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Readings : 11月の読書

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 今月読了したのは12冊。海外旅行のため後半ペースダウン。

・市川光雄『森の狩猟民 〜ムブティ・ピグミーの生活』
・小島剛一『トルコのもう一つの顔』
・望月寛丈『ウェブ時代の音楽進化論』
・小島剛一『漂流するトルコ 〜続「トルコのもう一つの顔」』
・マイケル・E・ヴィール『DUB論』
・亀井伸孝『森の小さな〈ハンター〉たち 〜狩猟採集民の子どもの民族誌』
・井上章一『ハゲとビキニとサンバの国 〜ブラジル邪推紀行』
・若山ゆりこ『はじめてのイスタンブール』
・堤 未果『報道が教えてくれない アメリカ弱者革命』
・マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』上巻・下巻
・佐野眞一『大往生の島』

 断然良かったのは小島の『トルコのもう一つの顔』。望月、亀井、井上はハズレ(理由は Tweet 済み)。佐野も彼の作品としては物足りなかったが、逆に言えば彼の数多い代表作が凄すぎる証拠。

 『緑の家』は5つの異なる話がひとつに収斂していく構造面の面白さがあるが、噂通り登場人物が多すぎて、エンディングでどう感じ取ってよいのか迷いが生じた。同じ南米文学なら、ガルシア=マルケス『百年の孤独』やイサベル・アジェンデ『精霊たちの家』の奇想天外、摩訶不思議な世界の方が遥かに引き込まれる。

 『大往生の島』のつましい暮らしに憧れるものの、相変わらずそれとは反対の生活になってしまっている。




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by desertjazz | 2010-11-30 23:59 | 本 - Readings

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 プレオーダーしてから毎日心待ちにしていた Bruce Springsteen の "The Promise: The Darkness on the Edge of Town Story" (3CD + 3Blu-ray)が今夕やっと手元に届いた。以下、その取り急ぎの雑感。

 アメリカから送られて来た箱を開いてまず意外に思ったのは、パッケージの大きさ。何故か勝手にB5サイズを想像していたのだけれど、実際にはA4版の大きさ。そして、その中のブックレットを開くと…。この先はお楽しみを他人から奪っちゃいけないので書きませんが、もう映像と音に触れる前からワクワクのピーク!

 まずは、映画 "The Promise" (88min) 観てみた(英語字幕もあることに全部見終えてから気がついたので、字幕オフで)。

・ボスとメンバーと関係者全ての、当時と今の表情が実にいい。ボスを中心にしたクリエイトが楽しくてしかたないこと、素晴らしい制作に携わっていること、当時を振り返って自然と心に浮かび上がってくる傑作を作り上げたという自負、そんなものが伝わってくる。インタビューでは、2年前に亡くなった Danny Federici も、Patti Smith、Mike Appel、Chuck Plotkin らも登場!

・映像と音声の編集が素晴らしい。全く観たことのない映像がふんだんに使われていることだけでも興奮してしまうのだが、編集が実に細やか。インタビューへのインサートも休まらず、長いカットが全くと言ってよいほどない。それでいて煩く思ったり、疲れを感じたりすることは皆無。眼を離す瞬間が全くない。音編集のかっこ良さにハッとする瞬間もしばしば。

・"Born To Run" から "The Darkness on the Edge of Town" までの3年におよぶインターバルは、裁判に振り回された空白期間というイメージが強かった。しかし、証言の端々からは最高のものを作り上げようとするクリエイティブネスの結果でもあったようだ。いかに難産なスタジオワークだったかというドキュメント。

・この Blu-ray、映像と音声が気持ちよいくらいに奇麗。ファイナライズ/オーサリングまで完璧な仕事がなされているのだろう。

 大絶賛するには、Springsteen と彼の音楽が大好きで仕方ないからでもあるのだろう。しかし、コンセプト、映画作品自体の出来、そしてパッケージまで全てがここまで素晴らしい作品は滅多にないのではないだろうか。まだ、Blu-ray 1枚目を一度観ただけで、そう確信した。とにかく予想と期待を遥かに超えた素晴らしさ!

 2010年のベスト・リイシューは "Alan Lomax in Haiti" とこの "The Promise: The Darkness on the Edge of Town Story" で決まり。他はあり得ないだろう。



 ということで、今夜はモロッコ音楽の再履修も、モロッコ旅行記も、ひとまず後回しです。

 残り5枚を観て/聴いて、それから字幕付きで映画を観直して、さらに日本版も日本語字幕で観てみることにしよう。



(追記: 昨晩、飲みながら5分くらいで一気に書いた分、少し褒め上げ過ぎ、かつやや不正確だったかな?)






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by desertjazz | 2010-11-30 22:27 | 音 - Music

Dubai / Maroc 2010 (0)

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 今回の旅で印象に残ったのは、マラケシュ(とその周辺)の「静けさ」と「静かさ」、建築と屋内装飾におけるライティングと配色が素晴らしさ、そして「猫の楽園」といったところだろうか。ジャマ・エル・フナ広場 Place Djemaa el Fna の混沌とした音の坩堝とは、まるで対局をなすような「静寂」がとりわけ感慨深かった。マラケシュのサウンドデザイン観察に面白みを見出した、そんな旅だったのだと思う。

 山頂付近に雪を頂く4000m級の峰を見つめながらのドライブ(写真)では、澄んだ空気の美味しかったこと。思わず大声で叫んでしまい、やまびこの響きも楽しんだ。これからしばらくは、音をめぐる思索・雑感の諸々なども交えながら、少し綴っていってみたい。

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by desertjazz | 2010-11-30 00:00 | 旅 - Abroad

Back to Japan...

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 今夕、帰国。とても良い旅になった。

 音のバリエーション。
 色のコンビネーション。
 光のコントラスト。
 それらを心行くまで堪能し、記憶に刻んだ。

 さて、一体何から語り綴ったらよいのだろう。


 (Photo : Marrakech to Casablanca)









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by desertjazz | 2010-11-28 23:00 | 旅 - Abroad

In Marrakech

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 古道具屋をまわってSP盤探し。




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by desertjazz | 2010-11-22 16:00 | 旅 - Abroad

Spices in Dubai

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 Mt. of Safran




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by desertjazz | 2010-11-19 19:00 | 旅 - Abroad

Dubai Now

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 無事に日本脱出!




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by desertjazz | 2010-11-19 08:33 | 旅 - Abroad

Back to Africa...

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 週末旅行にさっぱり行けてない。最近そんなふうに考えていたら、昨日、岡山旅行みやげをいただいた。可愛いパッケージに入ったきびだんご。若い女の子らしいチョイスだなぁ。嬉しいです。




 今日から海外脱出。アフリカのあるところまで行く予定です。アフリカ旅行は今度が9回目。また何か面白い出会いが待っているだろうか。







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by desertjazz | 2010-11-18 00:00

 ファタイ・ローリング・ダラー Fatayi Rolling Dollar (1928.7.22 - ) の履歴/レコーディング歴を簡単に整理してみた。 (*1)




< J.O.Araba with the Rhythm Blues Band >

 ミュージシャンとしてのデビューは 1953年。最初はアギディボのプレイヤーだった。Queen Mary Orchestra(1953年)、Willie Payne(1954年)との活動を経て、その直後に J.O.Araba, Olaseni Tejuoso (Seni 'Teje' Tejuoso) らと Rhythm Blues Band を結成。(*2) Phillips とは年にSP6枚の契約があり、'Ranka Dede', 'O Gba Oya Ya' などが大ヒットした。(*3)




< Solo >

 金銭トラブルが原因で Rhythm Blues Band は解散。自身のバンドでの活動に移行することになる。(*4) このバンドには Ebenezer Obey も在籍(1958〜64 年。これが彼のプロデビュー。パーカッションを担当し、ギターをファタイに教わる)。68年に引退。

"Great Juju & Sakara Music Vol.2" (Fisher Music JRFM/2)
d0010432_23295062.jpgSisi Jaiyejaiye

(この1トラックのみか? 演奏者のクレジットがないので音で判断するしかないが、他の5トラックは Tunde Nightingale の演奏に聞こえる。)

 Side A に Fatayi Rolling Dollar, Tunde Nightingale などの6曲を収録したLP。

"Tunde & Fatayi : Juju's Awesome Twosome" (Ajofabro Recording/Thomas Organization, USA)
d0010432_2330046.jpgSaworo / Sisi Jaiyejaiye / Won Kere Si Number Wa / Ma Danwo / Agba Dowo Re / She Go Run Away

 Side A に Tunde Nightingale の6曲、Side B に Fatayi Rolling Dollar の6曲を収録したリイシューCD。

"Papa Rise Again" (Ekostar, 2007)

 'Won Bumi', 'Saworo' などがリイシュー収録されている。


 その他、"History of Juju Music" (Fisher Music)、"Highlife Time" (Vampisoul) などのコンピレーションにも収録曲あり。ただし、全て上記盤との重複曲。

 約10年間バンドを率いていたのだから、もっと録音が残っていてもおかしくなさそうなのだが、全部で7トラックしか見当たらない。




< Solo after Coming Back >

 2001年に Jazzhole から突如復帰。

"Easy Motion Tourist" (Jazzhole, 2001)
CD/Viynl single including Original/Mix/Remix versions
 復帰アルバムに先立ってリリースしたシングル盤(現物未確認)。

"Returns" (Jazzhole JAH006D, 2003)
d0010432_7343023.jpgSorry Sorry No Dey (feat. Chief Seni Tejuoso) / Name Own You Dey See / She Go Run Away (Club Mix) / Feso Jaiye / Iyawo Iyawo / Beleke / Omolere Aiye (Smooth Mix) / Easy Motion Tourist / Omolere Aiye (Dance Mix) / Sisi Jaiye Jaiye / Easy Motion Tourist (Jazz Mix feat. Biodun 'Batik')

 復帰第1作目。過去のレパートリーの再演を多く含む。

"Live in Rabat, Morocco" (Jazzhole ?, 2003)

 未入手につき内容不明。

"Won Kere Si Number" (Jazzhole JAH009D, 2004)
d0010432_7344749.jpgSaworo / To Ba Fe Mo Dollar / Won Kere Si Number / Eko Akete (Agidigbo Blues) / Ori Wa A Dara / I Am Not A Banker / Mama Mi A Ba Mi Wi / Allah Na Tu Ba / Morocco Special / Iya Mi (Tribute To My Mother) / Aduke / Saworo Ma Ro (Unplugged) / To Ba Fe Mo Dollar (Acoustic)

 復帰2作目のスタジオ録音盤。


"Papa Rise Again" (Ekostar, 2007)
d0010432_723502.jpgWon Bumi / Iyawo Mapa Mi / Awa Re Koja / Baba Wa / Saworo / Papa Rise Again / Won Kere Si Number / Ero Ya / Orona / Sisi Jaiye Jaiye / Wasa / Awure Bansa / Ado Lee

 新録+60年代の音源。イギリス盤。

"Papa Rise Again" (High Kay Dancent, 2007?)
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 同内容のナイジェリア盤。

"Returns" (Jazzhole JAHO12CD, 2010)
d0010432_7351823.jpgSorry Sorry No Dey (feat. Seni 'Tejebaby' Tejuoso) / Iyawo Iyawo / She Go Run Away / Na Me Own You Dey See / Eko Akete / Easy Motion Tourist / Aomolere Aiye / I'm not a Banker / Omo Oloye / Sisi Jaiye Jaiye / Feso Jaiye / Beleke

 01年盤の9トラック+04年盤の2トラック+未発表1曲




 Bantu "No Man Stands Alone" (Faluma, 2010.10.30) の 'Ni Bo L'Anlo (feat. Fatai Rolling Dollar, Oranmiyan & Wurasamba)' にゲスト参加。これが最新録音か?




(*1) 従来は Fatayi という表記だったが、最近は Fatai となっている。
(*2) よくありがちなように、この時期の経歴は文献によって食い違っている。年次も1年程度異なる記述がみられる。
(*3) これらの音源は手元のレコードなどでは確認できていない。
(*4) いつの時点でアギディボからギターに持ち替えたのか不明。


♪♪♪

 先日も Ayinde Bakare のディスコグラフィーを作成したように、時々こうした作成作業をする。資料性のあるデータを提供したいという目的もあるが、それより所有盤の確認整理をしながら、好みのミュージシャンのキャリアを俯瞰することで音楽的変遷を把握できるメリットが大きい。

 ファタイ・ローリング・ダラー Fatai Rolling Dollar は復帰後のバラエティー豊かな作品群もとてもいいが、断然魅力的なのは 60年代の録音。"Tunde & Fatayi" のトラックはどれもファタイのギター独壇場の録音ばかり。イントロから終いまで、切れ味鋭いカッティングも、絶妙なフレージングも素晴らしくて、思わず聴き惚れてしまう。

 惜しむらくは復帰前の録音の入手が困難なこと。単独アルバムもなさそうで、「41枚に及ぶアルバムをリリースした」(らしい)トゥンデ・ナイチンゲール Tunde Nightingale とは対照的だ。トゥンデがロンドンにまで活動域を広げたのに対して、ファタイは 70年代を待たずに引退してしまった影響もあるのだろう。





 Jazzhole 関連の情報整理はこれでひと区切り。ざっと書き並べてみただけなので、随時書き加えていきたいとは思うが…。録音が少ないのに、文献類が多くて読み切れない。




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by desertjazz | 2010-11-17 00:00 | 音 - Africa

Diary : 価格破壊

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 日頃はワールドミュージック系の音楽についてコメントしがちなのだが、私は普通のロック/ジャズ/ソウルの方が好きなのだと感じることが多い。少なくとも、重箱の隅をつつくようなワールド盤漁りをしたり、「残り物感」の臭いが瞬時に漂ってくるような音楽に時間を費やすよりも、長年愛着のある良く知られたポップを繰り返し聴く方が、自分にとって健全なことだと思う。そんな好みにまつわる話などを少々…。

 近年のお気に入りバンドのひとつが Buffalo Daughter。最新作は前作までに較べるとやや不満も感じたものの、今夜のライブ(心斎橋クアトロ)は数ヶ月前からずっと楽しみにしていた。だけれど、ここ最近ぐっと冷えてきたせいか、どうも身体がすっきりしない。ここは観念して無理をせず、今日届いたCDを聴いて過ごすことにした。

 さて、現在最も楽しみにして待っているのは Bruce Springsteen の新作 "The Promise: The Darkness On The Edge Of Town Story" (3CD + 3DVD / 3CD + 3Blu-ray) だ。予定通り本日全米発売になり、Pre-Order していた Amazon.com からも今朝、発送メールが届いた。Blu-ray版が欲しかったのと、1日も早く聴きたい/観たいと思ったのとで、アメリカ盤をオーダーしたのだが(100ドル弱、約8000円という安さも米盤にした理由のひとつ)、トークなんかは聞き取れるはずないので、気合い籠ったものと伝わってくる字幕付きの日本盤もやっぱり買わざるを得ないかな?

 一方、先ほど届いたのは Amazon.uk にオーダーしていたブツ10数枚で、ジャズやソウルなどの旧譜とワールドの新譜。円高の恩恵と価格破壊のせいで、旧譜は3〜5ポンド程度。この機会に持っていなかった名盤の類を今年は買い続けている。ちなみに新譜も高くても10ポンド程度なので、イギリスにオーダーしてしまうことが多い(毎度比較しているけど、アメリカ盤やフランス盤でも大抵はイギリスから取り寄せた方が安い)。

 価格破壊の例で最近一番驚いたのは Fela Kuti の "The Complete Recordings" (アルバム46作を詰め込んだ 26CD+DVD。ただし Complete と言うのは不正確だろう)。これがたったの 60ポンド強(送料込みでも8000円しない)なのだから思わず絶句!価格破壊というよりも、在庫処分といった様相さえ漂う。しかし、多産家だった Fela のレコードを手元に揃えるには便利な商品だろう。

 私自身は Fela のアルバム音源は全部持っているはずなので、取りあえずは見送った。そのかわりに?、Billie Holiday の "The Complete Billie Holiday On Columbia (1933-1944) " は即決購入。Columbia 時代の全230トラックを収録した10枚組が15ポンド(約2000円、なので1枚200円!)、しかも駅中などで売られているバッタものじゃなく Columbia / Sony の正規盤! まあ有り難いことではあります。

 Souad Massi の新作なども一緒に届いた(これも7.62ポンド、約1000円。500セット限定の豪華版が欲しかったけれど、日本への送料含めて 66ユーロ=約7500円もするんじゃ手が出せない)。その前に Billie Holiday から聴き始めたり、Boss をネットで聴いたりしている。やっぱりジャズやロックの名盤は気持ちよく楽しめるなぁ。




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by desertjazz | 2010-11-16 20:00

DJ