けた。

 確かに2年前パリで会って話した時、彼女はとてもフランクに接してくれた。今回の公開インタビューに関しても、彼女自身「とても楽しみにしている」と言っていたと聞いた。彼女と会った誰もが、クロはよく笑う素直な良い子だと語る。どうやら私自身が神経質になりすぎてしまったようだ。そのことはクロ・ペルガグに対しても悪いことをしてしまった。

 とにかくクロ・ペルガグはステージ上でもサイン会でも上機嫌で、オフの時間もバンド仲間たちと楽しそうに飲み語らっていた(夜毎ホテル前での縁石には誰もがびっくり!まあ毎年のことなのだけれど、アーティストたちの名誉に関わる可能性があるので詳しいことは書きません)。クロは、音楽面、特に作曲に関して天与の才能を持っている一方で、普段は普通の若い女性。そうした等身大の姿に毎日接することができたのが、今回自分にとって大きな発見だった。



 クロ・ペルガグの、そんな素直さ、等身大さを感じさせられたエピソードをひとつ。

 クロ・ペルガグについて徹底研究して分かってきたのは、彼女が人間の二面性/多重性に関心を持っていること(それは以前このブログでも分析した通り)。そして、そこから生ずる被り物(マスク)好きだ。そのことに気がついて以来、ファースト・アルバム "L'alchimie des monstres"(邦題『怪物たちの錬金術』)のジャケットに描かれた怪物がナマハゲを被った姿に見えて始めた。怪物と向き合う少女?もお面を持っている。クロのポートレートには何かを被っているものが多いことからも、彼女は意識的にあるいは無意識のうちに一種の変身願望を持っていて、マスクに惹かれている、と見て間違いない。

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 そこで彼女にナマハゲの仮装衣装をプレゼントしようと思いついた。しかし、彼女に会うまでにどうしても手に入れられなかったので、その代わりに、ナマハゲのおもちゃのマスクと赤鬼のマスクをプレゼントすることに。もしかしたらライブで使ってくれるのではないかという、密かな読みも抱きながら。

 実際お面を渡してみると、彼女は思いの外喜んでくれた(ようだった)。これは本当にもしかすると、、、。

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 8月27日、スキヤキ、ヘリオスでのステージ冒頭、クロ・ペルガグは公開インタビューで予告?した通り、マスク(医療用の白い布マスク)をつけて登場。彼女のマスク好き/変身願望はこんなところにも現れているのかも知れない。

 実は、日本公演の舞台演出をどうするのか、ちょっとばかり楽しみにしていた。フランスやカナダでのライブではメンバー全員が奇抜な衣装を身につけ、時にはステージの上が所狭しと雑多な物で溢れる(これも以前リポートしましたね)。しかし日本には最低限度のものしか持って来られないはずで、どうするのか疑問を投げかけたところ、クロは「日本で代わりになるものを探す」とのことだった。なるほど、その答えがこのマスクだったのか。

 そんなことを思い出しながらステージを楽しんでいると、、、終盤の曲 "Taxidermix" で、プレゼントした赤鬼のお面を被って登場。期待していたとはいえ、さすがに驚かされた。(同時に心の中で歓喜!)そしてそのお面を使って楽しいパフォマンスを演じてくれたのだった。

 そして SUKIYAKI TOKYO(WWW X)では、公演スタートからマスク・パフォーマンス! 彼女の大ファンである自分にとっては感涙もの。(チェックした範囲では、福野で鬼のお面を被ったというコメントも写真も、東京公演前にネット上には皆無だった。それだけにあのオープニングに驚いた人は多かっただろう。クロの可愛い顔を楽しみにしていた人たちには申し訳ないことをしましたが、、、。)

 だけど、お面を被ってくれたのは、自分の読みが見事に当たった!というよりも、彼女なりの日本人へのサービスに過ぎなかったのかも知れない。それでも、自分の分析が(多分)ある程度まで的を得ていたのだと思うし、一人のファンがこんな形でアーティストのステージングに関われるというのも、自分にとって新鮮で貴重な体験となった。

 クロ・ペルガグの音楽世界は奇天烈とまで形容されるが(それには自分も多少の責任があるだろう)、本人は「自分の中から湧き上がってくるものを音楽にしているだけ。他人がどう言おうと気にしない」と来日中に語った。実際その通りに、ふとした思いつきや発想の積み重ねから彼女の作品は生まれているのだろう。

 赤鬼の面を目にした時も何かを感じて、ステージ演出を考えたのだろうか。私がプレゼントしたお面は単なるトリガーにしか過ぎず、それを使ったパフォーマンスは彼女自身の表現へと昇華していた。自分のプレゼントをこういう形で使ってくれたことは素直に嬉しいし感謝もするけれど、お面はすでに完全に彼女の一部に変わってしまっている。(実際、日本最後の夜にクロに "Thank you for using mask" って声をかけたけれど、特に反応はなく、誰からもらったかすらもう忘れてしまったかのようだった。)

 クロ・ペルガグは本当に素直な性格なのだと思う。何かを投げかければ、ストレートに反応が返ってくる。彼女は絶えず様々な物事に興味を持ち、気になったものは自然と自分のものにしてしまう。謎多い彼女の芸術の秘密も、そんなさりげないところにあるのかも知れない。

(東京公演で "Nicaragua" の前に始業ベルを鳴らしたことも、私との会話がきっかけだったのではないかと今でも思っている。また、深夜に渋谷の街を一緒に歩いていて、彼女のさりげない振る舞いから、最近のステージ衣装の謎の一つも解けた! それも彼女の素直な好奇心から生まれたものだったことを知ったのだった。)


 ところで、アルバム "L'alchimie des monstres" 裏ジャケットの絵、「クロのポートレートなの?」って訊いてみたら、「そう」だって。やっぱりクロは変身願望が強いな!

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by desertjazz | 2017-09-18 21:00 | 音 - Festivals

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 比類ない音楽的才能と独特な芸術性に惚れ込んで、3年間追い続けたカナダの奇才クロ・ペルガグ Klô Pelgag が、ついに日本にやって来た。彼女自身「日本に来ることが夢だった」と繰り返し語っていたが、日本で彼女と再会し、素晴らしいライブ・ステージを堪能できた私にとっても、正に夢のような時間が続くこととなった。

 まずは、今回日本での3回のステージについて簡単に振り返っておこう。

 来日メンバー(と主な担当楽器)は以下の6人。クロ・ペルガグ(ヴォーカル、ギター、キーボード)、ファニ・フレサル Fany Fresard(ヴァイオリン、キーボード、リコーダー)、ラナ・トムラン Lana Tomlim(ビオラ、リコーダー)、マリアン・ウレ Maianne Houle(チェロ、キーボード)、フランソワ・ゼダン François Zaidan(ベース、ギター、チャランゴ、キーボード)、マルク=アンドレ・ペテル Marc-André Pételle(ドラム、パッド、パーカション)。コーラスは全員が担当。


□ 8月25日(金)Sukiyaki Meets the World 初日(富山県南砺市福野)

 スキヤキ初日、無料解放された屋外のオープニング・ステージに最後に登場。まずステージ上でインタビューを受けた。その最中からクロ・ペルガグは超ゴキゲン! カナダのケベック州出身であることが紹介された後、「ケベックにはリルといった伝統音楽がありますが、私の音楽はそうした要素は取り入れていません。私は自分の中から沸き立つものを音楽にしており、そうした私の音楽がいつかケベックの新しい伝統音楽のような存在になれたら嬉しいです。」といったことを語っていた。爆笑しならが毛糸の玉で蹴鞠をして見せたりも。


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(中央のピンク&クリーンが毛玉。キャプチャー画像なので分かりにくいかな?)


 その後軽く3曲披露。1曲目はセカンド・アルバム "L'Étoile Thoracique" の中で最もダイナミックなナンバー "Le Sexe des Etoiles"、3曲目はチャランゴのイントロが印象的な "Les Ferrofluides-Fleurs"。まあご挨拶程度のパフォーマンスといったところ。ステージ上を駆け回る姿と毛糸をあしらった可愛らしい衣装が受けていた。


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□ 8月26日(土)Sukiyaki Meets the World 2日目

 日中、『クロ・ペルガグの美しくも不思議な世界 ~カナダの若き鬼才が語る自身の芸術~ 』と題してワークショップ(公開インタビュー)を開催。1時間の内容を全て録画/録音したので、別途詳しく紹介したい。


□ 8月27日(日)Sukiyaki Meets the World 3日目

 ヘリオスの屋内ステージでの80分。オープニングは "Insomnie"。フランソワのキーボードとストリングス3人のドローンっぽいサウンドが空間を埋めていき、それが高まったところでドラムがイン(タムの重いビートがますます気分を高揚させる)。そしていよいよクロ・ペルガグが登場。この妖艶な雰囲気のオープニングで、誰もが一気にクロ・ワールドに持って行かれたはず。クロがハモンドを弾きながら歌い出すまでの長い(数分間続く)ラウドなイントロはとても効果的だった。

 2曲目の "Le Sexe des Etoiles"。セカンド・アルバムでハイライトをなすこの曲、レコーディングではフルオーケストラが大々的にフューチャーされていたので、それをライブでどう再現するかが課題かと思っていた。しかし、アルバムのサウンドと比べても遜色ない迫力だった。真っ赤な衣装のクロが抱える純白のギターが眩しい。ヘリオスのホールはとにかく音が良いため、各楽器の分離と響きがクリアで、サウンドの作りまでじっくり観察できる。クロのギターもこれまで観た中で最もしっかり味わえた。

 3曲目は "Tunnel"。グランドピアノによる弾き語りが中心。こうした強い発声がビョークとも比較される一つの理由なのだろう(小柄な体型もビュークを連想させるだろう)。女性たちの声が重なり合う終盤のコーラスまで実に美しかった。

 ここでクロ、照れながら「ありがとうございます」と日本語で一言。その後英語に切り替え「英語も得意じゃないので、私は音楽で表現する、、、」と(言いかけて詰まり、笑ってごまかす)。

 4曲目はデビュー EP にも収録されていた(その後、ファースト・アルバム "L'archimie des Monstres" で再録音/再収録)"Comme des Rames"。とても軽やなクロ流チェンバーポップ。ストリングスとピアノとのコンビネーションもとてもいい。


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 5曲目 "Les Instants d'Eqilibre" で、ファニとマリアンヌがキーボードに移動。リズミックなサウンドに乗ってクロの小気味な動きも増えてくる。彼女はライブ間、片足を上げたまま演奏したり、脚を揺すったりする仕草をしばしば繰り返した。


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 続く6曲目の "J'arrive En Retard"。この日はやや離れたところからステージを観ていたのだが(彼女の音楽に集中し酔っていたかったので、写真もそれほど撮らず、動画を中心に撮影していた)、事前にセットリストを見て、どれか1曲だけフロア最前に移動して録画する気になり、この曲を選んだ。静謐なイントロが流れる中、クロはピアノの前で目をつむり精神統一しているかのよう。それから歌い出したのだが、その切々とした哀しい声が心を打つ。ピアノとストリングスとが一体となった美しさが、とにかく素晴らしかった。来日中の全ステージを通して、この歌と演奏が断然印象深く残っている。セカンド・アルバムでは実質最後に前曲 "Insomnie" からやや長めのインターバルを置いて収録されたし、最近この曲のオルゴールも作られた。きっとクロにとって何か思い入れの強い曲なのだろう。クロの書く曲は名曲ばかりだが、中でもこれは白眉だと思う。


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 その後 "J'arrive En Retard" の余韻に浸りつつ、穏やかな "Au Bohner d'Edelweiss"、ダイナミックな "Samedi Soir a la Violence"、弾むような "Rayon X"、リコーダーをフューチャーした "Nicaragua" など、聴き親しんだ曲の数々を無心で楽しむ。

 ステージ終盤の "Taxidermix" がもう一つのハイライトだった。アルバム・ヴァージョンとはかなりアレンジを変えてヒップな印象。後半に繋げられた長いインプロビゼーションでは、クロのハモンドを中心としたサウンドが場内に響き渡る。キング・クリムゾンに影響を受けたというクロのプログレ好きが垣間見られる大胆な演奏だった。この曲でクロは赤鬼のお面を被ってパフォーマンス。来場した子供にも受けていたようだった。(この赤鬼のことについても別途書く予定。)


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 ラストは一昨日のオープニングステージでも披露した "Les Ferrofluides-Fleurs"。フランソワが弾くチャランゴのイントロが可愛らしいナンバー。


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 アンコールは "Incendies" と "La Fièvre des Fleurs" の2曲。クロ一番の代表曲である後者は、最後の最後にソロでピアノ弾き語りを聞かせると思っていたが、その予想は外れメンバー全員での演奏だった。


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 終演後のサイン会は長蛇の列。クロ・ペルガグが一人一人の名前を聞いてサインに入れ、一緒の撮影にも応じ、会話も楽しんでいたので、何と最大1時間待ち! 初めて聴く人さえ虜にする彼女の音楽と可愛らしい動きは、今日もオーディエンスたちの心をしっかり捉えたようだった。



 翌日28日にスキヤキ一行は大型バスで東京へ移動。クロ・ペルガグは、8月30日(水)Sukiyaki Tokyo 2日目(東京渋谷 WWW X)に出演。そうした話は次回に。


♪♪♪


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(日付間違いは気にせずに、、、。)



(続く)







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by desertjazz | 2017-09-03 14:00 | 音 - Festivals

Babel Med Music 2017


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 今年もマルセイユの音楽見本市 Babel Med Music から、92ページもある公式パンフレットとCD2枚が送られてきた。たとえ会場に行けなくても、これらは自分にとって貴重な資料。昨年のベストに入れるか最後まで迷った Vardan Hovanissian & Emre Gültekin "Adana" なども Babel を通じて知った素晴らしい音楽だ。

http://www.dock-des-suds.org/babelmedmusic2017/


 Big Thanx to Olivier !!




 今年またマルセイユに行けるだろうか? 昨年11月にはマルセイユに1泊して、港やマグレブ人エリアを散策(毎度歩いているので、もはや定点観測しているのに近い)。Vieux Port にはまた変な建造物が増えていて驚かされたのだった。


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by desertjazz | 2017-03-02 18:00 | 音 - Festivals

Paris & Marseille 2015 (#2)

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 およそ3ヶ月振りにブログを再開したものの、ネタはたっぷりで、さて何のことから書いていったものかとまた思案。

 旅の写真を見返している。街角に貼られたこうしたポスターを目にする度に、またパリにやって来たんだ、マルセイユに戻ってきたんだと思う。あー、今すぐにでもフランスに帰りたい。


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by desertjazz | 2015-11-29 22:00 | 音 - Festivals

Paris & Marseille 2015 (#1)



 今年4月のパリ滞在に続いて、10月に再びフランスへ。パリとマルセイユで音楽取材を敢行した(パリで過ごすのは13回目、マルセイユは6回目)。

 Skip & Die、OUM、Natacha Atlas、AaRON、Blick Bassy、Terakaft、Temenik Electric、Elida Almeida、Diego El Cigala、Alpha Blondy & The Solar System、Papet J、Cheikh Lo、Les Amazones D'Afrique、The Dø など、20本ほどのライブを堪能。Toko Blaze、Cheikh Lo、それに Massilia Sound System の Tatou、Blu、Papet J と再会を果たし、数々の音楽関係者とも情報を交わし合えた。何と Oumou Sangare や Mama Keita らと直接会話するという幸運にも恵まれた。

 マルセイユから鉄道に乗って久し振りに訪れた La Ciotat では、駅まで出迎えに来てくれた Tatou 一家に街案内をしていただき乾杯するという夢のひとときも。慌ただしい中、パリのバルベス&シャトールージュと、マルセイユのベルザンスでは、セネガル盤やマグレブ盤をどっさり購入。旅行中、飛び切り美味しいものをいろいろ食べられたし、美術館や博物館も20カ所くらい訪れることができた。

 正直なところ、これまでの旅行の多くと比較すれば少し物足りなくも感じたのだが、それでもこれだけ楽しめたのだからまあ十分だろう。ステージ・ショットを中心に写真500枚ほどを Facebook にアップ。次はそろそろ旅行記をブログに書きたいと思い始めていた。


 その矢先、11月13日金曜日、パリで同時テロ。4月にもこの10月にも、今回悲劇の舞台となった La Bataclan のような箱で連夜ライブ三昧だった。République 周辺は馴染みの場所。このエリアのホテルに泊まったことがあるし、駅の近くにはいいレコードショップもある(El Sur Records とも親交深い店)。

 日々ニュースを追う中、楽しかった思い出を綴る気分が一気に吹き飛んだ。

 その後、パリ近郊のサンドニでもマリのバマコでもナイジェリア東部でもテロが続く。思い出の土地から衝撃的な報道の連続。パリからの続報を追いながら、ますます暗澹たる気持ちになっていった。


 それでも、またパリに行きたい、またマルセイユに行こうという気持ちは強まった。かの地でないと聴けない音楽がある。フランスにしかない特別な雰囲気がある。直接訪れることによって初めて出会える音楽がある。

 そのことを自分なりに伝えることが、素晴らしい音楽を聴かせてくれたアーティストたち、自分をフランスへと招いてくれた人たちへの恩返しになるだろう。

 このブログでも、そうしたことをまた書き綴っていきたい。誰もが何ら不安を抱くことなくライブ・ミュージックを楽しめる日が戻ることを願いながら。



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 モロッコのソウル・デイーヴァ、ウムの新作(実質3作目) "Zarabi" のお披露目ライブ。過去2作よりもぐっとジャジーで落ち着いたムードに。カリブなども見据えた汎ワールド的ステージを展開。(OUM : Paris, 2015/10/13)

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 ナターシャ・アトラスもジャズ路線。Ibrahim Maalouf 提供曲が白眉だった。MaMA Event 初日のこの日は雨中3会場を駆け回って6ステージを観る。(Natacha Atlas : Paris, 2015/10/14)

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 在マルセイユのアルジェリアン5人組の新作 "Inch'allah Baby" 発表ライブ。やっと生で聴くことができた彼らのサウンドは強烈なアラビック・ロックだった。前作 "Ouesh Hada?" (2013年) から遥かに進化したサウンドに思わずエキサイト。(Temenik Electric : Paris, 2015/10/14)

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 マルセイユに移動し、3年振りの Fiesta des Suds へ。初めて聴くフラメンコの大スター。熱狂するファンたちの中で彼の喉を堪能。ギターの艶も印象的だった。(Diego El Cigala : Marseille 2015/10/15)

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 アルファ・ブロンディのレゲエ・サウンドがこれほどとは今まで知らずにいた。贅沢なだけじゃなく、とってもマジカル。衝撃的かつ圧倒された。(Alpha Blondy & The Solar System : Marseille 2015/10/15)

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 シェイク・ローのステージも2時間たっぷり。 公演直後、フェスの V.I.P. サロンに招かれて再会。今夏スキヤキでの写真を直接手渡すことができた。(Cheikh Lo : Marseille 2015/10/16)

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 ウム・サンガレ、ママニ・ケイタ、それに Amadou et Mariam のマリアム・ドゥンビアらを中心に結成されたマリの女性たちによるスーパーグループ、その世界初ステージ。今回はこれが一番の楽しみだった。(Oumou Sangare & Mamani Keita - Les Amazones D'Afrique : Marseille 2015/10/16)

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 ウム・サンガレは正に女王の風格。実際今アフリカで No.1 だろう。翌日会ったママニ・ケイタの話によると、これからアルバムを作る計画もあるようだ。(Les Amazones D'Afrique : Marseille 2015/10/16)

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 ゲストで登場した Zebda のムース&ハキム。いつも通りの賑やかし。2人のステージは何度観ても楽しい。(Mouss et Hakim with Les Amazones D'Afrique : Marseille 2015/10/16)

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 さらにティケン・ジャーも加わる。大好きなこの4人が目の前に並ぶなんて、もう2度とないだろう。(Tiken Jah Fakoly & Mouss et Hakim with Les Amazones D'Afrique : Marseille 2015/10/16)

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 今年も32000人が集まった巨大フェスの大トリは、フランス人とフィンランド人の人気デュオ。耳タコになるポップさ。オリヴィエのダンスもキュートだった。(The Dø : Marseille 2015/10/17)



(ブログを書く時間がなかなかないので、取り急ぎザックリとご紹介。)








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by desertjazz | 2015-11-28 17:00 | 音 - Festivals

Sukiyaki Meets the World 2015

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 今年の Sukiyaki Meets The World 3日間(8/21 - 8/23)で撮影した写真の中からざっと10数枚選んでアップしてみました。明日から始まる Sukiyaki Tokyo に行きたくなりませんか?


 Facebook と Twitter に順次情報公開中。後で Blog にもまとめます。





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by desertjazz | 2015-08-24 18:00 | 音 - Festivals

Sukiyaki Tour 2015

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 クアトロ・スキヤキ・ミニマル Cuatro Minimal が2011年のスキヤキのオープニング・ステージに立ったときの写真がでてきた。彼らのライブも4年振りに観ることができそう。

 スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド行きの準備がほぼ終了。今年は前日20日に新幹線で金沢に入ってそれから福野に移動する計画。どなたか20日の夜、金沢で飲みませんか?(って、みんな忙しいんでしょうね。)

 数えてみたらスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに行くのは最近6年の間で5回目。フジ・ロックやサマーソニックやライジングサンにも行ってみたいと思いつつ(まだ未体験)やっぱりスキヤキに行ってしまう。

 今年は例年以上にのんびり音楽や会場の雰囲気を楽しみたいと思っている。もちろん現地リポートもしますよ!






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by desertjazz | 2015-08-16 19:00 | 音 - Festivals

Les Amazones D'Afrique

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 いい写真だなぁ!






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by desertjazz | 2015-08-12 00:00 | 音 - Festivals

Count Down to Sukiyaki 2015

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 今年もスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド開催まであと半月! 出演アーティストたちの CD を聴いて予習中です。

 ・ Sukiyaki Meets the World 2015

 セネガルのシェイク・ローにしても、ホンジュラスのアウレリオ・マルティネスにしても、ブラジルのチガナ・サンタナにしても、クアトロ・ミニマルにしても、福野ヘリオスのフロアに裸足を放り出して、のんびりまったり聴きたい気分になる、涼やかなサウンドが多い印象。

 そんな中、個人的に一番楽しみにしているのはマリのベカオ・カンテットだったりして。

(Tigana Santana の "Tempo & Magma" の CD がどうしても見つからない。DL 版を買ったのかと思って調べても記録がない。やっと思い出しました。関係者から音だけ送ってもらっていたのでした…。そろそろ CD も買っておきたいな。)

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 こんな CD も聴いています。

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 シェイク・ローの初期のカセットも引っ張り出してきました。これらはちょっと珍しいでしょ? でも、どちらも CD 化されているので、ご安心を。



 今年のスキヤキはインタビューや司会など何も予定が入っていないので、ただただフェスを楽しんでいればいいという気楽な身分(事前にいろいろやり取りしたり、作戦会議に参加したり、CD 用に短い原稿を書いたりはしましたが)。今年に入ってから全く時間的余裕のないスケジュールをこなしているので、助かりました(?)。そのため事前の情報発信がさっぱりできていない分、25周年のスキヤキの現場からガンガン、リポートしたいと思います。

 スキヤキでは多くの知人たちと会う約束。乾杯しながら音楽を楽しめるって最高です !!


(と言いつつ、忙しすぎて、何も準備ができていない。2週間後の 20日には北陸入りする予定。それなのに、金沢に前泊するか富山に前泊するかすらまだ決めていない。さてどうするか?)






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by desertjazz | 2015-08-06 22:00 | 音 - Festivals

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