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 今年4月のマドリッド美術館巡りでは、ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス(官女たち)』、フランシスコ・デ・ゴヤ『裸のマハ』(なぜか『着衣のマハ』は展示されていなかった)、それにティントレットやエル・グレコの諸作など、お目当ての作品を数多く鑑賞することができた。中でも、パブロ・ピカソ『ゲルニカ』、ゴヤ『1808年5月3日』、ボッシュ『快楽の園』の3点が強烈に印象に残っている。

 これらのうち『快楽の園』という作品は知らないでいた(あるいは記憶から欠落していた)だけに、目にした時の衝撃はとりわけ忘れがたい。たいがいの音楽は知っているようでいて、実は聴いていないものが沢山ある。それは美術についても同様で、数々の傑作がまだ知らぬまま残っているのだろう。その分だけ、美術館巡りも海外の音楽フェスも、こういった出会いのあるから楽しいとも言える。

 そんなふうに4月の旅を思い越して旅日記の後半を書いているころ、その『快楽の園』に焦点を当てたボッシュの研究書が出版された。神原正明の『「快楽の園」ボスが描いた天国と地獄』という一冊。こんなシンクロニシティーに嬉しくなり、早速購入して先日一気に読み終えた。

 この本を買った理由のひとつは『快楽の園』の部分拡大画像が数多く収められていること。先に「この絵画は実物大で鑑賞する以外観る方法はないだろう(ネットで検索してみても、全てダメだった)」と書いたけれど、これなら観るに十分耐えうる。いや、丹念に見つめると観た記憶がない細部ばかり。著書によると人間だけで500人描かれているそうで、プラド美術館で20〜30分眺めただけではとても鑑賞し尽くせるものではないということなのだろう。この本の図録で『快楽の園』の微細さの凄さを改めて思い知った。ちょっと伊藤若冲を想起させるくらいに。

 ボッシュのファンタジー的世界は、このようなコンパクトな本を眺めているだけでも全然飽きない。文字通り時間を忘れて見入ってしまう。調べてみると、同じ神原正明による『ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』を読む』だとか、大判の画集なども出ていて、思わず欲しくなってしまう。その前に、来月もう一枚原画を拝められそうなので、まずはそのことを心待ちにしよう。






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by desertjazz | 2012-09-29 23:00 | 本 - Readings

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 この秋に観るライブの予習にオーダーしたCDとDVDがフランスから到着。

 Zebda 最高です!

 Dionysos 楽しいです!

 El Gusto 堪え難いほどアルジェに行きたくなります!





 DVD "El Gusto" はシャービの歴史50年?を俯瞰するドキュメンタリー映画(84分+ボーナス)。オープングの空撮でなぜか連想したのはかつて訪れたハバナの海岸沿いの風景だった。たっぷり盛り込まれたカスバの情景からもハバナを思い出す。たしかにエンディングのコンサートに至るまで、BVSC を相当に意識した構成である。El Anka の映像も貴重なのでは?





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by desertjazz | 2012-09-28 20:00 | 音 - Music

Piano Albums

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 9月に入ってもややしばらくCD を買わない毎日が続いていたのだけれど、先週末に1枚だけ購入してみた。買ったのはゴンザレス Gonzales の新作 "Solo Piano II"。Gonzales の作品はどれも奥が深く(全部を聴いているわけではないが)、2004年に発表した "Solo Piano" もまだ味わい尽くしていない。なのでしばらくは見送ろうかと思ったものの、あまりに世評が高いものだから迷った末に手を伸ばしてしまった。

 "Solo Piano II" 数回聴いてみた。個人的には今のところ "I" の方により面白味を感じる。繰り返し聴き込むことによって印象は変わってくるのかも知れないけれど。このリリースに合わせて来年2月の来日公演も決定したそう。都合が合えば行ってみたいけれど、1回きりの公演らしいので、チケットは取れないだろうなぁ。


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 今年の入手作品にはピアノ・アルバムが多い。以前から大好きなミュージシャンであるブッゲ・ヴェッセルトフト Bugge Wesseltoft もソロ・ピアノ集 "Songs" を、ヴィジェイ・アイヤー Vijay Iyer はトリオで "Accelerando" を発表。ブッゲがソロを出したのはやや意外に感じたけれど、これからまたエレクトニックな実験作に戻る気配もある。ヴィジェイの "Accelerando" の出来の良さは Marcus Gilmore のドラムの妙味に負う部分も大きい。とても独創的なプレイで、ドラムの発音そのものが実に個性的だ。

 ゴンザレスもブッゲもヴィジェイも三者三様で全然異なる音楽をやっている。けれども毎度違ったサウンドに挑み、それがとてもユニークであることが共通しているのではないだろうか。そして彼らのピアノ演奏を聴いていると、ピアノという楽器にはまだまだ可能性があるんだ、などとも感じる。

 この夏はドイツ・ジャズの復刻音源もいくつか聴いてみたけれど、LP で聴き馴染んでいるウォルフガング・ダウナー Wolfgang Dauner の "Dream Talk" はリマスターによってかなり音が向上していた。独ジャズ屈指の名盤がさらに良い音になって入手しやすくなっている状況はとても好ましい(ドイツのジャズについては、時間があれば改めて書いてみたい)。

 このように今年はピアノ・アルバムを割と聴いて楽しんでいる。ただ相変らずウソのような暑さが続いていて、今ひとつ気分は乗り切らない。それでも最近ようやく朝夕には涼しい風が流れるようになってきた。こうしたサウンドを聴くに相応しい季節がようやく近づいてきたのではないだろうか。






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by desertjazz | 2012-09-18 00:00 | 音 - Music

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 長年音楽を聴いていると、至福の瞬間に出会うことがときどきある。9年前、フランス西部のアングレームでゼブダ Zebda のライブを観たことも、そうした稀なひとときのひとつだ。

 4日間にわたって開催された Festival Musique Metisse の大トリで登場したのがゼブダ。何と深夜に至るまで2時間の熱いステージを展開した。特にラストに演奏した 'Tomber La Chemise' の素晴らしかったこと。恥ずかしながらこのときまではゼブダがこれほどずば抜けた存在だとは知らなかった。アングレームで観たのとほぼ同内容のライブは傑作アルバム "La Tawa" (CD+DVD) でも楽しめるのだけれど、彼らのパフォーマンス自体はアングレームで観たものの方がさらに良かった(言わずもながらだが、観客の盛り上がりに限ってはバルセロナで収録された "La Tawa" の方に軍配あり)。

 何とも凄いものを観てしまったなぁ、と興奮しながらバックステージに駈けていったら、運良くフロントの Mouss と Hakim の2人に会えた。ちょうどTシャツを脱いで雑巾絞りしているところで、信じられないくらいの水が絞り出されている。どんだけ汗流したんだ!? その時2人して満足げな笑顔を向けてくれたのだけれど、あの顔は一生忘れられない。彼ら自身が最高のステージを成し遂げた充実感に満ちていているようだった。その時カメラを手にしていたのだけれど、彼らとアイコンタクトしたり軽く言葉を交わしたりする以外は余計に思えて、結局1枚も撮らなかった。

 知っての通り、その直後ゼブダは活動停止する。あれだけの音楽を生み出しながらも何故と不思議でならなかった。その分だけあの時に良い体験ができたと思うし、ゼブダが最高の時期のライブを実体験できたことはいまだに人から羨ましがられている。

 あれから9年、アンチ・サルコジを旗印にゼブダは再始動し、新作 "Second Tour" も送り届けてくれた。これがゼブダのファンにとっては最高の内容。どこかのタイミングで彼らの復活ライブを観たいものだとも思っていたら、その最新ライブのサウンドがネット上で試聴できるようになった。

 この音源、よく調べて見ると"Plan D'Occupation Du Sol" と題されて8月20日にすでに公式リリースされている。スリーブの雰囲気から勝手にアンオフィシャルな音源だと勘違いしてしまっていた。タイトルは『土地の占領計画』(とでも訳すか?)。相変らず意味深で強いタイトルだ。

 さてその内容、最新スタジオ盤のキラーチューン 'Le Dimanche Autour De L'Eglise'、3作目冒頭の 'Y'A Pas D'Arrangement' に始まって、ラス前には 'Toulouse'、そして最大のヒット 'Tomber La Chemise' へ流れ込む活動休止前と変わらぬお約束のエンディング。正しく彼らの代表曲、ヒット曲がずらっと連なる圧巻の構成となっている。活動休止していたブランクを全く感じさせないサウンドだ。

 復帰後続いているツアーも多分このアルバムの流れに沿ったステージングなのではないだろうか。実は10月12日にパリのゼニス Zenith で行われるコンサートがずっと気になっている。恐らくこれが彼らにとって今年のハイライトとなるだろう。やっぱりこれを観に行くべきだっただろうか?






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by desertjazz | 2012-09-17 19:00 | 音 - Music

Oneira : Pan-Mediterranean Music

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 ここ最近、オネイラ Oneira の2枚のアルバム "Si La Mar" (2010) と "Tale Yad" (2012) をよく聴いている。オネイラは地中海周辺/周縁の異なるルーツをもった6人(女性2人、男性4人)によって2006年に誕生したグループ。

 メタ カンパニーのページに詳しい紹介が掲載されているので、以下、一部引用。

オネイラはイランの血を引くパーカッショニスト、ビージャン・シェミラニの夢から始まった。ペルシャ古典声楽を学んだ妹のマリヤムとともに、伝統音楽をベースにしたイマジネティヴな音楽の模索。そこにギリシャ出身でトラッドとクラシックの両分野で活躍する女性歌手マリア・シモグルー、同じくギリシャ出身でジャズ・クァルテッとも結成しているネイ奏者のハリス・ランブラキス、フランス中央山塊地方出身で、アル・ディ・メオラに師事し、現在もディメオラと一緒に世界をツアーしているギタリストのケヴィン・セディッキ、そして南仏オクシタニア出身で、千年の歴史を持つ楽器ヴィエル・ア・ルー(ハーディー・ガーディー)奏者として地中海トラッドとエレクトロニクスを融合させた革新的バンド、デュパンの中心メンバーだったピエール=ローラン・ベルトリノが加わった。

 確かに地中海諸地域やイランなどの伝統楽器にブルガリアン・ポリフォニーなども連想させる発声の歌が折り重なって実に魅力的。最初はちょっと地味に感じたけれど、端正で穏やかで滋味深く時折むせび泣くようなアコースティックな音には惹かれるようになってきた。例えばデュパン Dupain やラム・デ・フォック L'Ham de Foc あたりのサウンドも思い起こさせ、拡張した汎地中海的サウンドとも言えるだろう。

 個人的にデュパンが頭に浮かんだのは当然で、デュパンのハーディーガーディー奏者だった Pierre-Laurent Bertolino がメンバーのひとりであるところにデュパン的なものを感じとってしまったのだろう。そのデュパン繋がりで、ファーストアルバム "Si La Mar" の 'Hypnovielle' ではデュパンのリーダーだったサム・カルペイニア Sam Karpienia がゲストシンガーとして加わって、独特な声色を響かせている(アルバムのトーンに合わせてか、いつもよりは若干抑えた歌い口)。これも実にいい!

 ここ10年ほどの間にジャズもアフリカ音楽もさほど聴かなくなってしまったけれど、オクシタンミュージックやアラブアンダルース音楽などに対する関心はあまり下がってはいない。このオネイラを聴いても、自分はマルセイユを中心とした環地中海圏の音楽と相性のよいことを確認させられる(相変らずイタリアやギリシャは積極的には聴いていないのだけれど)。

 オネイラ、いつかライブでも聴いてみたい。





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by desertjazz | 2012-09-16 22:00 | 音 - Music

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 昨夜、渋谷の地下路を歩いていたら金沢の KY さんとばったり遭遇。誘われて一緒に映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』を観てきた。公開期間が短かく見逃してしまいそうだったので、これは絶好のタイミングだった。

 遺族や関係者の証言にボブのインタビューやステージの映像をはさみながらの約2時間半で、彼の生涯が時系列に振り返られている。その内容については多くの方々が書かれていると思うので、レゲエに詳しくない音楽ファンとしての感想を2つほど(証言記録映画は好みじゃないこともあり、2時間半はやっぱり長い。このところ睡眠4時間が続いていたので、しばしば寝落ちしてしまった)。

 ボブ・マーリー Bob Marley と彼の音楽のことをよく知らない人にとっても分かりやすい映画だったかと思う。マーリーの人柄と彼が生み出したが音楽の魅力がしっかり伝わってくる作りになっている。相当に女性からもてたそうだけれど、こうして彼の笑顔や寂しげな表情を見せられると、確かに多くの女性にとってはたまらない存在でもあったことだろう。

 けれども、一見艶やかなスーパースター像の影の部分が印象に残った。白人と黒人のハーフとして生まれ(しかも父親は失踪)周囲からは仲間はずれにされ、ジャマイカの政争に巻き込まれ(銃撃も受けた)、晩年には難病に苦しみ、若くして死す。実は苦しみに満ちた短い生涯だったのだな。7人の女性との間に1人の子供などと聞かされると、楽しんだ人生だったんだなとも思うが、36年という生涯は余りにも短い(ちょっとジョン・レノンと二重写しになった。途中、ジンバブウェの独立式典で初代大統領のロバート・ムガベ Robert Gabriel Mugabe が映されるのだけれど、こいつは長生きして独裁的にその地位にふんぞり返り続けている。同じロバートなのに何という違いだろう)。

 個人的にとても納得したのはラストのプロローグの作りだった。トルコ、イラン、アンゴラ、インド、ブラジル、日本、等々で 'One Love' などを歌う大衆の映像が繋がれていく(隅にインポーズされた国旗を追っていったけれど、ひとつだけどこか分からなかった)。ボブ・マーリーがいかに世界中の人々から愛され、そして今も愛され続けているかということを見事に描いていると思う。これって実にリアリティーがあるんだよな。

 自分は音楽が好きなので、世界中どこに行ってもローカルなカセット/CDショップを訪ね歩く。その度に驚かされるのは、ほとんど必ずボブ・マーリーが置かれていて、しかも店頭で彼の音楽が流されていることの多いこと。例えば、タイ・プーケットやインドネシア・バリ島のビーチのカセットショップ、あるいはダカールやカンパラのカセットショップでそうだった。他のアフリカに限っても、ジンバブウェのハラレやブラワヨ、コンゴのキンシャサ、ナイジェリアのレゴスやポートハーコート、そしてエチオピアのアジスアベバでも、店に入るごとにマーリーのカセットなどがすぐに目に入ってきたのではなかっただろうか(さすがに記憶が曖昧で、どこまで正確かは自信がないのだが)。

 考えて見ると、ボブ・マーリーがインターナショナルに活躍したのは、ほぼ70年代の10年間に限定される(60年代のビートルズに匹敵するのでは?)。それなのにいまだに世界中のミュージックショップの基本アイテムであり続けているというのは、ほとんど奇跡的なことだろう。その時々のヒット曲ならばまだ当然だけれど、亡くなった後も世界中の店先でプレイされ続けているのだから。このような存在のミュージシャンはボブ・マーリーの他には思い浮かばない。商品の大半が海賊版コピーなのはいかがなものかとは思うが、それでもこれはこれで、それだけボブ・マーリーが世界中から愛されているひとつの証といえるのだろう。





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by desertjazz | 2012-09-11 20:40 | 音 - Music

New Discs : Kanaga System Krush

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 面白いアフリカ音楽を紹介する新興レーベルを見つけると、誰かに紹介したくなるし、それらのどれもが弱小レーベルなので応援したくもなる。例えば、ヒュー・トレイシー音源を復刻した Sharp Wood Productions やジンバブウェのレア音源からスタートした Analog Africa などは真っ先に日本に紹介してきた。最近セネガル音楽の未発表音源の発掘を続けている Teranga Beat、そしてマリのマイナーな音楽をリリースしているアメリカの Kanaga System Krush もそんなレーベルのひとつで、ここからのリリースは積極的に取り上げるようにしている。

 けれどもこの KSK、どうもついていない。レーベル・アーティストのロビ・トラオレ Lobi Traore とザニ・ジャバテ Zani Diabate が近年相次いで他界してしまったのだから。なので、もう呪われていると言ってもいいくらいだ。

 それでも今春(かな?)新作を2枚リリースするなど頑張っているようだ。KSK の CD はずっと買い続けているので、もちろん今回も即刻入手し、時折聴いている。

・"Dambe Foli / Sibiri Samake - Bamana Hunters Music" (no number?, 2010)
・"Taga Sidibe and Friends featuring Tu Sinayoko / Wassoulou Foli" (KSKCD012, 2011)

 後者のタガ・シディベは女性ヴォーカルとパーカションによるセッションで、まあ普通の出来かな?(自分はジェンベ系の音楽には関心が薄いので、繰り返し聴く気になれず、評価しようがないだけなのだけれど)。一方のダンベ・フォリは断然いい。いや、これも自分がドンソ・ンゴニのサウンドが大好きだからに過ぎないのだろう。

 ドンソ・ンゴニ Donso Ngoni は、マリ南西部ワスル地方の狩猟民(ハンター)や語り部たちの音楽であり楽器の名称でもある(だったかな?)。太くて深くて土臭い音を奏でる6弦ンゴニ(カマレ・ンゴニなどの他のンゴニよりも大型で歴史も古い)と鈍色の音を響かせる鉄でできたカリニャンなど最小限の打楽器による伝統音楽。彼らの伝統的装束も印象的だ(最初に写真で見たときは乞食かと思った。失礼!)。

 このドンソ・ンゴニのアーシーなサウンド、昔、確かミュージックマガジンの紹介記事で知り(筆者は海老原さんだったかな?)、その頃メタカンパニーから出たCDを聴いて惚れ込んでしまった。それ以来、パリや西アフリカでドンソ・ンゴニのCDやカセットをみつける度に買ってしまう。1999年にバマコに行ったときも、ロビ・トラオレのクラブを探すかたわら(タイミング悪く改装取り壊し工事中で彼のパフォーマンスは観られなかった)、ドンソ・ンゴニを生で観られたらいいのになと思い続けていたのだった。

 さて "Sibiri Samake - Bamana Hunters Music" はドンソ・ンゴニ2本に、カリニャン、スクレイパーというミニマムな4人編成。淡々とした演奏と歌で、ほとんど語りの世界と言っていい。しかも、わずか4トラックでおよそ66分も延々と続く(最長28分)。けれどもこれが癖になる音なんだなぁ。

(語り的といった点ではモロッコのグナワとの連関を感じさせる。そういった研究はあるのだろうか? そういえば、今年のスキヤキで Amazigh と OKI さんの共演を観て、同じ弦楽器の相性の良さを指摘するツイートがあったな。)

 このところまた熱帯の森の音が恋しくて仕方ない気分なのだが、こうした土ぼこり舞立つようなサウンドに浸っていると、乾燥した土地の音も懐かしくなってくる。けれども、マリに行くチャンスは多分もう二度とないことだろう。

 そんなことより北部で紛争激しい今のマリ情勢が懸念される。それに対して Kaira Daby などのミュージシャンたちが積極的に行動している。早く平和が戻って欲しいと願うばかりだ。







[おまけ]

 Gari Greu の新作ソロ "Camarade Lezard"、聴けば聴くほど良くなってきます。先のブログ記事は書き直すべきか? 今年の年間ベストには必ず入れます。いや1位にするかも?? どうして日本に入ってこないのだろう???






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by desertjazz | 2012-09-10 00:50 | 音 - Africa

Sukiyaki Tokyo 2012 : Pernett

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 まさかペルネットのライブを日本で観られるとは! このことはこの半年の間ずっと思い続けてきた。彼のサウンドに初めて触れたのはファースト・アルバム "ARBOL" を聴いてのこと。コロンビアのクンビアをベースにスペイシーなシンセの音をふんだんに混ぜ込んだ音楽、その独特な楽しさの虜になってしまうまで一気のことだった。"ARBOL" は確か3年前の年間ベストの1位に選んだほどだった。

 なので、この春(4月にスペインに行っている頃だったはず)にスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドが彼を招聘すると発表したときは、大驚喜。いやそれ以前に、突然のことで驚き半分、日本に呼ぶにはマイナー過ぎやしないかという不安が半分。いやいや、さすがはスキヤキだと褒め讃えるべきだったのだろう。

 今年も富山県南砺市福野に馳せ参じるべくヘリオスの側のホテルを予約。8月になるのをずっと心待ちにしていた。だけれど、結局は断念することに。時間にも予算にも限度があるので、すべての希望を叶えるのは無理。やっぱり何かを諦めるしかなく、3年連続でのスキヤキ参加は見送った。

 その分だけ公演日が待ち遠しかったスキヤキ・トーキョーでのペルネットのステージ。

 8月30日、今夜も何とか仕事を早めに切り上げて、渋谷クアトロへ。ペルネットのCDとTシャツを販売しているアオラ・コーポレーションの高橋ご夫妻と挨拶・雑談などした後、場内へ。フロアは大石始さんのDJを前に在日コロンビアン?たちのダンスですでに賑わっている。

 昨晩のグナワ・ディフュージョンと同様、風邪で体調よくないのに、ずっと呑みながら踊っていたので、詳しいことまで思い出して書くことは不可能(だけど、踊って汗かくと体調はかなりよくなるんだよなぁ)。

 簡単に言ってしまうと、CDで聴くのと同様なフォルクローレとクンビアとデジタルサウンドがミックスされた、とてもユニークな極上のダンスミュージック。時に伝統楽器のガイタ(笛)も駆使し、チープなゲームミュージックっぽかったり Steely Dan のように聴こえたりするキーボードのふんだんに混ぜ込んでいる。ヴォコーダーも多用していて、写真でマイクが2本写っている右の方はロボ声用。だけれど、これらが全く違和感なく同居している。それでいてオリジナル。こんな面白いサウンドは滅多にない(バンドは4人編成だった)。とりわけ "ARBOL" からの曲はいいなぁ!

 初めてペルネットのステージを観て、彼ってエンターテイナーだとつくづく思った。CDだと音痴なのか音が外れているのかどちらなのか分からない(意味は一緒か?)ヘナヘナした歌も、ステージではばっちり聴かせてしまう。なにより最高なのは、あの腰クネクネダンス。もう一緒になって踊るっきゃない!

 多くの人たちが「ペルネットって、ホントにいい奴」と言っていた。確かにそうなんだろうな。ステージでも、サイン会でも、今が楽しくってしかたないといった気分が伝わってくる(彼の Tweet を見ても全く同様)。そういえば、みんなペルネットのことを「ペルちゃん」と呼んでいた。彼が誰からも愛されていた証拠。

 今回ペルネットを日本に呼んで下さった皆さんにはとても感謝しています。こんなステージを見せられるとやっぱりヘリオスにも行ければよかったという後悔も蘇る。ペルネット、ホントにいい。だから、もっと多くの人に聴きにきて欲しかったし、近いうちにまた日本に来て欲しいとも思う。


 来年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは 8/23〜8/25 に開催予定。さて誰を呼ぶのだろうか。楽しみです!(カウシキでもペルネットでもいいよ! って誰に言っているのか?)

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 "ARBOL"、"EL MAGO" に続く3作目 "The Caribbean Computer" がリリースされたので、早速会場で買ってペルネットにサインしてもらった。このアルバム、つい先日 "EL MAGO" が発売になったばかりだし、スキヤキ・スティール・オーケストラ(スキヤキのスティールパン・オーケストラ)も1曲参加しているので、来日に合わせた企画盤かと思った。ところが聴いてみると、バラエティー豊かな内容で、いいトラックが揃っている。聞くと録りためていた曲を収録したものだという。現時点では日本だけでのリリースなのだが、これらの楽曲はコロンビア他でも発表されることだろう。







(今夜は Bar El Sur で一杯ごちそうになりながら、最近の情報をいろいろうかがう。面白いネタや楽しみな話ばかりだった。/ 相変らず呑んで頭が冴えないときだけ時間つぶしに書いているブログなので、中味も冴えないことはまあご容赦を。)





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by desertjazz | 2012-09-04 21:26 | 音 - Music

 昨日はペルネット Pernett の写真を1枚載せたので、今夜はのグナワ・ディフュージョンについてちょこっとアップしておこう(8月29日、渋谷クアトロ)。

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 前回の渋谷クアトロのライブと同様、メンバーたちが客席後方からカルカベをカチャカチャガシャガシャ鳴らしてグナワを演奏しながら入場。これで一気に大盛り上がり。そしてリーダーのアマジーグ Amazigh がステージに登場。

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 昨年のソロ名義でのライブがビートを強調したものだったと記憶しているのに対して、今年の再結成したグナワ・ディフュージョンでのライブは、サウンド・フレームのストラクチャーを感じさせるサウンドといった印象。その分、幾分端正にも感じられた。在日アルジェリアンが少なかったこともあってか、昨年の方が熱かったかも。

 マンドーラのモハメッド Mohamed(写真 左)はエル・グスト El Gusto のメンバーでもあると教えられ、終演後に少し話しをさせていただいた。(通訳してくれたスキヤキのニコラに感謝!)「今年の欧州ツアーは22人編成のビッグバンドで、指揮もするので大変」とのこと。この秋、フランスでの再会を約す。

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 途中2人の女性が飛び入りでダンス。男性陣は眼が釘付けに?

 ラスト(アンコール前)の曲がとにかく良かった。('Saharaga' なのかな?)全くもってマジカルな心地よさ!




 スキヤキでも他のフェスでも、冷静に分析的、批評的にばかり聴くのは野暮なのではないだろうか。演奏する方は真剣勝負しているのだろうが、ただ素直に自然に音楽を楽しむのが一番。今年のスキヤキもビールやワインを片手に踊りながら、時にはフロアの後方やエントランスで知人たちと語り合いながらのひとときだった。

 そういった意味では、東京に戻って最初のライブで多くの方々と話をできたことは有り難かった。何年か振り会った顔も多く、ざっと数えてみたら50人を超える方々と話していた。過労??で風邪気味、辛かったのだけれど、少しばかり無理して行った甲斐はあった。(3年振りに東京に戻ってアウェー感覚が抜けないところだったのでね…。)

 久し振りにアマジーグとの語らいも楽しむ。仕事の都合でとうに前座(対バン)の GOMA が始まったころに渋谷WAVEビルに到着したのだが、その1階入口でアマジーグといきなりばったり遭遇。そろそろ出番なのに何やっているんだ?と思ったら、もうすぐ2人目のお子さんが生まれるそうで、家族のために土産を買ってきたとのこと。富山でのスキヤキのステージも楽しめたそうで、奥さんや子供のことを話すときは本当に幸せそうだった。(来日する度にアマジーグとは会っている、…今日で7回目かな?、ので、さすがに覚えていてくれたようだった。)


(このところ誰かと会う度に「またパーティーやりましょう」「忘年会やってよ」と声をかけられる。前向きに考えるべきなのかも知れないけれど、今はそこまでの元気がない。いくつかアイディアは持っているのだけれど、取りあえず年内は無理かなぁ。)





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by desertjazz | 2012-09-03 22:14 | 音 - Music

Sukiyaki Tokyo 2012

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 Pernett 楽しかった! Amazigh とも2人でいろいろ話せたし。ペルちゃんの腰くねくねダンスで、スキヤキ・トーキョー終了。これで今年の夏が終わった気分。

 Amazigh も Pernett も本当に最高なナイスガイ! また日本に来て欲しいな。


(8月もとにかくやることが多過ぎて、ブログは全然書けなかった。諸々後で整理してアップしておきたいとは思っています。)





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by desertjazz | 2012-09-03 00:50 | 音 - Music

DJ