Readings : 10月の読書

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 今月読了したのは7冊。

・T・ピンチョン『メイスン&ディクスン』下巻
・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』下巻
・田中二郎『ブッシュマン、永遠に。 変容を迫られるアフリカの狩猟採集民』
・藤原章生『絵はがきにされた少年』
・丸山淳子『変化を生きぬくブッシュマン』
・R.P.ファイマン『ご冗談でしょう、ファイマンさん』上巻
・マージョリー・ショスタック『ニサ 〜カラハリの女の物語り』

 他には、昔読んだモロッコ関連の本を引っ張り出して部分再読。四方田犬彦『モロッコ流謫』など。これを読むとサハラのオアシスへの憧れも蘇る。

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by desertjazz | 2010-10-31 23:59 | 本 - Readings

Lobi Traoré (4) : Discography

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 - Discography of Lobi Traoré - ( final version ?)

1) "Bambara Blues" (Cobalt 82816-2, 1992)
2) "Bamako" (Cobalt 82893-2, 1994)
3) "Ségou" (Cobalt 09275-2, 1996)
4) "Duga" (Cobalt 09289-2, 1999)
5) "Mali Blue" (Dixiefrog DFGCD 8574, 2004)
6) "The Lobi Traoré Group" (Honest Jons HJRCD 13, 2005)
7) "Barra Coura - Acoustic Bamana Blues" (KSK, 2007)
8) Lobi Traore & Joep Pelt : "I Yougoba" (Diesel Motor MOTORCD 1030, 2009)
9) "Raw Electric Blues From Bamako" (KSK, 2010)
10) "Rainy Seaon Blues" (Guitterhouse Records GRCD 711, 2010)

*) V.A. : "In Griot Time - String Music from Mali" (Sterns STCD 1089, 2000)



 Lobi Traoré (1961 – 2010.6.1) のリーダー作品/リーダー録音について再度整理してみた。もしかすると見落としているアルバムがあるかも知れない。まだ新作が出るという情報もあり、コバルト Cobalt 時代以前にローカル・カセットが出ていてもおかしくないようにも思う。また、ゲスト参加作品等は全く未整理。

 90年代にメタ・カンパニーが配給したコバルト盤やマリのバマコで買ったカセットを聴いて好きになったロビ・トラオレ。コバルト・レーベルが活動休止した以降はやや散漫な印象の作品が続いたように思う。しかし、今年リリースした "Raw Electric Blues From Bamako" はエネルギッシュで緊張感と機知に富んだサウンドで、彼の最高傑作とさえ言える仕上がりだったし、"Rainy Seaon Blues" からも創造意欲が継続していることが伝わってきた。今後にも期待が膨らんだだけに、突然世を去ったことが大変悔やまれる。R.I.P.






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by desertjazz | 2010-10-30 23:59 | 音 - Africa

Lobi Traoré (3)

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・ Lobi Traore "Raw Electric Blues From Bamako" (KSK, 2010)
・ Lobi Traoré "Rainy Seaon Blues" (Guitterhouse Records, 2010)

 昨晩の予告通り、今夜はマリのバンバラ・ブルース・ギタリスト、ロビ・トラオレ Lobi Traoré について。

 夏頃に彼の音源を整理してページをアップ時点では、まさかこうした展開になるとは予想もしなかった。簡単なアルバム・リストを作成してから数ヶ月間で新作を3タイトル入手し、そして今年6月に急逝。大好きなミュージシャンだったのに、結局ライブを体験することも直接会うこともできなかった。

 現時点でのラスト・アルバム(遺作?)"Rainy Season Blues" を何度か聴いてみた。アコギ弾き語りのみで構成された完全なソロ作(ライナーには、このアルバムが誕生するまでの経緯が詳細に語られているが、さして面白い話は出てこない)。淡々とした印象の中、彼らしい歌い口には親しみを感じ、中盤の気合い漲るギター・プレイにも聴きごたえあり。決して悪い作品ではない。しかし、私が好きだったのはもっと違った姿のロビだった。エレキをアグレッシブにゴリゴリ掻きむしるロビが好きだったのだ。

 だから、今年リリースしたもう1枚、"Raw Electric Blues From Bamako" の方が断然好き。エレクトリック・アルバムとしては前作に当たる"The Lobi Traoré Group" (Honest Jons HJRCD 13, 2005) よりも、ずっとタイトで集中力の感じられる完成度の高い作品だと思う。かつて "In Griot Time : String Music From Mali" (Strens STCD 1089, 2000) 収録のライブ録音 'Maby Djoudou Don' のぶち切れた演奏を聴いて感じた、もっとこんなサウンドを浴びたいという欲求がよやく満たされた気持ちでさえある。

・2010.6.8 : Lobi Traore (1)
・2010.7.15 : Lobi Traore (2)



 ロビも含めて西アフリカのブルース系音楽で好ましく感じるのは、ギターとパーカッションのバランスが良いこと。伝統楽器のアーシーで重いビートがとても魅力的だ。こうした特質は、仏 Cobalt からの一連の作品群に共通していたことだとも思う。ロビにしても、たとえドラム・キットをバンドに入れていたとしても、それが前面には出てこない。エッジの立ったスネアの固い音が支配的なサウンドはアフリカン・ブルースとの相性が良くないのかも知れない。

 そんなことを考えるのは、今年リリースされたもうひとつのアフリカン・ブルースのアルバム Vieux Farka Touré "Live (Dig)" を聴いた際の印象を思い出したからでもある。このアルバム、実に熱い演奏が繰り広げられていると感じたのだが、冒頭からスネアの音が支配的で、途中まで試聴して自分の好みではないと判断し、買わなかった。ライブ・ミックスだからという理由もありそうなのだが、やはりジェンベやバラフォンなどのリズムに牽引されるブルースの方がはるかに気持ちよく響いてくる。



 ブログへのアクセス数が最近多いキーワード、もうひとつは「Bucu View Bungalow」。これは私がバリ島ウブドで定宿にしている小さなロスメン。こうした個人的な旅の情報も、もう少し整理しておいた方が良いのかなと思うこともある。






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by desertjazz | 2010-10-29 23:59 | 音 - Africa

Movie : "Benda Bilili"

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 映画『ベンダ・ビリリ! ~もうひとつのキンシャサの奇跡~』をやっと観ることができた(ホント、暇なんだか忙しいんだかよくわからない毎日だ)。

 取りあえずの感想は Tweet した通り。Twitter を読まない方もいると思うので、一部を転記。

・「映画『ベンダ・ビリリ! もうひとつのキンシャサの奇跡』、やっと観て来た。明晩が最終日、ギリギリ間に合った。確かに絶賛が頷ける良いドキュメンタリーだった。」

・「話が出来過ぎている感もあったが、それだけ丹念に撮影したということなのだろう。裏話も面白そう。」

・「やはり、ロジェとベンダ・ビリリは偶然出会った訳ではなかったか。まあこれも運命(白人の思いつき、という点では、ケチャの誕生なども連想)。」

・「ツアーに出てからの編集が辛そう。終わり方の難しい映画で、成功の後の困難ばかり想像して観てしまった。エンディングはそうした危惧も含めてのことか?」

・「最も印象に残ったシーンのひとつは、弦1本しか残っていないギターとスリッパ(のパーカッション)での演奏が見事な音楽になっていた情景。生きるための音楽の力、ただただそのことを実感する。」

 と、言葉足らずな感想ばかりなのだが。

 他に感じたことのメモ。

・ロジェのサントゲ、自分でも作ってみようかと思ったのだが、映画を観ただけでは構造が掴めず。あれだけ幅広い音階を出せる仕組みがまだ分からない。

・ライブで感じたことはドラムの音の弱さ。もっとパシッ!とした音が欲しかった。手作り楽器の限界なのだろうが、同じことを映画でも感じた。もう少しだけエッジの立った音になれば、リズムがタイトになり、より踊れると思うのだが。

(しかしこれは、例えばドラム・キットを導入すればいいということではない。そんなことすると多分失敗する。それは、Lobi Traore と他のアフリカン・ブルースを比較すれば諒解できることだと思う。このブログのアクセスワードに多いのは「Lobi Traore」なので、彼の新譜(ラスト・アルバム?)について書く時に補足したい。)

・重要なのは現場を観ることだと痛感。自分は、ダカール、バマコ、ナイロビ、アジス、ハラレ、ヨハネスブルグ、そしてレゴスにも、キンシャサにも行ったけれど、ただ行っただけで現場を全然観ていないことを思い知らされる。

(録音作品/録音芸術に耽溺することは、素晴らしい趣味であったり探求であったりすることは間違いない。また、ライブ音楽に触れることも同様。しかし、それだけで全て分かったと思うのは間違いで、肝心なことが沢山こぼれてしまっている。そのようなことをここ数年考え続けてる。詳細後述 …原稿を何度も書きかけたて、結局完成していないが。)

・やっぱりコンゴとナイジェリアは面白い。だけど再度行くなら、キンシャサよりも、レゴスとポートハーコート周辺(特にデルタ域)だろうな。






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by desertjazz | 2010-10-28 23:59 | 音 - Africa

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 ナイジェリアのファタイ・ローリング・ダラーが昨日10月26日に新譜をリリース(いや、イギリス配給と書く方が正確か)。とは言っても、2003年に突如復活して発表したアルバムと同タイトルであり、レーベルも同じレゴスの Jazzhole、ジャケットの写真も当時のポートレイトが使われているので、その03年盤を再リリースしただけなのではないだろうか(まだ内容が掴めないのだけれど、きっとエル・スールが確認してくれるだろう、と勝手なお願い)。

 ファタイは 2000年頃に何度か訪れたニューヨークの Sterns 支店(World Trade Center 直下にあった)で買った、超マイナーなレーベルからのリイシューCDを聴いて好きになり、その後、今度はようやく初めてナイジェリアを旅した際に、レゴスの Jazzhole の店で彼の復活アルバム "Returns" を見つけて、言葉が出てこないほど驚いた記憶がある。アフリカには枯れてから味の深まったシンガーが多いけれど、オールドタイミーなジュジュを奏でるファタイもそんな一人。大好きなアーティストです。



 またまたブログの更新が進まなくなっている。それは、やりたいことが次々生じると同時に、今度は書きたいことが多すぎて書けなくなっているから。その背景には、もうひとつ大きな "Returns" があるのだけれど。



 追記:

 Ayinde Bakare の息子のアルバムなど Jazzhole の4タイトル、まとめてオーダーしてみた。(10/28)





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by desertjazz | 2010-10-27 23:59 | 音 - Africa

10 New Discs

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 このところ本や料理のことばかり書いていて、音楽話は少なくなってしまっているけれど、月々CDを何十枚か買って音楽もそれなりに聴いてはいる。例えば最近聴いて気に入ったのは、写真に載せたようなディスクたち。今年リリースされた新作が多くて、中から10枚適当に選んでみると、以下のリストのような感じになる。

 SUFJAN STEVENS "THE AGE OF ADZ"
 JOHN LEGEND & THE ROOTS "WAKE UP!"
 GRAND CORPS MALADE "3éme TEMPS"
 BRIAN ENO "SMALL CRAFT ON A MILK SEA"
 DAVID SYLVIAN "SLEEPWALKERS"
 WYATT/ATZMON/STEPHEN "……… FOR THE GHOSTS WITHIN' "
 TRICKY "MIXED RICE"
 JEFF MILLS "THE OCCURRENCE"
 TIKEN JAH FAKOLY "AFRICAN REVOLUTION"
 SERPH "VENT"

 余りにまとも過ぎてしまって、このサイトで紹介しても誰も興味を持たなそうなものばかり。けれども、あえて1枚だけピックアップして語るなら、断然 SUFJAN STEVENS !! ラストの 'Impossible Soul' の、特に13分過ぎからのフレーズが超耳タコ状態。一生ものです!

 (…なぜかデジパックが多いなぁ。)






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by desertjazz | 2010-10-23 22:50

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 『トマス・ピンチョン全小説』の刊行が話題となり始めたのを受けて、その最初の配本『メイスン&ディクスン』を書店で手に取ってみたのは、確か6月末のこと。もしかしたら発売日だったかも知れない。ページを開いた瞬間に思ったのは「とても難解だ」ということ。想像以上に馴染みにくい文章/文体で、とてもじゃないが自分が読める本ではないことが、最初の1ページを眼で追っただけで分かった。

 自分は子供の頃から本を読むことがまずまず好きだった。そして、これまでに小説は人並み程度には読んでいると思う。しかし、深く読み解く能力はないことを自覚している。単に好き勝手に読んで、好き勝手に感じるだけで楽しいのだ。それでも、この作品を読んでみようと思ったのは、それだけ難解であろうと「現代世界文学の最高峰」とまで呼ばれる世界に一度どっぷり入り込んでみる体験も面白いのではないかという考えが頭に浮かんだから。時間に余裕のある時期にこうした体験も悪くないだろうと思ったのだった。

 高いのでまず「上巻」だけを持ってレジカウンターに向かいかけたのだが、結局「下巻」も一緒に買ってしまった。いや、正確に書くと「エコ・ポイント」で交換した図書カードで購入した。

 最終的に購入を決断したのには、装丁の素晴らしさが決定打となった。こんな美しい本、滅多にないだろう。たとえ読むのを断念することになったとしても、部屋に飾るだけで、それ以前にこの本が部屋にあるだけで幸せな気分になるだろう。特にカバーに用いられたエッチング作品が素晴らしい。そんな風に、とにかく惚れ込んでしまった。

 話の筋を大雑把に言ってしまうと、18世紀半ばに亜米利加の南北境界(と後になる)線を引くべく旅した天文家(メイスン)と測量士(ディクソン)の記録。その同行者が後年、孫たちに語り聞かせる、というだけの話。

 さて、読み始めると、予想通りさっぱり前に進まない。その理由、
1)全編で当て字が用いられていて読むのに普通の本の数倍時間を要する、しかも毎度ルビが振られる訳ではないので、いちいちそれらを記憶していかなくてはならない。(→公式サイト の「七大長編書き出し全集」でも、その感じが伝わってくる。)
2)時制/場面の変わり目が明示されないことが多い。メイスンとディクスンのやり取り、他の人物たちとのやり取り、後の時代の語り聞かせ、等の場面転換が突然なされることも多い。
3)地理的な話などが図もなくなされるので、頭の中でイメージできない。
4)馴染みのない用語でも解説なくふんだんに使われる。
5)何度繰り返し読んでも意味が掴めない箇所が多い。
>6)ほどほど重要な同じ人物が、すっかり忘れた頃に再登場する。

 上巻は幾度となく立ち止まったものの、最初の大きな舞台が南アのダーバンであったため、そのことに興味が湧いたこともあって、2ヶ月ほどで読了。しかし、下巻に入った途端にまたまた停滞の連続。さっぱり進まなくなった。同時期、アディーチェの『半分のぼった黄色い太陽』とドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を併読していたせいものあるのだが(3作品とも、覚えにくい/似たようなカタカナの名前がやたらと出てくる)。1日余裕があり調子に乗ると一気に70〜80ページ進んだ日もあったが、たいていはほんの数ページ読んだだけでヘロヘロ。気分転換に『カラマーゾフ』に切り替えると、すらすら読み進むというあり得ないような展開にすらなった。

 『メイスン&ディクスン』も『カラマーゾフ』も傑作らしいが、どちらもただのドタバタじゃないかと怒り半ばの毎日。ほとんど苦行に耐えるような日々が続いた。それでも、終盤に至ってこの作品を読むことが楽しくなってきた。ということで、3ヶ月半かかってどうにか読了。

 多く指摘されている通り、歴史、宗教、文学、地理、天文、等々の膨大かつ深い知識を駆使して書き上げた大作の面白さが十分に感じられる。特に最先端の宇宙物理学の研究成果をモチーフにして書かれたと推測するしかない文章も多く見つけられた。間違いないなくピンチョンは現代物理にも長けている。そして、古い文体の英語を日本語に移し替えるに用いられた翻訳手法の数々(=「読みづらさ」)も、ひとつの表現手法として評価すべきことが実感できた(しかし、最後まで、平易な文章で出して欲しかったという思いは捨てきれなかった)。

 まるで聞いたことがないので、これは彼のでっち上げかと思って調べてみると、明らかに事実である名称や歴史をふんだんに用いて書いている一方、妄想/空想の数々にも楽しませてもらえる。人間より巨大な野菜が登場したり、作り物の鳥が語り、それに恋をする(?)など、奇想天外。読んでいて連想したのが、レーモン・ルーセルの『アフリカの印象』と『ロクス・ソルス』だったほど。しかし、レーモン・ルーセルのそれが、完全に空っぽなもので、読み手を全く豊かにしないのに対して、ピンチョンのそれは心に何かを置いてゆく(ルーセルを連想したのには、読むことが「苦行」であるという共通点を感じたから。ただし、ピンチョンの方がルーセルより100倍くらいキツかった)。

 そうしたことよりも、さりげないユーモアにクスッとしたり、暖かいやり取りに心がほんわかとしたり。勿論、オチが何なのかさっぱり分からない章も多かったのだけれど…。

 一番気持ち良くなったのは、寂れた道を歩いたり、寒空に光る星々を見上げたりすることが、昔からとても好きだということを思い返させてくれたこと。人気のない田舎道を独り歩いたり、アジアやアフリカの野原を彷徨い歩いたり、北海道でもバリでもアフリカの砂漠でも、ただただ星空をじっと見つめたりしては、いつも至福感に包まれていた。簡単に書いてしまうと、開拓の道行きに触れて旅心がくすぐられたということになるのかも知れないが、もっと深いところの琴線、自分が生きる根源的な楽しみにかすかに触れられてしまったような思いもある。

 読了してから約1週間、再読する前に記憶に残ったことを反芻している。メイスンにしてもディクスンにしても、家族、伴侶、同僚、そして様々な出会いと偶然とに左右された人生だった。ふたりの仕事や出世から晩年の生き方に至るまで、そうした諸々からの影響は避けられず、思うようにいかないうちに生涯を閉じる。そんな誰にでも共通した人生の儚さや哀しさのようなものが、今、自身の心の中を漂っている。



(最近の読後感想を、記憶がまだ鮮やかなうちに、軽く酔いながら綴り出してみた。もっと書きたいし、書こうと思って忘れてしまっていることもあるはずなので、思い出したらこっそり書き加えるかも知れない。→ 10/23 数カ所訂正)








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by desertjazz | 2010-10-21 22:22 | 本 - Readings

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丸山淳子『変化を生きぬくブッシュマン』

 また1冊面白い本と出会ってしまい、今夜読み終えた。私が一番好きな場所(過去50数回海外を旅して最も印象深く記憶に残っている土地)は、ボツワナ共和国のカラハリ砂漠、それも自然保護区に指定されている国中央部のセントラル・カラハリ・ゲーム・リザーブ(CKGR : Central Kalahari Game Reserve)なのだと思う。なので、CKGR で狩猟採集生活を営んでいた(そして近年そこを国によって追い出された)ブッシュマンに関する最新研究書であるこの本は見逃せない。

 そして読んでみたら、実に素晴らしい内容だった。丸山氏の博士論文をベースにした(リライトした)研究書なので、カラハリやブッシュマンについての基礎知識がないと結構辛いかも知れない。けれども、個人的にはとにかく面白く読めた。挟まれるエピソードが面白いというのではない。個々の論述が興味深いのだ。最後の狩猟採集民をそのまま保護する対象と見なして、その変化を認めないのではなく、逆に外圧的に生じた変化までも好意的に観察し、そこに「ポスト狩猟採集民」という新たな/逞しい人間の姿を捉えている。そしてそのように導き出される洞察に、しばしばハッとさせられもするのだ。

 この本とその周辺については、きっと書く(と思う)。取りあえずの雑感は Twitter にて…。

http://twitter.com/#!/Desert_Jazz

 残念なことに、カラハリのブッシュマンの音楽やダンスが今どうなっているかについては、ほとんど記述がなかった。だけど、ひとり親指ピアノをつま弾いたり、朝までトランスして踊ったりしていることだろう。また訪ねて行って、楽しませてもらいたい。






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by desertjazz | 2010-10-20 23:59 | 本 - Readings

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 Pk 1st Obesere "Ologbojo" (2008)

 Abass Akande 改め Pk 1st Obesere の最新作(?)が超強烈 !!!

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by desertjazz | 2010-10-17 23:59

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 嬉しいバリ土産(右手前は砂糖だそう)。



 1年以上続く質素な毎日3食の自炊生活も少し飽きてきた。そんな折にインドネシア・バリ島の友人N氏が今年も泊まりがけて遊びに来てくれた。珍しいアンティークのバティックやバリの作家が造った器、バリの調味料など、壊れやすい土産や重たいものをわざわざ携えて…、嬉しいなぁ。「しめしめ、来客があったこんなときくらい贅沢しよう」と決め、近所の黄金コース、ながほり&かむなびへ。

10/9 (Sat)

 光悦にしようかとも思ったのだが、来客の希望も「ながほり」。前日電話すると当然ながら19時台は満席。なので17時からを予約したのだが、開店直後の方が割合ゆったり食事ができていい。この店の変わっているところは、毎日手書きのお品書きがひと組しかないこと。それもA4紙3面に美味しそうな料理がびっしり並んでいるものだから毎度迷ってしまう。ちなみに今回が4度目の訪問。なぜか毎度カウンター中央、大将の正面にすわることになってしまい「さて、何にします」と問われるものだから、毎度焦るし緊張もしてしまうのだ。

 最初に頼んだのは「お造り」。他にもいろいろ頼んだが、やはりお造りが断然美味い。仕入れたネタが良いのは勿論のことなのだろうが、仕込みが抜群に素晴らしい。どういった温度でどれだけ魚を休ませ、どのタイミングで包丁を入れ、どういった大きさ/形で出すべきがを完璧に理解しているのだと思う。味の詰まり方や口に運んだときの収まりよい大きさまで、他の店ではとても味わえない。これこそが職人技なのだろう。

 お造り、どれも美味しかったが、一番美味しかったのは、淡路の生ウニ。箱ひとつまんま出されるのだが、舌に載せた瞬間、ふわっと解けて消える。これこそ加工していない天然の味。これが近所で食べられるなら、わざわざ函館などまで出かける必要は全くないな。

 定番の、柿と蕪と鯛の品、焼きレンコン、レバーと砂肝をふんだんに使ったサラダなどにも大満足(残念ながら、水奈須のあんかけははずれ。水茄子は塩しただけで食べた方が美味しいと思う)。食べ過ぎ、頼み過ぎで、申し訳なくも残してしまった。

(支払額:CD 7〜8枚分)

10/10 (Sun)

d0010432_153648.jpg 翌日は2度目のかむなび。ここは日本酒とそれに合ったアテを出すというスタンスの店。定番の塩豆に始まり、香川の生ウニ(ウニ好きなので、今日も頼んでしまった)などをツマミながら、酒がさくさく進む。絞めは稲庭うどん。今夜も大満足。

d0010432_15361857.jpg 鮎も美味しかったなぁ。家から300mくらいにある店で、雰囲気も良いので、毎週末通いたいくらいだ。

(支払額:CD 4〜5枚分)




 そう、自宅から歩いて行ける距離にこんな美味しい店があるのは大変便利だ。そして美味しいだけでなく、日本酒の選択もいい。ながほりは最初に薦められた黒龍を迷わず選べばいいし、かむなびも女将に任せておけば外れなし。

 ふたつの店の共通点は他にもある。外観からは見つけにくいことと、客本意の姿勢。昨年ながほりに最初に行ったとき、近くまで来ても店が見つからなかった。そこで電話をすると店員が入り口から出て待っていてくれた。またかむなびも、今回電話すると「今満席でいつ席が空くか分からない状態なので、空いたら折り返し電話で連絡する」とのこと。待つことしばし「今空きましたので来て下さい」ときちんと連絡して下さった。忙しい中、店主が外まで見送って下さるし。酒と料理の美味しさと、こういった姿勢とが相まって、店の評判を高めているのだろう(ながほりは、居酒屋なのにミシュランにも掲載されている)。

10/11 (Mon)

 N氏、東京へとんぼ返り。他の友人らを誘って霞町の「すえとみ」で食事する相談もしていたのだが、その約束はまた次回にということで。

 光悦、ながほり、かむなびの料理は何度でも食べたいので、また誰か遊びに来てくれないだろうか。ウチでの宿泊込みにてのご来訪を歓迎いたします。




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by desertjazz | 2010-10-11 23:59 | 食 - Eat & Drink

DJ