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 雑誌『pen』4月号は建築特集。「いま体感したい、世界の名建築最新ベスト20」と「アイデアがいっぱい! 自分サイズの家づくり。」の2本立て。世界のベスト20だなんて言われると、きっと知らないものばかりなのだろう。そう思ってパラパラめくってみたら、すでに訪ねたところがいくつもあった。

 まずは #13「ルーブル美術館イスラム美術部門」。昨年秋、モロッコから再びフランスのパリに戻ったとき、ルーブルに新しくできたこのイスラム展示館が是非とも見たくて、ルーブルとオペラ座に間にあるホテルに宿泊したのだった。ルーブルは近年、中国人団体がますます増えていて、エントランスから中央ロビーに足を運んだ途端、喧噪うずまく騒然な空気に呑み込まれ、フラッシュの嵐にげんなりさせられてしまった。けれども、ロビーからも割合近いイスラム館に移ると、一転静寂な空間に迎えられる。まだできたばかりで熱心な来客しかいないからでもあるだろうが、ここに集められたイスラム美術の質と量にはただただ圧倒されるばかり。昨年はイスラム館を見ただけですっかり満足してしまい、久し振りにルーブルに来たので他のエリアも見よてこようという最初のプランも捨ててしまったのだった。パリの中央に投宿したのには、同じく最近改装されたオルセーにも行く予定だったからなのだけれど、そちらも次回のパリ滞在に先送りしてしまったほど。観る人にそのように感じさせるのには、ここの建築的工夫も作用しているのかと思う。とにかく、ルーブルのイスラム展示館、絶対的にお薦めです!

 #18「JR岩見沢駅」も完成直後に訪れた。北海道の岩見沢駅は高校時代の三年間、毎朝6時の列車に乗って通学した思い出の駅。なので 2000年に火災で全焼してしまったのは、残念だったし、少なからずショックでもあった。その跡地にこれほどモダンで心地よい空間が誕生したとは驚き。シンプルでゆったりしたその内部はとても落ち着く。外観からは欧州建築的とでもいうような上品さも感じる。

 ベスト20には金沢の建築もふたつ。以前、金沢21世紀美術館を訪れた際、展示物以上に建物そのものに感心させられたけれど、金沢ではさらに面白い動きが続いているようだ。兼六園やひがしとにしの雰囲気も好きだし、美味しいものも多いので、金沢は時折出かけたくなる都市のひとつ。

 この号、他のページも拾い読みしていくと、自宅のレイアウト変更に本気で取り組みたくなるし、家具も新調したくなるし、また北欧デザインへの興味もさらに強まる。これからも海外各地の美術館や工芸/デザインを鑑賞しながら、その土地の建築物を訪ね歩き続けられたらいいな、、、と思う。#01「ルーブル美術館ランス別館」と #10「ノルウェーのナショナル・ツーリスト・ルート」(特にガイランゲル・トロルスティーゲンの展望台)にはいつか行ってみたい。

 昨年4月にマドリッドまで飛んだのは、美術館巡りをすると同時に、教会建築とイスラム建築を見たかったからなのだった。実はその後、本格的に教会建築が見たくて、ヨーロッパのある国を再訪問(確かこのブログにはまだ全く書いていないかと思う)。偶然開催中だった建築ビエンナーレもまる1日かけて巡って、たっぷりと堪能してきたのだった(Facebook には写真をアップ済み)。それにまつわる話は年内に一本書く予定。


 ・・・建築も面白いと、つくづく思います。






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by desertjazz | 2013-03-15 21:00 | 建 - Architect.

 今年の個人的なテーマのひとつは京都と奈良。京都は最近だけでも4〜5回ほど訪れた。たまたまなのだが洛北〜上京区が多くなっていて、相国寺、北野天満宮、大徳寺などを散策。毎度35度近いの猛暑だったのだが、それでも境内に足を運んだ途端に幾分かだけ涼しく感じるのが不思議だった。敷地を囲む樹木のせいなのか、土がアスファルトで塞がれていないからなのか。そして建物の中に入ると暑さを感じなくなる。恐らくこれが日本の建築の秀でている点なのだろうか。院を尋ね枯山水庭園を前にして、床に腰を下し膝を崩す。石庭を眺めているだけで、頭の中がどんどん空白になっていく。そのことがただ心地よい。

 一方奈良の寺社に行く機会は今年は少ない。いや余りの暑さに萎えて無精しているだけとも言えるのだが。3年以内に奈良の主立ったところは訪ね尽くそうと思っているので、その中休み的に、亀井勝一郎『大和古寺風物誌』を読み返してみた。彼の文章はその若々しい感性が好きだったのだが、久し振りに接して、やはりいいなと思った。亀井は一日で一カ所しか訪れないようなことを書いていたが、これは自分のかつての京都訪問の方法と共通している。北海道から年に一度訪れていた頃も、朝早くに出かけていって人が増す午前中のうちに滞在を切り上げたものだった。

 チェコのプラハが歴史的建造物の宝庫であることを最近読んで知った。都市建設のための資金が潤沢ではなかったことが幸いして、過去千年間の様々な建築様式が保存されているという。そのことについてもっと知りたいと思い、書籍を探してみたのだが、どうも見つからない。そう言えば、ヨーロッパ経験の長い人に冬のプラハの素晴らしさを語る人が多い。「ヨーロッパの中でベスト」と断言する知人さえいた。十数年前にプラハに向けて旅立ったことがあるが、経由地パリに到着早々予定変更、結局それ以来チェコとは縁遠くなってしまっている。一生行く機会はないのかも知れない。

 プラハの建築に関する本がないので、何となくガウディに関する本を今何冊か読んでいる。その間偶然にもサグラダ・ファミリアの写真や映像を眼にする機会が多い。それらを見て思ったのは、5年ほど前に訪れた時よりもすいぶん片付いているということだ。バルセロナに屹立するこの巨大建築で記憶に残っているのは、内部も乱雑なままのまるで建築現場のようだったということ。そんな折、「サグラダ・ファミリアが、あと15〜17年で建設工事が完了」と報じられた()。完成・お披露目が20年先だとして、もしその頃まだ自分が元気だったら、その姿を拝んでみたいものだと思う。





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by desertjazz | 2011-09-21 20:00 | 建 - Architect.

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