カテゴリ:旅 - Abroad( 146 )

パリ滞在記 2015(18)

〈7日目〉4月17日(金)Part 3


■ビッグトラブル! まさかの乗り遅れ?


 17時、事前に予約しておいた空港行きのシャトルがホテルまでお出迎え。こうしたシャトルはこれまでにも何度か利用したことがあるが、今回も同じく7人乗りの車(客は6名)。途中で2カ所別のホテルに立ち寄って客をピックアップ。アジア系(韓国?中国系?)のカップルがドライバーにがっつり怒られていた。時間に遅れて他の客に迷惑をかけるな、とでも叱責されていたのだろうか(乗る時に「I'm sorry」と口にしたので、少なくとも中国本土人ではなさそうだ)。

 パリ1週間、ここまで全てが順調だった。最初から最後まで快晴続き。観たいライブは全て観られたし、フランス在住の知人たちやアーティストたちとも連日お会いすることが出来た。レコードにも思わぬ拾いものが多々あって収穫はまずまず。

 土産もすでに購入済みなので、あとは機内でのんびり寛いで日本に帰るだけだ。心配性なので、搭乗時刻の3時間半前にホテルを出たから、空港でも時間に余裕があるだろう。

d0010432_0324192.jpg


 正月のサンフランシスコとは対照的に、美味しいものはあまり食べられなかったし、特別変わった展覧会などに足を運ぶこともなかったが、それらを除けばほぼ完璧な滞在だった。そう思っていたら、最後の最後にビッグトラブル。大渋滞に巻き込まれてしまい、車が全く進まない。そもそもバルベスから抜け出せないのだ。これは金曜の夕方だからだろうかとも考えたのだが、どうも様子がおかしい。ドライバーも「こんな経験はない」と焦り出す。彼はかなりのやり手と見えて、車線を逆走までして抜け道を探したものの、とうとう途中の交差点で大量の車が糞詰まりして完全にストップ。もしかするとこれは間に合わないかも?

 それでもチビリチビリ進んで、高速道路の入口近くまで。ここまで辿り着いたところで、やっと状況が掴めた。大火災が発生して、その影響で道という道が「全面ストップしている」とのこと。同乗している他の客は搭乗時刻が自分よりもずっと早い。これは不味いな。そう考えている矢先、ビジネスマン2人が荷物を引きずって車の脇を走り抜けて行く。その姿を目にしてドライバーと供に爆笑。ここから空港まで走っていく気?

d0010432_0324427.jpg

 高速道に入ると、ようやく車列がほどほどスムーズに流れ出す。すると巨大な黒煙が見えてきた。この煙が車道を覆っていたのか。

 自分は空港行きシャトルとの相性がどうも悪い。前回も CDG まで1時間半もかかってしまった。順調に行けば1時間かからないはずなのに。その記憶があったので、今回は PER ラインで CDG に戻ることをずっと考えていたのだった。

 気を揉みながらも、どうにか2時間かかって CDG に到着。結局は間に合った。恐らくこれまで1000回くらい飛行機に乗っており、それなりに色々なことを経験してきたけれど、不思議なことに過去乗り遅れたことは(実質)一度もない。なので今回も絶対に間に合うと心の底では信じていたのだった。

 さて、チェックインだ。こうしたトラブルが起こった時にはカウンター前が大行列となること必至。でも大丈夫。帰路もエコノミークラスを避けておいた。これは正解だった!


(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-17 23:03 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(17)

〈7日目〉4月17日(金)Part 2


■パリの新常宿 Hotel George Opera


 パリに限らず自分がホテルに求めること。それは、場所の良さ、値段の安さ、環境の良さ(とりわけ夜間に静かなこと)、安全性、スタッフの雰囲気(ホスタピリティー)、清潔さ、とそんなことろだろうか。広さや採光性も加えたいところだが、それだけ全て揃ったような理想的なところはまずない。都市部でも毎回何とか1万円以下の部屋を探してみるのだが、この価格帯で満足できる宿と出会うには無理がある。パリだとエレベーターの届いていない屋根裏部屋のようなところがほとんどで、部屋でくつろごうにも全然楽しめない。

 今回も CDG からのアクセス、バルベス界隈に通うことなどを考えて、ホテルは北駅〜モンマルトル周辺に限定して探した(以前泊まった Republique 近くのデザインホテルがとても良かったのだけれど、なぜか見つけられなかった)。円高の頃でさえ上限1万円でも厳しかったのに、今の円安時代にこの予算では絶望的すぎる。最初は80ユーロくらいの部屋を探したのだが、全く話にならないので少々予算を上げることになった。

d0010432_214211.jpg


 主にTA (Tripadviser) を参考して3カ所に絞る。そして最終的に選んだのは St. George 駅直近の Hotel George Opera。1泊300〜1000ユーロくらいする高級ホテルが TAランクの上位を締める中で、このプチホテルは約1600軒中の80位前後に位置し、しかもコメント欄は絶賛の渦。これは期待できるだろう。狭くて表通りの音が上がってくる屋根裏シングルだと嫌なので、自分の年齢のことも諸々考慮してツインに変更。

d0010432_2142379.jpg


 このホテルに6泊したのだが、旅の全体があり得ないほどに完璧だったのと同様、ホテルに関しても全てのことにわたって満足した。

1.St. Geroge 駅そばということは Pigalle からも歩いて数分。なのでパリ市内のどこへ行くにもアクセスが至極便利。

2.今回のライブ会場 La Cigale (Faada Freddy) までは歩いて数分、La Trianon (Klo Pelgag) までも10分くらい。Dupain の Le Studio de l'Ermitage までも地下鉄で乗り換えなしの1本だった。

3.バルベスまでも約1kmなので、完全に徒歩圏。

4.部屋にはほぼ必要なだけの広さがある。

5.古い建物だがメンテナンスが十分で、汚いところ、臭いところなどなし。

6.バスタブつき(これは事前に確認)。

7.セイフティーボックス付き(やっぱりこれは便利)。

8.ただし部屋には冷蔵庫もコーヒーメーカーもなし。これが不満点のひとつ。

9.しかし、ロビーにはバーコーナーがあって、深夜2時まで無料のドリンク類やつまみを自由に食べられる。個人的にはエスプレッソマシーンのあったことが何より嬉しかった。

10.ホテル周辺には美味しそうなレストランやバル、セレクトショップなどが並ぶ。対してすぐ近くのムーランルージュのような猥雑な雰囲気は目立たない。

11.周辺には BIO系のスーパーなども数店。深夜まで開いている小売店も多い。

12.内装のセンスもいい。レストランの写真をネットで見たときには、どうかな〜とは思ったけれど…。(正直、食堂エリアはやり過ぎかと思ったが、子供たちは喜ぶだろうなぁ。)

 さて、最後に気になる料金は、、、

13.この内容からは考えられない値段設定なのではないだろうか。ギリギリでプロモーション期間に部屋をおさえられたので、1泊131ユーロだった。現在のパリのホテルの水準を考えると、これは十分に安いと言えるだろう。どうやら中間業者を介在しない予約システムとなっているために、他の多くのホテルよりも安い料金設定が可能になっているようだ。6泊で756ユーロ(10万円弱)。ひとり旅だったので予算オーバーなのだけど、諸々考慮すると全く満足できる。

14.それほど安いのに、何と朝食は無料。これまで泊まったフランスのプチホテルは有料/無料にに関わらず、大抵はジュースとコーヒーと安そうなクロワッサン程度という貧弱な内容だった。だがここには、コーヒー、紅茶、ジュース、パン各種、シリアル各種は勿論のこと、ヨーグルト各種、卵料理各種、ソーセージ、生ハム各種、あらゆる種類のチーズ、(残念ながらわずかな生野菜)、プルーン3種、フルーツバスケット、フルーツポンチ、とっても美味しいケーキ、などなどがふんだんに用意されている。一応14ユーロと価格表示されてはいるが、朝食込みのコースを予約でいたので無料だった。この朝食の内容だけからでも、このホテルを高評価したい。

(ここで朝しっかり食べられたので、昼と夜はほとんど食べなくても過ごせたのだと思う。でも甘いものを食べ過ぎて、その分リバウンド。メタボ脱出、やり直しです。)

15.そしてここの食堂、客が退ける度にテーブルを丁寧に磨いていたことにも好感を持てた。

16.ホテルスタッフも皆揃って明るくフレンドリー。TA に書かれていた通りだった。

 Hotel George Opera には何から何まで大満足。バルベス〜シャトールージュでの買い物には便利だったし、ここに泊まっていなかったら Faada Freddy とばったり出会うという奇跡も起こらなかったかも知れない。今後は恐らくはここがパリでの常宿になると思う。

Thanks to all staffs of George Opera!! 


d0010432_2142589.jpg
d0010432_2142737.jpg
d0010432_2142165.jpg
d0010432_21421915.jpg
d0010432_2142226.jpg
d0010432_21422488.jpg
d0010432_21422831.jpg
d0010432_21425220.jpg
d0010432_21425557.jpg
d0010432_21425771.jpg
d0010432_2143449.jpg
d0010432_2143853.jpg
d0010432_21431268.jpg
d0010432_2144829.jpg
d0010432_21441963.jpg


(続く)





[PR]
by desertjazz | 2015-04-17 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(16)

〈7日目〉4月17日(金)Part 1


■快晴&アート続きのままで最終日


 パリ滞在最終日。8:40 に起床し、シャワーを浴びた後、ゆっくり朝食。それからパッキングの続き。下着類をまとめて捨て、ゴミ箱の横に CDプラケースやペットボトルや酒ビンをまとめる。結構な山となった。帰りのフライトは預け荷物が 96kg まで OK なので CD などはもっと買いたかったところ。

 12時にチェックアウトし、スーツケースをフロントに預ける。心配性/慎重過ぎる自分としては、帰る間際に想定外のトラブルに巻き込まれるのも嫌なので、メトロに乗って出かける気にはならない。いよいよすることがないなと思いながら、地図を拡げると、ホテルからすぐそばにギュスタヴ・モロー美術館があることに気がついた。ギュスタヴ・モローは特段興味のある画家ではないが、ここの美術館は個性的だという知識だけは持っていたので、半ば時間つぶしに訪れてみることにした。

d0010432_012745.jpg
d0010432_012933.jpg
d0010432_0114995.jpg
d0010432_0115123.jpg
d0010432_0115684.jpg
d0010432_011581.jpg
d0010432_012029.jpg
d0010432_012234.jpg
d0010432_012440.jpg

(中央上部の作品『聖ジョージとドラゴン』?はヴェニスで見た絵画とモチーフも構図もサイズもほぼ一緒だな。)

 館内はざっとこんな様子。空想的ないくつかの作品にとても面白いものがあった。6ユーロ払ってこの空間に心身を預けるだけの価値はある。ただ短いパリ旅行でここまでやってくる日本人はまずいないだろう。




 今回は6日間で7つの美術館を訪ねて9つの展示/展覧会を観た。これだけ集中的に観たのは、ロンドンとマドリッドでそれぞれ美術館巡りをして以来かと思う。

 日本を発つ直前に布施英利の『パリの美術館で美を学ぶ』を一読した。これが案外役に立った。(ただ大風呂敷拡げたような気負った文章で、読書メモを書くまでもなかったか。)

d0010432_0121147.jpg

 ギュスタヴ・モロー美術館から出た後はブラブラ散歩。今日も本当に心地よい陽気。パリにいる間ずっと快晴だった。トリニティー教会の中も覗いてみる。



 さて、ランチ。今回の旅はこれまでよりも余裕があるはずだったのに、いざ旅が始まってみると毎度のごとく密度が高まっていく。それで連日のように、昼はホテルの自室でサンドイッチ、夜はビールとポテチとピーナツという貧相な食事。最後の昼はまた隣のアフリカンにでも行こうかと思ったが、13時半に散歩からホテル近くまで戻ったらホテル向かいのレストランに空席が目立つ。確か評判いいのはここだったよな(ミシュラン星付き)。ランチのセットは35ユーロ。パリ滞在の最後にこれくらいの贅沢はしてもいいでしょう、ということでここに決める。

 味はまずまず。接客はとてもフレンドリー。でも、フランス料理を食べに来たつもりが、ここ La Petite Sirène de Copenhague はどうやらデンマーク料理らしい。しかもネットで調べていたのは同じ通りの Bistrot Lorette(TA 49/13883)の方だった。それでも La Petite Sirène は TA で570位と高評価で、実際の店も悪くなかったのだから文句はありません。

d0010432_0121341.jpg
・サーモンのカルパッチョと生アスパラのスライス。これは自分でも簡単に作れそう。

d0010432_0121595.jpg
・シーバスのグリルとキャロット。美味也。

d0010432_0121716.jpg
・デザート。まっ、普通に美味しいかな。


 14:30。食後、ホテルに戻ってロビーでエスプレッソ淹れてひと休み。フロントの可愛い女性が「Are you tired?」と声をかけてくる。「はい、ふぁてぃげです」

 15:30。またブラブラ周辺の散歩へ。小さいながらも個性的なセレクトショップなんかが多くて眼の保養になる。レコード店で1枚欲しい盤を見つけたのだが、価格交渉に失敗。


 17時、CDG 行きのシャトルがお出迎え。フロントの美女とシェイクハンド。また来るよ−!

 今回も大満足/大充実な旅行だった。いや、ここまで完璧だったのは珍しいかも(細かなミスはいくつかあったけれど)。

 ・・・そんなことを考えていたら、最後の最後にまさかの大トラブル??


(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-17 00:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(15)

〈6日目〉4月16日(木)


■喧噪のモナリザ/静寂のイスラム


 8時起床。今朝も寝坊した。相変らずの快晴続きで、今日も暑くなりそうだ。

 今日は大きな予定は入れておらず、さてどうするか。パリ市内には好きなエリアが結構ある。シテ島周辺を散策してもいいし、その足で Paris Jazz Corner や近所の音楽書店などを巡ってもいいし、のんびりウインドー・ショッピングしてもいいし、昼間から冷えたシャブリを飲みながらオイスターやムール貝をいただくってのも最高だろう。

 などと思案した末に、今日も美術館に行くことにする。今回はアラブ研究所は諦めて、最後はケ・ブランリーとルーブルのどちらにするか。迷ってルーブル美術館に決める。完成直後に訪れたイスラム美術コーナーが素晴らしかったので、ここをもう一度じっくり見たいと思ったから。

d0010432_21293937.jpg
d0010432_23345248.jpg

 10時半にホテルを出て 11時に到着。するとメトロを降りたセキュリティーチェックのところで長蛇の列。何と30分待ちとの掲示。ならば予定変更してケ・ブランリーに行くかとも一瞬迷ったけれど、移動時間を考えたらここで待つのと大差ない。

 掲示されていたとおりほぼ30分かかって入れたのだが(これなら地上に出てガラスのピラミッドかの入口から入った方が早かっただろう)、今度はまたチケット売り場で長い列。もうウンザリ。ところが自動券売機には全く並んでいなくて、チケットをすぐに買えた。12ユーロ。

d0010432_21294589.jpg

 さて、ルーブル美術館の中に入ると、ここ最近訪れた時に比べてもますます喧噪凄まじく、まるでテーマパークと化している。けれども、イスラムのフロアだけはひっそりとしていて、警備する学芸員?たちが暇つぶしに話込む声だけが響いているのだった。

 このイスラムのコーナー、質・量ともに圧巻。とりわけ漆器や銅製品が素晴らしい。栄華を極めた時代のイスラムの美術の技術と美しさにただただため息。

d0010432_21301437.jpg
d0010432_21301669.jpg
d0010432_21302140.jpg
d0010432_21302430.jpg
d0010432_21302681.jpg
d0010432_21303534.jpg


 イスラムと古代美術の一部をじっくり見た後、いつもと同様本当に好きな絵画だけを巡ることにした。まず向かったのはレオナルド・ダ・ヴィンチの4枚。中でも好きなのがモナリザ。実物を見る前には全然興味がなかった作品なのだけれど、何年前だったかルーブルで初めて見た途端にそのミステリアスな魅力に魅入られてしまった。なので、数年前にルーブルに来た時にもイスラム・コーナーとモナリザだけを見てきた。

d0010432_21304019.jpg

 それにしても写真を撮っている人が多いな。モナリザの前にも順番待ち(この絵画を静かに鑑賞することはもう永遠に無理なのだろうと思うと悲しい)。オルセーほどではないけれど、1枚1枚撮って回っている人や、片っ端から自身との2ショットを収めて歩く人が正直邪魔と感じるほどに(ご想像通り、それでいて実際の作品はほとんど見ていない)。高そうなカメラで延々撮り続けている人を見ると、だったら画集を買った方が効率的なのでは?と思ってしまう。ガラスの反射もないしね。でも多くの人にとっては一生に一度のパリ旅行。こうやって思い出を残したいという気持ちは分からないでもない。

(自分の場合はメモ代わりに若干数撮っているだけ。なので今回はイスラム・コーナーのカタログはないだろうかと思って売店で探してみた。すると思った通り立派なカタログが売られていた。それも思ったより安い。買って帰ろうかと迷う…。かなり重いし、これ以上分厚い画集の類は自宅に起きたくないし、それほど頻繁に見るわけでもない、と自分に言い聞かせて購入を思いとどまった。)

 さてそんな風にイタリア美術を見ているうちに、ちょっと気が変わった。恐らくルーブルにはこれまで歩いていないエリアの方が多いはずなので、今回時間があるのならと思って一通り巡ってみることにした。以下の3点なども有名な作品ながらも、ルーブルの中でもかなり外れた一角に展示されているので、ここまで見にくる人は少ない。自分も初めて来たかも知れない。

d0010432_21304950.jpg
d0010432_21305116.jpg
d0010432_21305573.jpg


 さすがに疲れてきたので途中から早足になる。そろそろ3時間見て歩いたところで集中力がなくなり、14:20 に退館。勝手な見方をしているだけなのだけれど、やっぱりアートは楽しい!




 15:30、今日もスーパーでサンドイッチやサラダを買ってホテルで遅めのランチ。

 16:30、歩いてバルベスへ。頼まれたブツの買い付けついでに、もう一度マグレブものの CD をいろいろ試聴して追加購入。

d0010432_213141.jpg


 街中の路上にはこんなポスターが。これだけパリに来ているのに、マグレブやアフリカなど移民向けのローカル色強いライブがなかなか観られない。

 Youssou N'Dour などとも関係の深いセネガル人?が経営しているレコードショップの品揃えが凄いと聞き、ジャンゴ波多野さんにご案内いただくことにした。しかし話を聞くとどうも昔何度か行った Bellot Records のようだ。そこで予定を変更し Republique 駅近くの Superfly Records へ。

d0010432_015712.jpg

 全然期待していなかったのだが、意外にも掘り出しものがザクザク。LP も EP もシングルも安い盤が多かったので大量買い。7インチ盤はすでに所有しているアイテム含めてこんなところをセレクト。他には1ユーロ箱などの中から I.K.Dairo のシングル数枚など。

 ここの店主は時々アフリカにも買い付けに出向いているらしい。珍しいレコードが良心的価格で手に入れられるとは、さすがはフランスだなと思わせる品揃えだった(何と、El Sur Records にも頻繁に来て買い付けているそう)。


 レコハン後は、評判のバルへ。ステーキなどを食べながら楽しい会話。

 23:30、ホテルに戻って飲み直しながらパッキング。自分用の CD は解体してプラケースをゴミ箱へ。大充実のパリだったけれど、まだまだ物足りなくて日本に帰りたくない。パリの夜はこれが最後かと思いつつ、26時30分に就寝。

d0010432_21315247.jpg



(続く)





[PR]
by desertjazz | 2015-04-16 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(14)

〈5日目〉4月15日(水)Part 3


■クロ姫の美しく不思議な世界 - Klo Pelgag Live


 今夜はクロ・ペルガグ Klo Pelgag のコンサート。ファーダ・フレディ 〜 デュパン 〜 クロ・ペルガグと、何とも贅沢なパリ3連夜だ。会場は一昨日の La Cigale からちょっとだけ東に進んだところにある ル・トリアノン Le Trianon。なのでここもホテルから歩いてすぐ(Barbes から Pigale/St. George にかけてのエリアには、楽器店、レコード店、音楽資料館などが集中おり、もう少し西に行けばムーランルージュなどがある)。

d0010432_01728100.jpg


 クロ・ペルガグはカナダ・ケベック在住の若手アーティスト(現在25歳?)。彼女のことを知ったのは、毎度のごとく、昨年カストール爺さんによる紹介記事を読んでのこと。PV で視聴/試聴して、CD を買って聴いて、たちまち虜になってしまった。

 何て美しいメロディーばかりなのだろう。変化に富んで弾むような旋律も、時おり見せるもの悲しさもたまらない。こうした曲を生み出す泉は彼女のどこからわき上がっているのだろう。アコースティック楽器を主体とする室内楽的な演奏も、清廉なコーラスも、彼女の可憐かつ力の籠った歌声を引き立てている。

 それでいながら、アルバム・タイトルは『怪物たちの錬金術(L'Alchimie des Monstres)』。ジャケットもそのモンスターと思しき生き物のイラスト画となっている。PV 数本を観てさらに驚くことに。曲の美しさにはまるでそぐわないような衣装やメイクアップや小物の数々。玉手箱をひっくり返したかのようなハチャメチャ振り。そっと優しく扱ってあげないと簡単に壊れてしまいそうな繊細な音楽を、自ら破壊しているかのような印象さえ受ける。

 カストール爺さんの指摘によると、彼女の書く歌詞はとてもシュールであるとのこと。これはとても重要なポイント。曲の美しさと辛辣で理解の難しい歌詞とのミスマッチ振りも、彼女への評価に繋がっているようだ。

 こうした独特な世界感は、彼女の内面の狂気を映しているのか、次々と思いつくアイディアをまとめて放り込んだものなのか、何か明確な狙いがあってのことなのか。Alice in Wonderland ならぬ Klo Pelgag in Wonderland、「クロ姫の不思議世界」に彷徨いこんだ気分になってくる。

 どうやら自分は、ジャック・ブレル Jacques Brel からイグナトゥス Ignatus に至るまで、一癖も二癖もあるような仏語ポップスが好きなようだ。

d0010432_0173269.jpg


 カストール爺さん、Ovni 誌の編集長氏と待ち合わせ。3人揃ったところで場内へ。

d0010432_0174057.jpg

 ここ Le Trianon の内部も歴史を感じさせる美しさだ。

 前座が始まったところで、すでに1階の席は埋まっており、2階に上がってステージの見やすい席を探す。

d0010432_0173738.jpg

 日本出発前に撮影申請を依頼してみたら許可が下りた。そこで前座が終わったところで撮影ポジションを探して歩いたのだけれど、撮れる位置はないと判断。今日も無理はしないことにする。その合間にもステージの上の様子を観察。トランポリン、車いす、電球、子供用プール、パイナップル !? 謎の物体が散らばっている。

d0010432_0174288.jpg

 さあ、ショーの始まり。クロちゃんはお洒落っ気ない格好?で登場。演奏が始まる中、座り込んで会場を見回す。(フロアは真っ暗で身動き取れず、脇から数カット。暗くてクロ・ペルガグの様子がよく分からない。)

d0010432_0174451.jpg

 クロちゃんはまずギターを演奏しながら聴き慣れた曲を披露。その後はギターとピアノの間を行ったり来たり。彼女はこんなに小柄だったのか。まるで小さな子供が大きなギターを抱えているかのよう。

d0010432_017463.jpg

 目をクシャッと閉じ込んで歌う姿は昔ライブを観た Souad Massi の仕草とそっくり(なんてことも思い出す)。

d0010432_0174969.jpg

 クロ・ペルガグの他に、キーボード(実の兄でアレンジも担当)、ドラム、ベース、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという7人編成。クロちゃんは骸骨模様のツナギ、ベース奏者は真っ白なランニングシャツに水泳キャップ?にマント。キーボード(クロ・ペルガグの実の兄)はばかでかい時計を首からぶら下げている。ストリングスの女性3人も変なものをかぶっている?

(頭撮りだけして2階に移動。後はのんびりステージを眺めながら、時々客席の背後から撮影。
 その際、階段を登って行こうとしたら警備員から「ダメだ」と止められる。しかしそれに続けて「冗談だよ」と。今日は昼間の美術館のオバンといい、ここの警備員といい、冗談がキツい。と思っていると、その直後にやってきたカメラマンはパスを持っていなかったので本当に止められていた。そういえば、一昨日も La Cigale でコーラス隊のひとりがパスを持たずに楽屋に入ろうとして大騒ぎになった。警備員らはきっちり自分たちの仕事をしているのだな。)


d0010432_0175128.jpg

 よく見るとベース奏者は鼻に巨大な安全ピン?を刺している。クロちゃんがトランポリンに乗っているのは、少しでも大きく見せる工夫かと思ったりも。この姿勢でよくバランス取って演奏できるな。

d0010432_0175325.jpg

 演奏の完成度も見事で、グループのひとりひとりが芸達者なだけでなくスキルも高いことが伝わってくる。

d0010432_0175593.jpg

 時おり曲間で MC。これが猛烈に早口のケベック訛りのフランス語。結構受けていたが、フランス人でも聞き取れない人は多いそう。

d0010432_017571.jpg

 手品を披露したり、パイナップルをピンに見立ててボーリングをしたり。こうした出し物には個人的には特段意味を感じなかった。

d0010432_018014.jpg

d0010432_018363.jpg

 最後は "La Neige Tombe Sans Se Faire Mal" でしっとりしめてくれた。自分はやっぱりこうした物悲しい雰囲気の曲が好きだなぁ。


 あっと言う間の2時間のステージ、終わって一番印象に残ったのは、やはり圧倒的に曲が素晴らしいこと。ほとんど歌詞も訳詞も読んでいないので、彼女の曲には繊細なイメージばかりを持っていたが、意外と力強い歌いぶりであることに今さらながら気がつかされた。

 ステージ上に乱雑に置かれた様々なものの役割は、進行とともに徐々に明かされていった。それぞれについて自分が面白いと思うようなことは特になかったが、意味不明なブツが散らばるステージ全体を眼にした瞬間から「クロ姫の不思議世界」に一気に迷い込んだ気分にさせる役割は大きかったかとも思う。

 奇抜な衣装もふくめて、そうしたはみ出しぶり/弾け方を観ていて連想したのはフランク・ザッパだった。音楽そのものは極めて高いレベルに達している一方で、その周辺(衣装、写真、ビデオ、ライブパフォーマンス、等々)はことごとくエロで下品で下世話でダサイ。そんな感想を漏らしたところ、実際彼女もザッパから多大な影響を受けていることを教えられた。やっぱりね!

 クロ・ペルガグは今世界で一番美しい曲を書くひとりだと思う。これから10年20年の活動が本当に楽しみだ。もしかしたら彼女は大化けするかもしれない。そんな予感すらする。クロ・ペルガグは天才だと実感したステージだった。


d0010432_0173441.jpg

 ステージ終盤からアンコールにかけての映像が YouTube にアップされていた。兄がパイナップルをちぎって妹に放り続けるシーンなど懐かしい。

 ・ Klô Pelgag au Trianon, 15 avril 2015
 ・ Klô Pelgag - Les Maladies de cœur & Tremblements (Trianon, 2015)
 ・ Klo Pelgag - La Neige Tombe sans se faire mal (Trianon, 2015)




d0010432_0183076.jpg

 終演後のパーティーにもご招待いただいた。シャンパンで乾杯! このエリアだけでも70人くらい? 数々の賞を獲得するなど活動が好調なだけあって、関係者らによるプロモーションにも力が入っているようだ。長かったフランス・ツアーがこれでひと区切りとなったことも大きいのだろう。

 この混みようではクロ・ペルガグに会えるのは一体いつになることやら、と思っていると関係者に「すぐ連れてくる」と言われ、本当に彼女が現れた。目の前のクロちゃんは想像とは違って(?)まるで少女のような可愛らしさ。もう抱きしめたくなるくらいに。気難しいところもあるのかと思ったのだけれど、そんなところは全くなくて、楽しく話をさせていただいた。調子に乗ってサインをお願いしたり、一緒に写真を撮ったりまで。

d0010432_0184469.jpg

 左隣に立っているのは彼女のもう一人の兄(いや弟だったかな?)。和光大学に留学していたそうで、日本語がペラペラ。クロ・ペルガグの PV に着物を着たダンサーや寿司職人が登場したり、彼女が広島カープのユニフォームを着てエレピを弾き語りしたりしているのには、もしかすると兄(弟)からの影響もあるのかも知れない。

d0010432_019044.jpg

 人に預けたカメラの中にこんなショットがあった。眼にも独特な意志の強さのようなものが潜んでいる。




 クロ・ペルガグは今年の夏、某フェス(スキヤキじゃないよ)で日本に呼びたいという話もあったようだが、それは実現しなかった。残念。彼女のライブもいつか日本でも観たいものです!






 クロ・ペルガグについてはもっと書いてみたいけれど、まずは以下が必読です。

 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・1
 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・2
 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・3







 24時、ビールを買ってからホテルに戻る。26:30 就寝。今日も充実した1日だった。


 (1ヶ月遅れの 5/15 に完成/公開:続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-15 23:03 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(13)

〈5日目〉4月15日(水)Part 2


■プリムス! 願えば叶う


 オランジュリーを抜け出して、さてランチだ。そう思いながら1区の高級店エリアを歩いてみた。美味しそうなエスニック・レストランがある。でも高いな。ひとりで入る雰囲気でもないな。

 結局パスしてマデレーヌ Madeleine へ。ここの Fauchon でお買い物。会社への土産も買ってしまった。

 マデレーヌから地下鉄に乗って一旦ホテルへ。15:30。フロントで空港行きのシャトルも予約してしまう(今回は Metro + PER で CDG まで戻ることも考えたのだけれど、買い集めた CD がすでに100枚くらいになっていて、この暑さの中、重いスーツケースを引きずって汗をかくのもいやだと思って予定変更。一人での予約なので 27ヨーロと少々高め)。


 ロビーでエスプレッソを入れて小休止。結局昼飯をパスしてしまったけれど、さすがにライブ前には何か食べておいた方がいいだろう。そう思って近所のスーパーへ。でも途中で気が変わった。

 ホテルの左隣に小さなアフリカン・レストラン(と言うよりか「食堂」)が接していて、ちょっと気になっていた。17:10、試しに入ってみる。するとそこはコンゴ人の経営だった。

d0010432_22514861.jpg


 店頭にプリムスの古い空き瓶が飾ってある。そこで訊ねてみた。

 「プリムスあります?」
 「あるよ。飲む?」

 もちろん飲みます!

 「オレ、昔、キンシャサ行った。マトンゲでプリムス飲んだ。そして踊った」
 「オー、オレもマトンゲから来たんだよ」(仏語分からないので半分推定)

d0010432_22514438.jpg

d0010432_2251465.jpg


 昔こんなことを書いたことがあった。

「毎年夏になるとプリムスが飲みたくなる。

 "LA BRALIMA EST LA BRASSERIE DE L'AN 2000"(「ブラリマは西暦2000年のビール会社」)という曲を聞いたことがあるだろうか?アフリカ音楽の巨人フランコの代表曲というと、 "MARIO"や"ON ENTRE OK, ON SORT KO"ということになるのだろうが、個人的には "LA BRALIMA EST LA BRASSERIE DE L'AN 2000"が彼の最高傑作の一つと考えている。フランコの晩年1988年の作品で、ザイール(現在のコンゴ)のビール会社ブラリマのCMソングであった。このブラリマの製品であり、ザイールで最も知られたビールがプリムス(PRIMUS:「最高」という意味)である。

 数年前、エボラ出血熱の取材でザイールに飛び、多数の死者を出したキクウィト(KIKWIT)とキンシャサに数週間滞在した。そして、毎日取材が一区切りつく度に、このビールともう一つの代表銘柄のスコル・ビールで喉を潤していた。BGMはもちろんフランコ。プリムスを飲みながら聞いた"LA BRALIMA"のギターの鋭い音と突き刺すようなブラスの音はPRIMUSなものだったし、"LA BRALIMA"を聞きながら飲んだプリムスのこくのある味もPRIMUSなものだった。

 ア~~、もう一度プリムスが飲みたい!!」

 ・http://www.asahi-net.or.jp/~xx3n-di/30-scrap/30001.html


 これは、願い続ければいつか叶うということだろうか。

 店のひとたちと盛り上がってしまい、店を出る時に「今夜バルセロナとのフットボールの試合をみんなでTVで観るから来いよ」と誘われることに。(メニューに Saka Saka と SKOL もあったので、もう一度食べに行こうかな?)


 パリでのひとりメシ、手軽なのでベトナム・レストランに入ることが多い。今回は、レバノン料理、セネガル料理、中国料理、中国料理、アフリカ料理とフランス旅行らしくないのは一緒。いや、この方がフランスっぽいかな?






[PR]
by desertjazz | 2015-04-15 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(12)

〈5日目〉4月15日(水)Part 1


■光の中のパリ(オルセー&オランジュリー)


 午前7時起床。明け方に床についたのにも関わらず、今朝も自然と早い時間に目が覚めてしまう。まだ日本の時間感覚が身内に強く残っているのだろうか。

 今回パリにやって来た大きな目的は3つ。デュパンのライブを観ること、クロ・ペルガグのライブを観ること、そして久し振りにオルセー美術館を訪ねることだった(結果的に、後からピカソ美術館とファーダ・フレディのライブが加わった)。オルセーはパリの中でも特に好きな美術館。そこが最近リニューアルされて、それ以降もう一度訪れるチャンスをずっと窺っていた。美術館は月曜休館/火曜休館のところが多くて、日程をパズルするのにずいぶん悩んだのだけれど、オルセーに行くのは水曜日の今日がベストと判断。なのにすっかり睡眠不足になるとは。反省してももう遅い。

 ビールと竹鶴のアルコール分の抜けない身体を引きずって(この数年間、毎晩「竹鶴」を飲んでいて、今度もきっと飲みたくなるだろうと思い1本スーツケースに入れてきた)1階の食堂でしっかり朝食。

 10時にホテルを出発。今度こそ完全に出遅れた。オルセーの入口前には予想していた以上の人の列。結局中に入るまで20分待ちだった。それでも文庫本を持っていったので待つ時間も大して苦にはならず。近年のルーブルの様子を見ていても端的に分かる通り、パリの美術館は年を追うごとに混雑振りが激しくなっているように感じる(昔はパリで美術館に入るのに並んで待った記憶はないのだが。中国人などの外国客の増加とそれを商売として利用する受け入れ側、といった話題は別の機会に)。そういった理由からも、入場日時指定のチケットの事前購入が呼びかけられているのだろう。

 窓口ではオランジュリー美術館との共通チケットを求めたところ、しばらく待たされる。両方に行くならこの方が安いのだけど(16ユーロ)、そういった人は少ないのだろうか。

d0010432_22291324.jpg


 下の階から見て行くのが本来のルートらしいのだが、最上階(5階)まで階段を一気に登っていく。壁を暗色に塗り替え、天井から自然光を入れ替えたという印象派のエリア。最も混み合うだろうここを人で溢れる前に見たかったから。

d0010432_22291588.jpg

d0010432_22292327.jpg

 確かに採光が自然で明るい。それにしても人が多いな。

d0010432_2229175.jpg

 まずはこれだよなぁ。上から射す光と絵画の中の光とが響き合っている。

d0010432_22291983.jpg

 これも名画。でも、改めて見ても不思議な作品だと思う。子供たちに何を説明しているのだろう?

d0010432_222921100.jpg

 表情がとってもいい。しばらく見つめ続け、また何度も戻ってきて見つめる。

d0010432_22292572.jpg

 外に出て小休止。セーヌ川の向こうにモンマルトルの丘を眺める。今日も天気がいい。

d0010432_22292736.jpg

d0010432_22292911.jpg

 昨年5月に「開脚事件」で騒がせたギュスターブ・クールベの一角も今日はこの静けさ。

 特別展「ピエール・ボナール」も一巡りして鑑賞。作品の質も作品数の点でもとても充実した内容だった。ここも激混み。そう言えば、お目当てにしていた作品のいくつかが館内のどこにも見当たらなかったな。ポンピドゥーかロンドンのどこかと混同してしまっているのだろうか。

d0010432_22293174.jpg


 お昼過ぎに外に出ると入館を待つ列は大分短くなっていた。開門に間に合わない時には少し時間をずらした方がいいのかも知れない。午前中は団体客も多そうだし(それでも中は混雑しているか…)。それにしても暑い!

d0010432_22293490.jpg

 セーヌ川を挟んだ川向いのオランジュリー美術館までのんびり散歩。木立が美しい。

 お昼時とあって周辺の公園エリアには、ランチや読書を楽しむ人たち。こんな和やかさなひと時に、日本を離れて来ている心地良さを感じる。

 13:20、そんな気分で初訪問となるオランジュリーの中に入ると、手荷物預けのオバチャンが思いっきり無愛想。うーん、ガマン、ガマン。

d0010432_222936100.jpg

d0010432_22293967.jpg

d0010432_22294124.jpg

 オランジュリーのモネの蓮の連作は画集で何度見ても全く魅力を感じなかった。色彩がくすんでいて重いような印象を受けてしまって。けれども実物を見て180度印象が変わった。光を受けた本物の色はとても艶やか。そして、この巨大な作品群が視界に入ってきた瞬間、分析的に見よう、何かを語ろうという考えが自然とすっかり奪われた。確かにこれは心をからっぽにして座って眺め続けていたくなる絵画だ。展示されている空間の形と純白の壁色の影響も加わってか、ぼんやり見ていると心が落ち着いてくることが不思議だ。(横長な作品なものだから、ゆっくり歩きながら動画撮影している子供たちが多いのは邪魔だったけれど。今はそれが流行なのかな?)

 帰りしな、またあのオバンに会うのは嫌だな。そう思いながら出口に進むと、同じオバンが今度はにこやかに話しかけてきて、日本語についての質問もいろいろしてくる。騙されているのか、客を弄んでるだけなのか、それでも何だか気分は良くなってくる。悪い人じゃないんだな。折角の旅なので、こんな気分のままでパリを過ごそう。



(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-15 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(11)

〈4日目〉4月14日(火)Part 2


■Dupain "Sòrga" Live


 今夜はカストール爺さん、ジャンゴ波多野さんのお二人と供にデュパン Dupain のライブへ。会場は Ménilmontant 駅から北方向に坂を登った先の Studio de L'Ermitage

 彼らは新作 "Sòrga" をリリースした直後だというのに、それに合わせたツアーの発表などはなし。コンサート・スケジュールをチェックしてみても、新作お披露目ライブはここを含めて2カ所でしか行わないようだ。"Les Vivants" (2005) を聴いて以降、デュパンは自分が一番好きなバンドのひとつ。なのに長らく活動休止していたこともあって、もう12年もデュパンのライブは観ていない(サム・カルペイニアのトリオは台湾で観たが)。ここは是が非でもデュパンを観ておきたい。そう思って無理してパリまで飛んできたのだった。

 19:40、会場に到着。入口前でリーダーのサムやヴィエル・ア・ル(ハーディーガーディ)奏者のピエールと再会。やがてマニュ・テロンも現れた。「どうしてここにいるの?」と訊ねたら「パリには頻繁に来ているよ」との答え。この数日後にシンガポール公演があるので、それでパリに立ち寄ったのかも知れない。

 場内に入って早速ビールで乾杯しながら語らい。周囲は年配の方が多くて、マルセイユ人たちの同窓会的な雰囲気(それにしても若い人が全く見当たらない)。そうこうするうち "Sòrga" のレコーディング・メンバーと同じ5人がステージに上がって演奏が始まった。さあ 12年間待ち続けた瞬間だ。

d0010432_19462157.jpg

d0010432_1946183.jpg


 ライブの音に集中したいので、今日も撮影の方は軽く頭撮り程度にする。カメラマンが数名入っていたので、自分はブログ用にスナップが撮れれば十分だろう(カメラマンのひとりは、この箱のステージを毎回撮影し続けている方らしいことを後で知った。彼の FB には美しい写真が多数アップされている。← 後でリンクしよう)。

 新作 "Sorga" のお披露目ライブとあって、演奏はそのアルバムの曲順に進められる。ステージ面(ツラ)からだとマンドーラもヴォカールもよく聴こえない。なので、PA の届くセンター後方に移動。前半はやや硬いというか、リズムが揺れがち。それを除くとアルバムのサウンドが見事に再現されている。大好きなサムの渋い喉もノッてくる。これを生で聴きたかったのだ!

 そして何と言っても圧巻だったのが終盤の3曲 "Copar Totjorn Copar"、"Tot Veire, Tot Oblidar"、"Non O Falià Pas Mai"。5者の放つ音が超密に絡み合った爆発的なサウンド。アルバムを聴いた時にも感じたが、プログレ・ロック的というか、フリー・ジャズ的というか、極めて濃厚なインプロヴィゼーションだった。

 "Les Vivants" の頃まではビートを立てたサウンドが特徴だった。サムとピエールという主軸2人のやっていることは変わらないが、新たに加わった3人(ドラム、ベース、フルート)によって今は以前とは違うバンドに生まれ変わったのだと感じる。

 ステージ上で淡々とそして熱くマンドーラを弾き歌うサムは、思索する人、孤高の哲学者といった雰囲気をますます醸し出していた。相変らず魅力的なミュージシャンだ。

 アンコールに応えて演奏したのは、アルバムの最後に収録されていた静謐な "Glenwar"。そしてファースト・アルバムのタイトル曲 "L'Usina" でステージは締めとなった。

d0010432_19461586.jpg

d0010432_19461214.jpg

d0010432_194695.jpg

d0010432_194667.jpg

d0010432_1946386.jpg

d0010432_19455884.jpg

d0010432_19455645.jpg

d0010432_19455364.jpg

d0010432_19455191.jpg


 大満足のうちに終了。あっという間でもっと聴きたい気分を残しながら、再び乾杯し語らう。Buda Musique の重鎮たちなど、パリの多くのキーパーソンたちにも紹介されてご挨拶。

 和やかな雰囲気の中、間近でデュパンのステージを観られたのは楽しかった。でもまたすぐに観たいな。贅沢を言えば、次回はフェスの会場など違ったシチュエーションで。

 明日は急遽決まったサムのソロ・ライブも予定されている。しかし残念ながら観には行けない。
(マルセイユでは Toko Blaze のライブもあるのだけれど、勿論そちらにも行けるはずがない。)




 散会後、深夜まで営業している中華レストランに移動し、軽く夕食&打ち上げ。終電近くのメトロに乗って 25時にホテルに帰着(2番線一本だったので楽だった)。入浴しながら写真のバックアップを取ったり、Facebook に少しだけアップしたり、日記を書いたりしているうちに 28時半(午前4時半)。気がついた体調は回復しすっかり元気になっていた。明日(今日)も朝から行動予定。そろそろ休もう。



(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-14 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(10)

〈4日目〉4月14日(火)Part 1


■快晴初夏の日の『印象・日の出』


 昨夜は深夜3時に寝たのに、6時には目が覚めてしまう。もっと寝ていたいのに。8:20 にベッドから抜け出して朝食。

 増々好天。パリにやってきた翌日から目が醒めるような快晴が続いている。この暑さはまるで初夏。気温25度だって?

d0010432_19797.jpg

d0010432_1971169.jpg


 11時までホテルでダラダラしてから、マルモッタン・モネ美術館へ。モネは昔から印象派の中で最も好きな画家だった。ならば『印象・日の出』は本物を見ておくべきだろう。実際、本物の色彩はこれまでに見たどの写真とも異なっていた。美術鑑賞は実物を見るに限る。

 でも今はモネばかり大量に見ていると飽きる。ピカソやターナーやポロックはどれだけ見続けているても、そのようなことは起こらないのに。

 この足でさほど遠くないケ・ブランリー(アフリカやパプアのコレクションが圧巻!)にもついでに行ってしまおうかと思ったが、体力的に無理そうなので今日はパス。今回はパリ市内の美術館8カ所に行く計画なのだけれど、残りの日数で残り5つの美術館を回るのは無理だろう。

 シャンゼリゼ通りの fnac へ。途中かつて Virgin Megastore があった建物の前を通る(とうとうフランス国内から Virgin はなくなってしまった)。fnac では頼まれていた Faada Freddy の CD もまとめ買い。

d0010432_197774.jpg


 スーパーでサラダとビールを買ってホテルに戻る。まだ14時だけれど、全く疲れが取れない(身体中がジンジンして動けない。ほとんど無理のきかない状態)なので、夜に備えて、ベッドに横になってビールを飲んだり、昼寝したりして過ごす。

 そう、今夜は今回のパリ滞在の一番の目的、Dupain のライブが待っているのだった。



(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-14 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(9)

〈3日目〉4月13日(月)Part 4


■Faada Freddy "Gospel Journey" Live - 2


 Freddy Faada "Gospel Journey" パリ公演の顛末の続き。

 18時にやっとホテルに帰って自室で小休止(宿泊先は会場まで歩いて5分ほどの近さ)。19:40 に La Cigale に戻ると、しばらくして 20時頃に前座のステージが始まった。ここで疲れたくないし場内は蒸し暑いので、バックステージをブラブラしながら休むことにする。こちらの方がずっと涼しい。

d0010432_16265688.jpg

d0010432_16265919.jpg


 20:30 会場に戻って観る場所を確保しようとしたら、すでにスシ詰め状態。これでは写真を撮るどころか、どこからもステージが見えない。

 それにしても、ここは内装が奇麗なコンサート会場だなぁ。

d0010432_1627333.jpg


 1階フロアを諦めて2階の座席エリアへ。しかしここにも次々人が押し寄せて、立見状態。それでもリザーブ席最前列の脇にギリギリでステージを見られる空間を見つけて滑り込む。しかしステージが遠すぎて、ここからではまとまな写真が撮れない。まあ、ショーをとことん楽しむことにしよう。

d0010432_16276100.jpg


 その合間にも観客たちはどんどんヒートアップ。会場がこれほど熱狂したコンサートは久し振りだ。ファーダがフランスで大スターの仲間入りをしていることを早くも実感。

 20:50 にスタートしたステージは、何度も観た "Le Ring - Live" をさらにスケールアップしたようなもの。ホント、楽しくて楽しくて!

d0010432_1627943.jpg

d0010432_16271223.jpg

d0010432_16271598.jpg


 一番のお目当ての "We Sing In Time" も早々に披露。この曲はハイライトに持ってくるだろうと思っていたので、これは意外。"Slow Down" ではアルバムと同様、20人ほどのバックコーラスを従えてのパフォーマンス。まさにゴスペル的で、体幹がビリビリ、ヴァイブするほどの迫力だった。

d0010432_16271871.jpg

d0010432_1627212.jpg


 このコーラス隊はアンコールで再登場し、"We Sing In Time" を一緒に熱唱。だから早い段階で一度この曲を6人で歌ったのか。しまいにはファーダがフロアに降りてきたものだから場内はさらに大盛り上がり。

d0010432_16272469.jpg


 最後は "Le Ring - Live" のビデオと同様に "Move Your Body" 〜 "Stop!" を連呼し、Bob Marley の "No Woman No Cry" を歌ってフィナーレ。たっぷり約1時間50分のショー。場内はどこもスタンディング・オベーションとなった。

d0010432_16272745.jpg

d0010432_16273043.jpg

d0010432_16273311.jpg


 見下ろしたらどこにもスペースがない。2階に逃げてきて正解だった。

d0010432_16273743.jpg



 終演後、エントランスホールやバックステージではシャンパンでの乾杯が始まった。ゲートの外には、見るからにセネガルのセレブと思しき女性たちなどが集まっている。自分もファーダに挨拶だけしようと待っていると、ほどなくして彼が現れた。

 「ありがとう! とっても素晴らしいショーだったよ。また日本にも来てね」と声をかけると、ファーダは周囲の関係者に「彼とは4回会っているんだ。えーと、ロンドンでしょ、それからシンガポールでしょ、それから、、、」「いいから、いいから。外でみんな待っているよ」と言って彼を押し出すことに。

 日本からファンがやってきたことは嬉しかったはずだし、何より今夜のコンサートが大成功に終わりとても興奮していたのだとも思う。それ以前に、彼は 2003年に初めて会ったときからこんな調子だった。いつでもファンを陽気に迎える姿勢が今の成功に繋がっているのだろう。

(それと同時に、好きなものに対する執念のようなものを持ち続けたら、何らかの形で願いは叶うのだろうかとも感じた1日だった。)


 会場には 10月の公演の告知ポスターも貼られている。また観に来たいな!

 そして、このショーを日本でも観られないだろうか。ファーダ本人も「また日本に行きたい」と話していたことだし…。

d0010432_16274018.jpg





 24時、ホテルに戻って、入浴後にビールとポテチの夕食。「奇跡」との遭遇と素晴らしいコンサートに興奮が収まらず、27時頃まで寝付けなかった。

 パリ3日目。メイン・イベントは3つともまだだというのに、この充実振りには感謝! 怖いくらいに旅が順調なので、明日以降が心配になるくらいだ。





 ところでファーダ・フレディーには Desert Jazz 名義の名刺を渡したのだが、後から「予備にもう1枚くれる?」と言ってきた。そして「後で必ずメールするからね!」と何度も繰り返していた。しかし、そのメールはまだ来ない。まあ、当然だろうな。彼も思いっきり忙しいだろうし、、、。



(続く)






[PR]
by desertjazz | 2015-04-13 23:04 | 旅 - Abroad

DJ
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30