Best Books 2011

◇ 2011年の私的ベストブック 10

・オルガ・トカルチュク『昼の家、夜の家』
・オルハン・パムク『無垢の博物館』
・角幡唯介『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』
・大和田俊之『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』
・石牟礼道子『苦海浄土』
・田中優子『布のちから 江戸から現在へ』
・村上春樹『雑文集』
・長谷川町蔵+大和田俊之『文化系のためのヒップホップ入門』
・ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
・石井光太『遺体 震災、津波の果てに』


 2011年に読了したのは137冊(12/30時点)。その中から様々な理由で印象に残った10冊を選んでみた。並びは順位でない(読了順)。

 圧巻だったのは、角幡唯介『空白の五マイル』、大和田俊之『アメリカ音楽史』、石井光太『遺体』の3冊。図抜けた読み応えで、個人的には今年のベスト3。

 小説は海外の名作や話題作を中心にある程度読んだが、それらよりも再読したカズオ・イシグロや、トマス・ピンチョンなどの方にずっとのめり込んでしまった。

 今年は音楽書に良書が多かった。佐藤剛『上を向いて歩こう』、ポール・マイヤーズ『トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代 魔法使いの創作技術』、藤岡靖洋『コルトレーン ジャズの殉教者』も10冊に入れたくなった。

 大震災と原発事故から影響されて読んだものが多い一年でもあった。拾い読みした本、ネット等で読んだものまで含めると相当な量になるはず。石牟礼道子、ジョナサン・サフラン・フォア、石井光太もそうした書物に含まれる。原発行政・官僚のデタラメさをおさらいするには、小出裕章『原発のウソ』、古賀茂明『日本中枢の崩壊』、古賀茂明+須田慎一郎『日本が融けてゆく』あたりも役立った。

 アフリカ関係の本がやや物足りなかったことは残念(今少しずつ読み進めている本は例外と言えるのだが、その感想は来年に?)。他に、佐々木俊尚『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』なども面白かった。

 こうして振り返ってみると、決定的に面白かった本が案外少なかったことに気がつき、物足りなさをおぼえる。さて来年は?


(2011.12.30 記)





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by desertjazz | 2011-12-31 23:52 | 本 - Readings

Best Albums 2011

◇ 2011年の私的アルバムベスト10

1. Sakaki Mango & Limba Train Sound System / oi!limba(日本)
2. rei harakami / わすれもの(日本)
3. Marisa Monte / O Que Voce Quier Saber de Verdade(Brazil)
4. R. Kelly / Love Letter(USA)
5. The Roots / undun(USA)
6. Ry Cooder / Pull Up Some Dust and Sit Down(USA)
7. Seu Jorge / Musicas Para Churrasco Vol.1(Brazil)
8. Adriana Calcanhotto / O Microbio Do Samba(Brazil)
9. Bjork / Biophilia(Island)
10. Randy Newman / Songbook Vol.2(USA)

-. Jay Z & Kanye West / Watch The Throne(USA)
-. Aziz Sahmaoui & University of Gnawa(Morocco/France)
-. Seun Kuti / From Africa with Fury : Rise(Nigeria)
-. The Kankobela of the Batonga Vol.2(Zambia/Zimbabwe)
-. The The / OST Tony(UK)


 12/18 に公表したツイッター版から変化なし。個人的に気に入って聴き楽しんだアルバムのリスト。

 1位〜5位は繰り返し聴き続けて未だに全く飽きない5枚。いずれのサウンドも自分に特別な感覚を引き出してくれる。1位と2位は先日コメントを書いた通り。6位〜10位の5枚も内容がとてもよかった作品群。さほど聴き込んではいないけれど。結果は日本・アメリカ・ブラジルが並ぶという 2010年の10枚と同様の傾向。説明不要のメジャーなアルバムばかりだったのは、発見や出会いのなかった一年だったことを象徴しているのだろう。

 次点の5枚は、優れていながらも余り聴かなかったアルバム(今年は強い音を受け付けない心理状態だった)や、自分の趣味に見事にマッチした作品など。




(他からの影響を受けたくないので、今年も雑誌やネット上の「ベスト」は一切読んでいません。)




 ・・・他にもなにかあったような気もするなぁ。裏ベストも考えてみよう。


(2011.12.28 記)





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by desertjazz | 2011-12-31 23:51 | 音 - Music

128) カズオ・イシグロ『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』(再読)
129) 高田 郁『八朔の雪―みをつくし料理帖』
130) イワサキチエ+丹保美紀『マレー半島 美しきプラナカンの世界』
131) マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』
132) 辺見 庸『眼の海』
133) 石井光太『遺体 震災、津波の果てに』
134) ダニー・ラファリエール『ハイチ震災日記 私のまわりのすべてが揺れる』
135) 今福龍太『増補版 クレオール主義』
136) 佐々木敦『未知との遭遇 無限のセカイと有限のワタシ』
137) 瀧本哲史『武器としての決断思考』


 今月読了したのも、またまたまたまた10冊。そう決めている訳でもないので、これは偶然が半分、そしてこれくらいの数が自分にとって適量ということなのだろうか。

 130) 以降は「これからのために」という目的や意識を持って読み、いろいろ刺激を受けたのだけれど、136) はとても興味深い指摘がある一方で主論には頷ききれず、137) にはかなりがっかりだった(あくまで個人的感想)。まあそれは措くとして、とにかく今月は 133) の凄さと深さと暖かみに尽きる!


 特段理由もなく今年も読了した本をメモしてきた。昨年がちょうど100冊だったので、今年は若干増えた。それだけ読みやすい本が多かったのだろう。アフリカ関連や文化人類学、音楽、工芸などの資料性の高い書籍で読み終えていないものが山積していることが気になっている。どうしても楽をしがちだ。

 今年を振り返ってみて刺激的だったことは、村上春樹の全長篇小説(『1Q84』を除く)の再読、カズオイシグロの全小説の再読、谷崎潤一郎の再読、全集が刊行中のピンチョンの小説、石牟礼道子『苦海浄土』、これらの読書体験だった。

 彼ら5人を読むことに相当な時間を費やしたため、その分、新作の類の読了数は少なかったはずだ。そのため圧倒的な作品に新たに出会った印象は例年ほどではない。

 そのようなことを考えながら、今年の10冊を選んでみたところ(ブログにリストアップしておいたのは便利だった)、一発ですんなり決まってしまった。後で公開してみようと思います。


(2011.12.30記 今年はまだ1日残っているが、少し早めにアップ)





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by desertjazz | 2011-12-31 23:50 | 本 - Readings

Best Albums 2011

◇ FB/DJ が選ぶ 2011年のベスト・アルバムはこの3枚。


"Sakaki Mango & Limba Train Sound System / Oi!limba"

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 タンザニア、ウガンダ、コンゴ、ジンバブウェなど多様な親指ピアノを駆使し、アフリカ各地のサウンド・スタイルをミックスした汎アフリカ性。鹿児島の地方語で歌うことで脱アフリカを図り、それが斬新なローカル・ミュージックの色彩も帯びる。音響面での試行が新鮮な成果に辿り着いている点も見逃せない。
 チウォニーソ・マライレが参加したトラックは鉄壁・重厚なショナ・サウンドで、アフリカ音楽史の中に置いてみても遜色ない大作。アチョリ(ウガンダ)のアンサンブルのトランシーなビートは脳内のシナプスを激しく刺激する快感の極点。耳にこびりついて離れない日本語と鹿児島弁の歌のユーモア。ラストの琴線に触れるミニマルな音とサカキマンゴーの絶唱。
 これだけの要素を詰め込み、危うく空中分解しそうなところをギリギリ食い止めて、反対にトータリティーすら感じさせる。親指ピアノの新たな可能性を切り開いた傑作。


"rei harakami / わすれもの"

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 今年は亡くなられた著名人が多かったという印象がある。それらの中で個人的に一番ショックだったのは、レイ・ハラカミの急逝だった。彼はこれからも他人には真似しようのな素晴らしい音楽をまだまだ作り上げるだろうはずだった。それが永遠に失われてしまった衝撃と悲しみは大きい。
 8月に彼の訃報を目にした直後、彼のオリジナル・アルバムを買いそろえて聴いた。それらの中で最も私の心を捉えたのが『わすれもの』だった。夏以降、なにか音楽を聴きたくなると、これを流すことが多かった。それは今に至るまで続いている。私はこのアルバムの美しく暖かい音(特に4曲目以降)を聴くことによって、今年亡くなった多くの人々を悼んでいたように思う。
 この作品集は私にとって一生ものとなった。だから、2005年のリリースながらも、これは今年のベストからは外せない。


"Idrissa Diop - Cheikh Tidiane Tall / Diamonoye Tiopite - L'epoque de L'evolution"

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 今年はアフリカ音楽のリイシューの豊作年だったと思う。中でも西アフリカに見逃せないものが多く、個人的には "Afro Latin Via Dakar" などのセネガル(+ガンビア)のものを楽しんだ。
 サヘル Sahel などで活動したイドリッサ・ディオップらの70年代の音源をコンパイルしたこのアルバムは、ンバラ・ポップ誕生過程を詳らかにする上で重要な発掘音源。ユッスー・ンドゥールがンバラの完成者であるとしても、彼の登場以前にンバラ・ポップの探求が進んでおり、かねてから指摘されていた通りユッスーひとりがンバラのオリジネイターではないことを明らかにする最高のサンプルである。
 純粋に音楽として聴いて楽しく、自分がこうしたセネガルのサウンドを好きなことを再確認。このリイシューをきっかけに再結成したサヘルを聴きたくて、無性にダカールに行きたくなってしまった。




 年内はもう新たにCDを買う予定がないので、今年の個人ベストを選んでみた。数週間前から考え続けているものの未だに10枚に届かず、今年を象徴するアルバムとして夏以降聴き続けた3枚のみに絞った。

 今年のベスト・アルバムを10枚選ぶのに難儀しているのは、入手枚数がさらに減って、例年の半分以下、ピーク時と比較すると3分の1程度になったせいもある。ほとんど音楽を聴かなかった一昨年、昨年よりも、ダウンロード盤(今年いきなり増えた)を含めても100枚以上減っている。

 これには、所有物をなるべく増やしたくないという意識や、小旅行、料理、読書などに時間を取られたことも影響していると思うのだが(勿論、大震災以後の日本の状況から受けた影響は大きくて、音楽を渇望する気持ちや購買意欲が削がれてしまい、それは現在でも解消していない)、じっくりと聴き返してしまう音楽との出会いが続いたせいもある。そう考えると、大量の音楽を消費するように聴く傾向がすっかり薄れ、愛でるように聴きたい音楽だけが常にそばにあったことは、実に幸せだったのだと思う。







 ジャクソン・ポロック展を観たことで年内のテーマは終了し、CDを買う/本を読む/ライブに行く等について特別な予定もないので、このブログの年内の更新もそろそろ終了です。

 ベスト・ブック(1ヶ月振りで復活したツイッターで若干ツイート中)や、アルバム・ベスト10/リイシュー・ベスト10については、年明けにもし気が向いたら考えてみようと思います。


 ということで1年間おつきあい下さり、ありがとうございました。本当にいろいろなことがあった2011年もあと少しでおしまい。来年こそ良い年になるよう心から願っています。








More
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by desertjazz | 2011-12-17 17:17 | 音 - Music

 今日ご教示いただいた情報。

Fela Anikulapo Kuti - Unreleased '67 Interview with Voice of America

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(>>> 他の諸々は非公開メモに)





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by desertjazz | 2011-12-16 23:00 | 音 - Africa

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 日帰りで大阪〜名古屋往復。愛知県美術館で開催中の『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』を観てきた。

 今週11日に放送された『日曜美術館 ジャクソン・ポロック』(18日に再放送予定)を観て少し満足できたものの、同時に今回の展覧会への期待が膨らんでしまった。今後のスケジュールを考えると、名古屋に行けるのは今日だけだし、2月からの東京展(東京国立近代美術館)に行けるという確証もない。そこで急遽新幹線で名古屋に向かうことにした。(昨夜の酒がまだ抜けておらず、その勢いもあったかな?)

 20数年振りの名古屋。会場に着いたのは昼前で、平日ということもあって、客はさほど多くない(意外に思ったのは8〜9割が女性客だったこと)。60点ほどを作品を2時間かけてじっくり鑑賞。どれも独り占めにして観ることが出来たので、まるでヨーロッパの美術館にでも来ているかのよう。やっぱり今日来てよかった。

 予想した通り絶頂期の作品(40年代後半〜50年のポウリングによる大作群)は少なかったが、それらの中では、時価評価200億円ということが話題にされている「インディアンレッドの地の壁画」(1950年、テヘラン現代美術館)と「ナンバー7, 1950」(1950年、ニューヨーク近代美術館)はやはり凄い。どれだけ見つめていても飽きることがない。

 初期の作品が見せる多様性も興味深かった(初めて知ったことも多い)けれど、オリジナルな表現に到達し完璧な傑作群を完成させた後に次に進もうとする苦悩/苦闘の深さが、晩年の作品からひしひしと感じられた点も印象強かった。

 ポロックは実物を見ると、作品に対するイメージが断然違ってくる。どの時期の作品も眼前の数々の曲線が動きを見せている。ポウリングされたインクもじっと止まることがない。とにかく間近で見ると、激しい動きを感じる。

 日本に所蔵されている作品がこれほど多いとは知らなかった。2月に行った大原美術館の「カット・アウト」も展示されていたが、同じ作品を同じ年に異なる美術館で見るとは思ってもいなかった。

 ターナーに次いで好きな画家であるポロック。昔、NYC の MoMA のポロックを観に行った時、ポロックのフロアだけ改装中で観られず愕然としたことがあった。なので、ポロックをこれだけまとめて観たのは初めてのこと。「インディアンレッドの地の壁画」と「ナンバー7, 1950」はまた観たい。来年の東京展にも行こうと思う。





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by desertjazz | 2011-12-15 20:00 | 美 - Art/Museum

"The Roots / undun"

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 Magical !!
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by desertjazz | 2011-12-15 01:11 | 音 - Music

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 辺見庸の『眼の海』に続いて、石井光太の『遺体 震災、津波の果てに』を読了。

 東日本大震災直後の釜石市の遺体安置所を中心に描いたルポルタージュ。とても流麗な文章なものだから(とても読みやすくて、ほぼ一日で読めてしまった)、まるで小説を読んでいるかのよう。造られた話を聞かされているのではないかと、思い違いしそうになったほどだった。

 しかし、書かれていることは全て壮絶なまでの現実。読んでいる最中はずっと心臓が穏やかではいられなかった。ここまで凄まじかったのかと知らされたことも多かった。これほどの修羅場でありながら、立派なひとたちがたくさんいたということが一番印象に残った。

 この本はすでに各所で絶賛されているが、全くその通りだと思う。自分が感じたこと、考えたことを書き連ねても、被災された人々、困難に立ち向かった人々、いまだに苦闘されている人々の前では、何を書いても言葉が軽くなってしまうに違いない。

 だから、多くの人にまず読んで欲しいと思う。日本にいる人たち全てにとって読む価値のある一冊だと断言したいほど。タイトルや内容から、読み始めることを躊躇するかもしれない(自分もそうだった)。けれども、一度読み始めたら、辛くて止めてしまうよりも、一気に読んでしまう人の方が大多数であるに違いない。

 著者の石井光太には『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』以来、圧倒され続けている。今回も釜石市の遺体安置所に視点を置くという着眼が見事だ。真に凄い取材者/書き手だと思う。




 若干、余談/私感を。

 今年起こったことを記憶に留めておきたくて、『眼の海』や『遺体 震災、津波の果てに』などを読んでいる。そして3月以降のことについて、改めて振り返っている。

『眼の海』と『遺体 震災、津波の果てに』とは、全く異なった作品なようでありながら、共振しあうものを感じる。『遺体』を読むことで、『眼の海』の中の慟哭に分かり始めた部分がある。

『眼の海』にも『遺体 震災、津波の果てに』にも圧倒されてしまって、余計なことを書く気が起こらない。





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by desertjazz | 2011-12-14 00:00 | 本 - Readings

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 先日出版された辺見庸の『眼の海』を今朝読み終えた。石巻出身の辺見さんが大震災後に綴った詩編集。日頃は詩集を読むことなどないのだが、辺見さんの言葉が聞きたくて手に取ってみた。

 正直なところ、よく分からなかった。辺見さんはもともと難しい言葉を多用する上に、具体的な描写よりも自身のイメージを文字化している傾向が強い。どう解釈したらいいのか、自由に解釈して構わないのか、そう迷い続けた。

 独特な音感を持った辺見さんらしい言葉のリズム感に味がある。だが全体を埋め尽くすのは、極めて残酷で激烈な表現。これは辺見さんの世界に対する諦念なのだろうか。言葉の誘起する強烈なイメージの感染力が凄まじい。

 じっくり反復しながら読み進めたものの、やはり解釈しきれない。繰り返し読まなくてはならない作品なのだろう。なので、いつになっても「読了」という言い方は当たらない。昨年出した『詩文集 生首』を読んでから、また『眼の海』に立ち戻ってみたい。





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by desertjazz | 2011-12-13 10:00 | 本 - Readings

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 マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』読了。

 イギリスのブリストルに住む若者(アイルランド出身)が1年間、全く金を使わない生活を試みた体験記。これはストイックな挑戦というより、世の中のあり方について思索するための実験といったところ。隠遁といった類のものではなく、著者が重視しているのは、シェアリングや無償の施しの連鎖、コミュニティー内での結びつきといったことである。結局は資本主義社会(金を持っている人々)に寄生しているという見方もできうるが、金以外の対価を返している、あるいは「金なし」生活者が増えた方が環境のためにも良い、というのが著者の考え方のようだ。そうしたあたりが「理想主義者で現実主義者である」と自ら語るところを表していている。ガチガチの理想論を振りかざすわけではなく、適度なユーモアもあるため、読みやすく、いろいろ考えさせられる本だった。

 実際彼のような生活が出来たら、楽しいだろうし、生きている充実感もあると思う。だが、自分にはとても無理。著者の指摘に頷くところが多かっただけに、読んでいてジレンマも抱くことになった。例えば、世間の人たちよりも多くの本やCDを買っているだろう身としては、これを全て諦めることは考えにくい(買うCDの数はどんどん減らしているが…。やっぱり図書館を活用すべきかと一瞬考えたりも)。粗食の楽しみは日々実感しているが、時には外食してため息の出るような味も堪能したい。この本で書かれているような「金なし」での生活やイベントは、とりわけ日本では困難なことだろう。廃棄食料を集めてのパーティー(3500人が参加!)などは、規制でがんじがらめのこの国では想像しにくい。環境問題に対する意識はヨーロッパの方がずっと先に行っている様子が感じられた。けれども、誰もが自分にできることを少しずつでも考えていくことが大切なのだろう。


・関連サイト http://www.justfortheloveofit.org/





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by desertjazz | 2011-12-12 19:00 | 本 - Readings

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