In Paris

 1年半振りのパリ。開業からまだ間もないのホテルに宿泊。全てが真っ白&ピカピカで、従業員たちも生き生きしていて気持ちよい。ネット上での高評価の通りだった。昼間は散歩を楽しみ、夜はライブ三昧。ほとんどカメラも持ち歩かずに、ただただシンプルにパリの春と新鮮な音楽とを堪能した。
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 観たライブは 17 Hippies, Amadou & Mariam など。どこに行ってもビールばかり飲んで気持ちよくなっていた。

 また、音楽留学中のマエストロ・ジャンゴ・Hさんのお宅にお邪魔して、またビールをごちそうになったり、周辺のバルベスの穴場を案内してもらったりも。その途中、Syllart Production / Africando の事務所に寄って、パリ滞在中に発売になった Orchestra Baobab の2枚組コンピレーションのことを中心にあれこれ質問してくることもできた。
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 パリでは4月以降も是非観たいと思うライブが目白押しなのだが、その中で興味を持ったのは Youssou N'Dour で、4月18日には前座として Mokobe (!!) が登場する。ちなみに翌日には同じステージに Salif Keita が立つ(新作発表ライブになる見込み)。
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 さて今回の収穫ブツのうち、日本では手に入らないだろうものを中心に並べると大体こんなところ。全体状況としてはいずれのジャンルとも低調な印象であり、またもう自宅にモノは増やしたくないので、なるべく買わないようした(マグレブもののCDやアフリカのDVDは5ユーロで買えるのだが、これらも大半を買い控えた)のだが、それでも結構な量になった。EMI 音源による『フランスにおけるマグレブ歌謡の巨人たち 1937-1970』(3枚組)や KUDURO の3枚組(2CD+DVD)はまだ日本に入っていないはず。Lounes Matoub の3枚組、Egypt 80 や Seun Kuti らによる Fela Kuti トリビュート・コンサート "Fela All Stars Tribute Concert 2005 : Live in Lagos"(VCD)、Youssou N'Dour のスワヒリ版(スワヒリ語で歌っている?)などはかなり珍しいかも知れない。他にもレッガーダやシャービのDVD、アフリカもののカセット、様々なプロダクションからもらったサンプル盤などがどっさり。
 これらをようやく聴き始め/観始めた。早速聴いた Toko Blaze の新作と Kamel el Harrachi の新作の素晴らしさに今ちょっと興奮しているところだ。現時点ではサンプルを聴いているだけなのだが、それでも大推薦!します。レッガーダやアラブの古典作の中にも良いものがありそうなので、これら何かの機会に追々紹介することにしよう。
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 旅行記をまとめておいたりなどしたいのだけれど、しばらくは時間がとれそうにない。ブログの本格復活もやはり当分は無理だろうか。
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# by desertjazz | 2009-04-05 16:21

 Dupain の Sam Karpienia も Oai Star も復活していた。嬉しくなってこのブログも一晩だけ復活???

 3日前からフランスに来ている。ここ半年ばかりの間ほとんど音楽を聴かなくなっていたのだが、久しぶりにまとめて音楽を聴いてみるのも悪くないかなと思い、南国行きの計画を変更してやってきた。ライブ三昧の毎日を楽しみ、音楽関係者たちとの出会いと再会を重ね、そしてレッガーダ/スタイフィー/ライ/シャービなどのCDとDVDを買い漁っている。

 そうした中で掴んだ情報のうちの主だったものに関する覚え書きなど(しばらく情報収集していなかったせいで、知らなかったことばかり)。

(1) Moussu T e Lei Jovents

 アメリカの女性ジャズシンガーを迎えての新プロジェクトが進行中。リリース計画などについても聞いてきたがシークレットにしておく。
 ライブは相変わらずの大盛況で、とにかく楽しい。アルバムではほんわかと暖かい雰囲気だった曲も、オーディエンスの前では熱いサウンドに生まれ変わり、場内大熱狂。3年前に観たライブとは演奏曲が若干入れ替わっただけで、基本構成は変わっていないものの、盛り上げ方、楽しませ方がとにかく上手い。だから、もっと聴きたくなるし、そしてまたフランスに来たくなる。
 バックステージでのひとときも楽しいことばかり。いずれのエピソードも一生の思い出になりそうだ。バンドのカラーに合わせて青色の手ぬぐいを日本土産にメンバーたちにプレゼントしたら、出番にはそれを身にまとって演奏してくれた。心優しい男たち。
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(2) Oai Star

 Lux B が亡くなりバンドの存亡が危ぶまれたのだが、Gari を中心に活動再開した模様。5月1日にはマルセイユでライブも組まれている。このステージ、何と Massilia Sound System, Moussu T, Oai Star, Papet J. の4バンドがそろい踏みになる。
 新作は今年9月にリリース予定で、タイトルは "Dans Les Bacs"。ジャケットのデザインが so cute !
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(3) Blu

 残念ながらギタリストの Blu は Oai Star の活動から離れ、バンドには代わりのギタリストが補充された。「(Massilia と Moussu T と Oai Star の3つを)掛け持ちするのは大変」というのはマネージャーの弁。Blu 本人に「最近は絵を描いていないの?」と尋ねると、「時間がなくて」との答え。
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(4) Sam Karpienia

 Dupain は2007年をもって活動終了し、Samuel は新たなトリオ編成のバンドでの活動を始めている。サンプルとライブ演奏を聴いた印象は「強烈なロックンロール」。メロディーや節回しといった面はもろに Samuel / Dupain らしいものなのだが、これが爆音ロックで演じられたのは正直意外。実際音もデカかったし。一瞬 Paul Weller のステージを観ているのかと思ったほど。ここ数年間で観たライブの中で、間違いなくベストのうちのひとつ! これを観られただけでフランスに来た価値があった。だけど、また観たい!
 会ってインタビューさせてもらう件、話が通っていたものの、結局こちら側の都合がつかなかった。残念。
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(5) Toko Blaze

 現在新作 "Urban Griot" を制作中。現時点でのCD-Rをもらう。6月にリリースし、ライブも行う予定。「来て!」と言われたけれど、無理だろうなぁ。

(6) JKK

 Jagdish & Kreol Konexyon も活動を続けていた。3月20日に新作をリリース。しかし、彼らのCDを街中で見たことがない。なぜだ?

(7) Zong

 3作目 "Fonker Espress" を3月30日にリリース予定。祖国レユニオンでは2月に発売済み。何と2枚組で130ページのブックレット付き。
 マルセイユのマネージメントとは直接会って話ができ、4月1日のライブではメンバーと会ってくる予定。
 5月にはマルセイユで Watcha Clan との競演ライブを行う。
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(8) Kamel el Harrachi

 Dahmane el Harrachi の息子 Kamel が素晴らしい。一気に好きになった。超ハンサムだし、実際言葉を交わしてますます好感を持った。とにかく歌声と笑顔が美しい。
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 4月24日リリース予定(とマネージメントは言っていたが、資料では25日となっている)のアルバムは父へのトリビュートといった内容になり、全10曲中8曲が父の曲で、残りの2曲が新曲。
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(9) Amazigh

 女性をとろけさせる笑顔の魅力で負けていないのは Amazigh。Gnawa Diffusion を率いていた彼が10月にソロ・アルバムをリリースする(春のリリース予定が延期になったようだ)。プロダクション関係者は「また日本に呼んで下さい」とのこと。

(10) Houra Aichi

 これまで観た中では Houra Aichi & L'hijaz'car もとても良かった。彼女の生声をあのアンサンブルを従えて聴けたのは正に幸運。前半は淡々と歌っていたのが、次第にリズミカルな方向に。それに伴って彼女の動きも膨らみ、サウンドもノリを高めていく。そういった観点ではステージングも成功していた。アコースティック・アンサンブルをたっぷり楽しんだが、CDで聴けたアルジェリアン・コーラスだけは音源再生によるものだった。
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(11) Souad Massi

 今年9月(見込み)に4作目をリリースする計画。

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 その他、期待以上だったライブがいくつかあり、アフリカ関連の新譜情報も掴めた。

 準備らしい準備もせずに飛んできた分だけ、全てが思い通りに行っている訳ではない。今回の最大の目的は「のんびりすること」なので、スケジュールを詰め込まないようにもしている(ので、誘われたミーティングなどもパスしてばかり。会う予定/約束だった何人かの人たちにも失礼してしまった)。それでも、これだけ音楽を堪能できているのだから満足だ。何より、こんな異国の音楽ファンを誰もが歓待してくれることに感謝!

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 30日にラ・シオタの Manivette Records とマルセイユの MicMac を訪ねてきた。そこで得た情報を追記。(3/30)

(12) Louis Pastorelli

 ニースの Nux Vomica の創設メンバー Louis Pastorelli がソロ作 "Gigi de Nissa" を制作中。Moussu T との共演曲も含まれる。リリースは今秋あたりになりそう。Nux Vomica の活動も継続中。
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(13) MicMac

 もう2年もウェブサイトが更新されていないので、もしかしたらすでに閉鎖してしまったのかと思いながらも訪ねてみたら、きちんと運営されていた。しかし、ここ2年間でリリースしたCDは Original' Occitana と今月20日に発売になった Jagdish の2枚のみだとのこと。
 インド洋出身者の混成チームという性格から、ちょっと風変わりなミクスチャー・ミュージックを演奏するその Jagdish & Kreol Konexyon のセカンド作もここで入手。MicMac のCDは、やはりここでしか手に入らないとのこと。
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(14) D'aqui Dub

 活動終了。

(15) Fred Zerbino

 ばったり会った Moussu T のドラマーの Fred が「お茶しよう」と誘ってくれたので、ビールをごちそうになりながらいろいろ質問させてもらった。Moussu T のことも含めて面白い話をたくさん聞けたので、これらは何かの機会に。ヘビメタと MAGMA とジャズが好きだというのは意外だったな?
 Fred は今週パリでライブをやるとのこと。彼もいろいろなセッションを重ねている様子。早速誘われたので、もしかしたらパリでもう一度会えるかも知れない。

 マルセイユでの4日半は瞬く間に終了。楽しい話をたくさんし、美味しいものをたっぷり食べ、数々の幸運にも恵まれた毎日だった。バリ Bali とパリ Paris は、戻ってくる度にホッとした落ち着いた気分になるのだが、マルセイユもそれと似た感覚になってきた。近いうちにまた来られるといいな、、、。

 明日からパリです。
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# by desertjazz | 2009-03-29 18:00

このブログはひとまず終了いたします。
これまでありがとうございました。

D
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# by desertjazz | 2009-03-01 17:00

賀 春

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 謹賀新年。
 どうか良い年になりますように。
 今年もよろしくお願いいたします。

 D
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# by desertjazz | 2009-01-01 00:00

 2008年に記憶に残った10枚。一生ものとなりそうな傑作たる最初の3作を除くと、あとは今年のベストというよりも個人的に印象深かったもの。なので、順位づけにはさほど意味はない。

1. Abida Parveen / "Ghalib" (Pakistan)
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 第2位のカウシキと並んで年初来から変わらずのワンツー・フィニッシュ。どちらが1位か一年を通して迷い続けた。女ヌスラットと称されるように、これまでは激情ほとばしるカッワーリの歌い手という姿ばかりが先行していた。しかし、ここでの音楽は極めて暖かく、極めて静謐なもの。耳を傾けていると、どんどん心が穏やかになっていくような音楽だ。
 毎年海外で面白い音楽を見つけて紹介してきたが(ヒュー・トレイシー・シリーズ、イダン・レイチェル、復活したファタイ・ローリング・ダラー、レッガーダ、などなど)、残念ながら今年は例年のような新たな発見をできなかった。インドのコルカタでこのCDを見つけて帰り日本に紹介できたのが、ささやかな成果だったか。いや、それ以上に、自分にとっては幸せな出会いだった。

2. "Kaushiki" (India)
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 そのコルカタ在住の新進歌手による大傑作。2007年発表の3枚組をエル・スールのH店主の勧めで購入したもの。完璧なテクニックと完全なる表現力とが両立している恐ろしい作品。特に1枚目。異境から響いてくるような柔らかで細やかなヴォイスに触れる度に心が震える。
 今年は遂にインド声楽に開眼し、春先にかけて、30〜50年代のリイシュー盤をコルカタとエル・スールで片っ端から買い漁った。これらも今後も繰り返し愛でるように聴き続けることだろう。
 本業の方ではインドの映画監督たちとのプロジェクトが続いている。インドの現状にも大いに関心がある。なのに、いくら誘われてもインド旅行には興味が湧かない。だけど、コルカタでのカウシキのコンサートはちょっと観てみたい。

3. Rouda / "Musique des Lettres" (France)
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 彼の 'Donnez-moi ma Chance' を今年のベスト・ソングに選んだが、他にも捨て曲なしのデビュー・アルバム。この曲のクリップ(これも優れている)などを観て、スラムのライブにも行きたくなった。

4. Baaba Maal / "On The Road" (Senegal)
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 この選と合わせてアフリカ音楽のベスト10も選んでみたのだが、アフリカの新譜に関して言えば今年はまずまずの豊作年。そんな中、アフリカものの第1位はバーバ・マールのこのアコースティック・ギターの弾き語り作で決まり。バーバ・マールはアコースティックに尽きると思い続けているし、またこうした穏やかな音楽が今年の自分の気分に合っていたということもある。それと同時に、この結果はアフリカものに突き抜けた新作がなかったことの反映でもあるように捉えている。
 (このアルバム、現時点ではダウンロード販売しかなされておらず、私が買ったのはセネガル産のブートCD-Rのようだ。)

5. Moussu T e Lei Jovents / "Home Sweet Home" (France)
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 マルセイユ、と言うより、ラ・シオタの愛される男たちのユニットの3作目。ファーストやセカンドと同様の路線を踏襲した内容で聴き飽きない。それらと比べるとやや物足りないものの、これだけ早いペースで新作を届けてくれることは嬉しい限りだ。とにかく「好き」としか言えない音楽。
 今年はフランスには行けず、タトゥーたちにも会えなかったことが残念。

6. Randy Newman / "Harps and Angels" (USA)
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 これも、とにかく「好き」としか言えない音楽。彼の最高傑作ではないけれど、代表作にはなりうるだろう。
 今年はなぜかロックやジャズに個人的には収穫が少なかった。

7. Kuniyuki Takahashi / "All These Things" (Japan)
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 chari chari(井上薫)のフォロアー的資質を感じさせる札幌在住のアーティストによる2作目。傑出した音楽ではなく、人によっては単なるフュージョンにしか聞こえないのかも知れない。実際、独りよがりでダサくなるなるギリギリ一歩手前で踏みとどまっている危うさも感じる。それでもかなり気に入って、今年のヘビー・ローテーション盤の一枚になった。札幌で観たライブもとても好感の持てるもので、オーディエンスからの反応も良かった。それだけに全く話題にならなかったのが不思議だ。

8. Sakaki Mango & Limba Train Sound System / "Limba Rock" (Japan)
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 世界のサカキマンゴーの2作目。送ってくれたサンプル盤を聴いて批判的なことを書いたし、いまだにちょっと苦手にしている曲もあるものの、今年最も気分良く聴いたアルバムのひとつであることには変わりない。ロックした時の彼はこのアルバムよりも数倍パワフルだったし、MCの巧みさも天才的。彼の多方面にわたる活躍も眩しかった。

9. 『アイヌ・北方民族の芸能』(Japan)
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 今年は人間にとって音楽する(歌う/奏でる/聴く)意味についてますます問い続ける一年だった。そんな折に出会ったのが、1953〜76年の録音を復刻したこの3枚組。生きるという行為の過程で研ぎすまされていった音楽がダイレクトに響いてくる。それはピグミーのポリフォニーにも通じるミニマルかつ幻惑的世界。その圧倒的な魅力にただただひれ伏すのみ。

10. Jupiter Bokondji & Various Artists / "Jupiter's Dance" (Congo) (DVD)
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 キンシャサのストリートで新たな音楽が生み出されていることを捉えたドキュメント。音楽的にはかなり稚拙なところがあるので、この作品をもう一度観直すことは恐らくないだろう。しかし、同じコンゴのコンゴトロニクスや、ナイジェリアに行って知ったカラバリ・ミュージックとの同質性が直に伝わってきた。上記のアイヌの録音群と同様に、人間が音楽する意味を記録したものでもあると思う。半世紀昔にヒュー・トレイシーがコンゴで未知の音楽と邂逅した情景も連想させられた。

 ♪

 今年はレコード(CD)の購入枚数が例年の半分以下になり、聴いた量もピークと比べたらおよそ10分の1程度だったのではないだろうか。なので、この10枚は音楽シーンを客観視して純然たる今年のベスト・アルバムを選出したものではなく、例年以上にパーソナルな結果となっている。
 音楽をあまり聴かなくなったのには、猛烈に忙しくなったこと、音楽を聴くことよりも読書を優先させたこと、音楽の本質について思案するうちに自分が音楽に対して求めるものが自身の中で変質してしまったこと、さらには多くの方が指摘する通り今年のワールドミュージックが全般的に不作だったことが、その理由として考えられる。恐らくこれら全てが絡み合っており、さらには海外を旅することで新たな刺激を得る機会が激減したことも影響していることだろう。
 こうした状態の下、無理して新作をフォローする必要を感じなくなり、そうした時間を昔から愛聴してきた作品ために傾けるようになった。つまりは出来のあまりよくない新作を聴くために自分が最も愛する音楽を聴く時間が奪われていることに耐えられなくなったのだ。さらには、ここ数年進めている「生活のダウンサイジング」という自身のテーマとも密接に繋がりながら、音楽受容の形がどんどん変化していった一年だった。(このことについては、改めて綴ってみたい。)
 限られた時間の中で、自分にとって本当に上質な音楽ばかりに耳を向ける日々。そのため、上のリストに掲げた10枚はだれにでも推薦できる音楽とは言い切れないし、自分自身見逃してしまってリストから漏れてしまった作品も多いことだろう。しかし、こうした音楽とのつきあい方をしたおかげで、今年の音楽生活はとても豊かなものとなったと感じている。

(※ 時間切れにつき、以降、追記&修正の予定。<アフリカ音楽のベスト>などの各部門は FB/DJ のサイト内にて発表中。)
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# by desertjazz | 2008-12-31 12:04

今年の3冊 - Best Books 2008

『日本語が亡びるとき 〜英語の世紀の中で〜』(水村未苗、筑摩書房)

 内容の衝撃度や問題性は数々論評されている通り。個人的には説得力を感じており、著者の推測にも可能性を認める。このところ美味い和食をいただく度に日本に生まれた幸せを噛み締めているのだが、この本を読んで、極めて特殊な言語である日本語を操るという体験をして日々過ごしていることにも、感謝する気持ちが膨らんだ。文章の驚くほどの読みやすさにも関心させられた。

『コンゴ・ジャーニー』(レイモンド・オハンロン、新潮社)

 アフリカの奥地を訪ね歩くことなど数え切れない理由から無理なので、この突拍子もない不思議な旅行記をただただ羨ましく読む。知人の田中真知さんの『孤独な鳥はやさしくうたう』(旅行人)にも旅心がくすぐられた。

『アフリカの印象』(レーモン・ルーセル、平凡社)

 作品としての着地点も読んで得るものも何らない奇想天外な書。冒頭そうした特殊性を突き破れず、昨年出版後からしばらくは寝かしたままだったが、中盤からは面白くて病み付きに。『ロクス・ソルス』も続けて読破してしまった。その『ロクス・ソルス』に着想を得た映画 "The Pianotuner of Earthquake" が登場したシンクロニシティーには驚いた。
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 小説を読み出すと他のことに費やす時間がなくなるので、長年「小説は読まない」ようにしてきた。しかし、一度読み出すと止まらなくなり、今年はカズオ・イシグロ、オルハン・パムク、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ、スコット・フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァーなどを立て続けに読み漁ることになった。音楽を聴く時間が激減したのには、このことも大いに影響している。来年は時間があれば、谷崎潤一郎、夏目漱石、さらにはチママンダ・ンゴジ・アディチェあたりまで再読したいと思う。



d0010432_2351081.jpg(余談)

 大晦日の午後、たまたま押し入れを漁っていたら、『コンゴ・ジャーニー』の原書がやっぱり出て来た。以前探したときには見つからなかったのに。自宅の蔵書の整理も必要だと改めて反省。
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# by desertjazz | 2008-12-31 12:03

Youssou N'Dour

 久し振りに部屋の片付けをしていたら、Youssou N'Dour のDVDでまだ観ていないものが、またぞろぞろ出て来た。それらのうちの2枚を観てみた。

d0010432_23394993.jpg "Live at Montreux 1989" (2005)

 Youssou 黄金期のひとつに当たる90年前後の貴重なライブながら、実はまだ買ったままだった。Orchestra Baobab 解散直後の Thierno Koite が大々的にフィーチャーされていることなど、感想を書いておこうと思ったのだが、それより気になることがあったので、まずその点を指摘しておく。裏ジャケにはボーナス・トラックとして95年の映像が5トラック収録されているとクレジットされているものの、どうしても再生できない。トップ・メニューにそうしたクレジットが出て来ないのだから、お手上げ。もしかしたら制作上のミスなのではないだろうか。これをお持ちの方、ちゃんと再生できています? 情報をお待ちしています。

d0010432_021350.jpg "4.4.44" (2004)

 2004年4月4日のセネガル独立44周年を記念して制作されたコンピレーション・アルバム6曲のビデオ・クリップ集。Youssou 参加曲は3つ(Tity の 'Damay Latche' も Youssou の曲のリメイクながら、タイトルが浮かばない)。相変わらずチープなビデオ作品ばかりだが、他のものよりはまだましかな?
 こうしたちょっと観るに耐えなかったり気恥ずかしくなったりするビデオを、彼がなぜわざわざ制作するのかは、かねてからの疑問だった。Jololi を始めとする複合企業体とその非雇用者の生活を維持するための資金作りかとも推測してきた。しかし、こうした安っぽいというか、ほのぼのしたアイテムを作るというのは、もしかしたら彼の庶民性の証拠で、セネガルの人々もこうしたものを自然に楽しんでいるのかも知れない。El Anka の大衆性について書いたり、ダカールのタクシーに乗るといつもFMラジオから Youssou の曲ばかり流れていたことを思い出し、ふとそのようなことを思った。

 それに関したことを補足すれば、Grand Bal ライブ・ビデオのオープニングは毎度正に爆笑ものである。03年はCDやDVDのジャケに映っているでかいカバンを本当に引きずって登場する。それも会場の最後方から現れるものだから、大混雑を巻き起こし、肝心のステージがなかなか始まらない。その翌年(だったかな?)はさらに下らない。ダカールからボートをこいで出発するものの、すぐに諦めて泳ぎ出す。カットが変わって、そこはパリのセーヌ川。岸に上がった Youssou が安堵した表情でベルシー体育館のステージに向かうというもの。そんなのって、ダウンタウン並みの下らなさだろう。どうやら今年春の Grand Bal では宙づりパフォーマンスも飛び出したらしいので、どのようなDVDがリリースされる(されている)のか、ちょっと楽しみだ。

d0010432_026272.jpg と、"4.4.44" を横目でみながら、これを綴っていたら、衝撃の結末が?? 最後に広告ビデオが収められているのだが、そのうちの1本は "Kine Lam / 8 eme Anniversaire a Sorano" (キネ・ラムのソラーノ劇場公演8周年ビデオ?)で、Viviane らと一緒に Youssou がパフォーマンス。これが結構いい。続いて紹介されるのは、"Fatou Guewel en Live au Thiossane"(ファトゥ・グウェルのチョサン・ライブ)。こちらも Youssou が歌いまくっている。うーん、こんなものまで探さなくてはならないのか。疲れる。

 試しに Youssou のDVDの枚数を数えてみたら、20枚以上あった。ということは VHS盤やLD盤まで含めると、40タイトルは超えることだろう。これだけ映像作品を残しているアーティストって、それほどいないような気がする。もしかすると、ワールド・ミュージック系では最多か。これはある意味で彼の大衆性を表す、またひとつの証拠のなのかもしれない。

 ともかく、また今度パリかダカールを訪れたときに、他にどんな映像作品があるのかしっかり探してくることにしよう。(・・・だけど、これだけあると、やっぱり疲れるなぁ。)
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# by desertjazz | 2008-11-01 23:26

Kolkata, India 2008 - ii -

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# by desertjazz | 2008-02-24 02:21

India 2008.02.13-02.21

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 自分とは無縁で一生行くことはないだろうと考えていたインドに、ひょんなことから短期滞在することになり、一昨日帰国した。コルカタ(カルカッタ)にある国立の映画研究所に、ある提案をしたところ、そこで開催されるドキュメンタリー映画制作に関するミーティングに招待され、シアター上映のプレゼンターめいたことや個別に開かれたワークショップのレクチャーを任されたのだ。

 その初インド、初体験のトラブル続きの旅にもなった。それは出発前からだったのだが、インドに到着してからも、まず預けた荷物が届かない。トランジットしたバンコクで積み残されたらしい。そのため、コルカタ初日はそのピックアップだけでつぶれてしまった。宿泊先から空港まで片道1時間かかるし、空港に入るには何人もの責任者のサインが必要だし(おまけに入場料まで取られる!)、荷物の受け取りにもまたまたサイン攻め。両替するのにもパスポートのコピーが必要だったりしたのだが、インドってこんなに事務処理の好きな国なんだ、とひとつ発見。

 自分の英語力には自信がないし、インド人の英語も聞き取りにくいと考え、あらかじめ通訳の手配を依頼していた。しかし、その通訳、日本語は出来るが、何と英語が出来ないことが当日になって発覚。即クビ。結局何とか自分の英語力で乗り切る苦労を強いられることになった、などなど、まあいろいろあったのだが、ここで仕事の中味を紹介しても意味がないので、割愛。若手の映画制作者たちとのディスカッションは刺激的だったとだけ書いておく。

 と言っても仕事漬けの毎日だったので、観光する時間はほぼ皆無。多分、旧跡や観光名所も多いのだろうけれど、残念ながら全く知ることはなかった。いや、インドに限らず正直そうしたものに対する興味は元々なく、「どこに行きたい」と尋ねられたので、「時間があれば、普通のストリートや庶民の暮らしが見たい」と答えたのだけれど、そうした時間もなかった。なので、先にアップした写真は、メシへの道行きで拾ったスナップなど。きっとカメラ片手にぶらぶら歩き回ったら面白い街なんだろうなとも思った。実際、ちょっとだけ立ち寄れたカレッジ・ストリートには興味を惹かれた。

 それでも、帰国日、空港に向かう前にミュージック・ショップに寄って、頼まれていたDVDなどを一気買い。インド音楽や映画にはさほど興味は持っていないと言いつつ、結局、映画監督たちからもらったDVDなどと合わせて段ボール一箱分になった。それらのうちで気に入ったものは、改めて紹介したい。
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P.S.)

 今回触れ合った人々はみな優しく、こんなに穏やかな気持ちで海外を旅したのも多分初めてだと思う。また、クラクションの喧しさと、空気の悪さに、ある意味でインド(コルカタ)の底知れぬエネルギーを感じた。しかし、数時間車に乗っただけで、鼻の中が真っ黒になるのには参った。

 そういえば、地元の人が「ポリューションが問題だ」としきりに語りかけてきた。たしかに「人口問題は悩ましいよな」と考えてから、ややしばらくして「ポピュレーション」じゃなく「ポリューション」かと気がついた。こんな英単語を耳にしたのは何十年ぶりだろう。
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# by desertjazz | 2008-02-23 13:22

Kolkata, India 2008 - i -

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# by desertjazz | 2008-02-21 22:59

DJ
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