4000冊を超える蔵書(そのうち 2000冊が音楽書/音楽誌)や 10000枚を超えるレコードと CD の置き場所も無くなったので、今年はそれらを少しずつ処分している。譲渡したり、買取に出したり、ゴミとして廃棄したり。そうした作業の一部を Facebook に時々綴っていて、この記事はそこから引用。



 アフリカ音楽のレコードを整理していて、ジャケット違いの多さに気がついた。それらのいくつかをピックアップしてみた。

 アフリカ音楽を聴き始めた頃はまだ知識が乏しく、目についたレコードを片っ端から買っていたので、ジャケが違っていても内容が一緒であることに気がつかないことが多かった。その一方、セネガルなどで買ったコンディションの悪いレア盤を後日別ジャケット盤を見つけて買ったり、レアなシールド盤のシュリンクを開ける気がしなくて買い直したものもある。それと、探究しているアーティストに関する資料として純粋に買ったものもあれこれ。

 それでも、今頃になって同じレコードであると知ったものが多い。ジャケを変えたことに騙され続けたようだ。正直ここまでデザインが異なると、店頭で判別するのが難しい。こうしたレコードは、再発あるいは別レーベルから発売する時にジャケットを変更するルールみたいなものがあるのだろうか?


Star Band de Dakar " "Le Miami" Bar Dancing" (Ibrahim Kassé Production IK 3020)
Star Band de Dakar "Star Band de Dakar" (Star/Soumbouya Music IK 3020)

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Star Band de Dakar "Vol.2" (Ibrahim Kassé Production IK 3021)
Star Band de Dakar "Vol.2" (Star/Soumbouya Music IK 3021)

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Orchestre Laye Thiam "Orchestre Laye Thiam" (Ibrahim Kassé Production IK 3024)
Star Band de Dakar "Vol.5 Orchestre Laye Thiam" (Soumbouya Music IK 3024)

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Orchestre Cheikh Tall et Idrissa Diope "Orchestre Cheikh Tall et Idrissa Diope" (Ibrahim Kassé ProductionIK 3025)
Star Band de Dakar "Vol.6" (Sonafric SAF 3025)

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Star Band de Dakar "Vol.10" (Soumbouya Music IK 3029)
Star Band de Dakar "Vol.10" (Sonafric SAF 3029)

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Etoile de Dakar "Vol.1 Xalis" (M.Diaw DA 001)
Etoile de Dakar "Xalis" (Disques M.A.G MAG 119)

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Etoile International de Dakar "Absa Gueye" (Salsa Musique DARL-002)
Etoile de Dakar "Absa Gueye" (African Music PAM 02)

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Orchestre Baobab Gouye-Gui de Dakar "SI Bou Odja" (Jambaar JM 5004)
Baobab-Gouye-Gui "Sibiu Odia (Marathon) Ca Va Chauffer" (Ibrahima Sylla MINI-B-S-15155-01)

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Ifang Bondi "Saraba" (Disques Griot GR 7603)
Ifang Bondi "Saraba" (Disques M.A.G MAG 107)

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I.K.Dairo (M.B.E.) and His Blue Spot Band "Ashiko Music" (Star SRP. 3)
I.K.Dairo M.B.E. and His Blue Spot Band "Ashiko Music" (Deco 258.076)

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Saka Acquaye and his African Ensemble from Ghana "Gold Coast Saturday" (Elektra EKL 167)
Saka Acquaye and his African Ensemble from Ghana "Voices High-Life and Other Popular Music" (Nonesuch H-72026)

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S.E. Rogie "The 60's Sounds of S.E.Rogie Vol.1" (Rogiphone R2)
S.E. Rogie "Palm Wine Guitar Music - The 60's Sound" (Cooking Vinyl Cook 010)

*これは再発時にトラックを追加している。

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"The African Ballet of Keita Fodeba" (Vogue VA 160115)
"Les Bllets Africains de Keita Fodeba" (Coral CRL57280)
"Les Bllets Africains de Keita Fodeba Vol.1" (Vogue CLVLX 297)

*Keita Fodeba のレコードは多いので、流石にこれら3枚が一緒だとは気がつかなかった。

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"Musique d'Afrique Occidentale" (Vogue LDM 30.116)
"Africa - Music of the Malinké and Baulé" (Counterpoint CPT-529)

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"Ekonda - Tribal Music of the Belgian Congo" (Riverside RLP 4006)
"Ekonda - Tribal Music of the Belgian Congo" (Washington Records WLP 709)

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Samba Mapangala & Orchestre Virunga "It's Disco Time With" (ASL ASLP 927)
Samba Mapangala et son Orchestre Virunga "Samba Mapangala" (Afro Rhythm AR 0986)

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Dudu Pukwana & Spear "In the Township" (Caroline C1504)
Dudu Pukwana "In the Township" (Earthworks EEWV 5)

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"Valiha Madagascar" (Ocora OCR 18)
"Valiha Madagascar" (Ocora OCR 18)

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# by desertjazz | 2023-12-09 21:00 | 音 - Music

 自分はオーディオマニアでないこともあって、特別リフェレンス音源というものを決めていない。それでも好きな音楽を気持ちよく聴けたらいいなと思って、オーディオショップで試聴する時には、録音が良くて内容的にも好きな CD やレコードを持って行くようにしている。

 以前から、あるいは最近、店や自宅での試聴に選んだのは、例えばこんなディスクたち。


 まず CD は、

 ・Joni Mitchell "Hejira" (USA, 1976)
 ・Simmy "Tugela Fairy" (South Africa, 2018)
 ・Cassandra Wilson "Traveling Miles" (USA, 1999)
 ・Siti Muharam "Romance Revolution" (Tanzania/Zanzibar, 2020)
 ・Bugge Wesseltoft "New Conception of Jazz - Live" (Norway, 2003)
 ・Bugge Wesseltoft "Songs" (Norway, 2011)
 ・Caetano Veloso "Livro" (Brazil, 1997)
 ・Tony Allen "The Source" (Nigeria, 2017)
 ・"Sahib Shihab and the Danish Radio Jazz Group" (Denmark, 1965)
 ・Yoshihiro Hanno "Lido" (Japan, 2003)
 ・Taylor Swift "Red - Talylor's Version" (USA, 2021)
 ・Youssou N'Dour "Nothing's In Vain" (Senegal, 2002)

 これらの中で試聴に一番使うのは Caetano Veroso "Livro" の 10曲目 "Nao Enche"。Youssou N'Dour は世評ほど録音が優れていると感じたことはないけれど、日本盤のライナーノートを書いたので聴いた回数が特別多く、録音状態についてもよく分かっているつもりなので。Taylor Swift は "All Too Well (10 Minute Version)" をたまたまネットで耳にしてヴォーカルの録り方が上手いと感じ興味を持って買ったもの(なので、いまだにその1曲しか聴いていない)。彼女の近作数枚のクレジットを見ると、ヴォーカル専門の録音エンジニアも加わっているのですね。

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 次にアナログ盤は、

 ・Baaba Maal & Mansour Seck "Dam Leelii" (Senegal, 1989)
 ・Joni Mitchell "Hejira" (USA, 1976)
 ・Tigran Hamasyan "They Say Nothing Stays the Same" (Armenia, 2019)
 ・Miles Davis "Kind of Blue" (USA, 1959)
 ・"Cannoball Adderley Quintet in Chicago" (USA, 1959)
 ・Don Rendell - Ian Carr Quintet "Shades of Blue" (UK, 1965)
 ・Siti Muharam "Romance Revolution" (Tanzania/Zanzibar, 2020)

 Tigran Hamasyan の映画『ある船頭の話』のサントラ盤は素晴らしい。もう入手不可なので買っておいてよかった。"Kind of Blue" は高品質盤も数種類持っているが、大昔に買ったアメリカ盤の音が気に入っている。

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 こうしてリストアップしてみると、高録音盤というより、自分の愛聴盤が並んだものになっているなぁ。



 Octave V80SE はパーカッションの再生能力が絶大だと感じている。例えば Khaliq Al-Rouf & Salaam "The Elephant Trot Dance" の1曲目でハイハットが入る瞬間や、Abida Parveen "Hazrat Sultanul Arafin Haq Bahu Rematullah" の1曲目のタブラの音には思わずのけぞってしまった。


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 オーディオのグレードを上げると、オーケストレーションもとても気持ちよく響く。例えば、

 ・Joni Mitchell "Travelogue" (USA, 2002)
 ・Frank Zappa - Ensemble Modern "The Yellow Shark" (USA, 1993)

 Zappa の "The Yellow Shark" は、冒頭の拍手だけをよく試聴用に使ったりなどもしている。

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# by desertjazz | 2023-11-20 16:00 | 音 - Music



 思い焦がれていた Octave V80SE をとうとう買ってしまった。ドイツ製のこのアンプ、恐ろしいほどに音がいい!

 今から20年近く昔のこと、当時はまだ秋葉原にあった Soundcreate で Octave のプリアンプ HP-300 をたまたま試聴する機会があった。その音を聴いて、真空管を使ったアンプでロックがこんなに綺麗に楽しく鳴るのかと驚いた。しかし簡単に手が出せるような値段ではない。当時の価格は ¥720000 だっただろうか。それでもこの時以来、いつかは Octave をと思い続けるようになった。

 Octave は 2016年にプリメインアンプのフラッグシップモデル V80 を V80SE にヴァージョンアップ。音も聴かずにこれに惚れてしまった。ハイエンドオーディオショップでも音楽雑誌でも軒並み大絶賛だったこともあるが(キックバックあるのかと穿ったほど)、新たに導入した真空管 KT-150 の可愛らしい卵型フォルムが単純に気に入ってしまったのだ。

 2021年7月に自宅のアンプを更新する時に、V80SE も候補に挙げたものの、あまりに高くて諦めた(その後も、世界的な材料不足と円安の影響を受けて値上げを繰り返し、現在は発売開始時より 80万円以上高くなって、ちょっとした自動車並みの価格)。結局、予算を考慮して選んだのは Luxman L-507uXII だったのだが、このアンプはとても良い。アンプのグレードを上げるだけで、これだけ音が激変/向上するのかと感動した。しかも購入して2年が経ち今だに日々音が良くなっていく(購入店では本当に良くなるのは3年後だと言われた)。なので現状に全く不満はないのだが、あえて言えば音が綺麗すぎる。なので、ハードなロックやジャズだと力強さが足りない印象だ。L-507uXII に買い替えて、アンプで音が格段に良くなることを知ってしまい、アンプのグレードをさらに上げるとどうなるかという興味も膨らんでいた。

 そんな最中、毎日チェックしている Soundcreate のサイトに V80SE の中古情報が。それもかなり格安の値段で(瞬間ウソ?と思ったほど)。評判が良いからだろうか、V80SE の中古は滅多に出ないし、出ても高い。そこですぐにメールで問い合わせ。このアンプ、何と買ってから3年少々で、しかもあまり使っていないために超美品だという(どうしてこれほど価格を下げられたかの理由も興味深かった)。MC Phono 内蔵なのも理想的。そこで、ギリギリ出せる値段だったので、思い切って買ってしまった。オプションの強化電源 Black Box の中古も入荷しており、こちらもかなり安くして下さったので、合わせて購入した。

 真空管アンプを購入するに際して、懸念していたことがある。それは出力管 KT-150 などがロシア製であること。だが確認すると KT-150 などは今でもある程度流通しているようだった。Triode のように KT-150 を使った新製品を出すくらいだから、まず大丈夫だろうと判断した。いずれにしても、予備の真空管を買っておこうと思う。


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 その V80SE/MC Phono + Black Box が、先日14日に自宅に到着。中古品なので宅配便で送られてくるのかと思ったら、お店の方が自らお持ち下さり、据付と結線を行い、B&W 805D4 での試聴まで2時間お付き合い下さった。その間、いろいろ有益なアドバイスをいただいた。

 そしてここ数日試聴を続けているのだが、L-507uXII より数段格上の音。そして音のカラーもかなり違う。まず音の立ち上がりが非常に速い。キックもスネアもベースもハイハットも、ズシッ、パシッとインパルスの鋭い音なのだ。また重心の下がった力強さも大きな魅力である。それでいて高域もしっかり出ている。ハイハットの響きからは L-507uXII より高域が伸びているように感じる。綺麗さで言っても L-507uXII 以上だ。Luxman の綺麗さが柔らかく美しいものなのに対して、Octave はよりクリアな綺麗さ。クリアすぎるくらいなので、Luxman の柔らかく細やかに伸びる余韻はないかもしれない。それでも自分の耳が数十歳若返ったのではないかと錯覚するほどだ。

 実は V80SE は何度か店頭で試聴したことがあったのだけれど、その時には良さが分からなかった(オーディオは自宅の環境で聴かなければ判断がつかないと思っており、実際毎度ほとんど試聴せずに買っている)。また L-507uXII の上品な音を聴いた後では、これ以上のクオリティーの音も想像できなかった。だが、これだけ音が良くなるとは衝撃的。しばらくは2台のアンプを聴き比べるつもりでいたのだけれど、その必要はないだろう。もう Octave からは戻れない。

 V80SE の内蔵 Phono EQ も素晴らしい。普段使っている Trigon Vanguard II から繋ぎ換えてみたら、数秒聴いただけではるかに良いと判断できた。40年以上前に買ったレコードや数百回聴いたレコードも新鮮な音に聴こえる。V80SE 恐るべし。

 さらに驚いたのは、Soundcreate さんが試聴用に持ってきて下さった SAEC のラインケーブルに繋ぎかえた時の音。B&W 805D4 はウーファーが小さいので低音はそれほど出ないのだろうと考えていた。だが、SAEC にすると低音がたっぷり、しっかり鳴る。まるでサブウーファーを使っているかのような鳴り方だ(これは CD 再生した時で、アナログの時には流石にそこまでの低音は出ない)。

 V80SEは性能が高い分、ダイナミックレンジが広くなったように感じる。ただ、アンプもスピーカーも高域が伸びているだけに、その両者がバッティングするのか、時々ざらついて聴こえたり、「シ音」をキツく感じたりすることもある。とにかく CD とアナログレコードの何を聴いても、元々はこうした音だったのかという発見があって今まで聴いてきた音は何だとかと考えてしまう。ただし、スワヴェク・ヤスクウケ Sławek Jaskułke やティグラン・ハマシャン Tigran Hamasyan のピアノ・ソロのような幽幻なサウンドには L-507uXII の方が向いているようにも思う。

 連続出力 120W x 2/最大出力 150W x 2 というのは、一般家庭で聴くには大きすぎではないかと懸念していた。実際ボリュームが9時でもうるさいくらいで、ヌルポイントから1メモリ強上げたレベルで聴くことがほとんだ。しかし、小さな音で鳴らしても、重心の太さ、アッタクの速さ、全体的な力強さは変わらず、このアンプの利点を十分に感じられた。深夜にボリュームを絞って聴いても、ベースがくっきり浮き立って聴こえるのは快感である。

 Octave V80SE と B&W 804D5 というのは、現在、世界最高のプリメインアンプと世界最高のブックシェルフスピーカーの組み合わせのひとつだろう。なので、自宅のアンプとスピーカーに関しては、これでひとまず「上がり」だろう。その一方、これらとのバランスを考えると、再生機(アナログ、CD、ファイル/ストリーミング)のグレードも同等のものに上げたくなる。レコード再生時にはヴォーカルなどの中高域が幾分痩せているように感じられ、また高域が若干ギスギスして聴こえることが気になっているのだが、これはアンプよりもアナログプレイヤー側に起因しているのかもしれない。ターンテーブルのグレードを上げれば改善するのだろうか? さてどうするか、現在、思案・検討しながら相談中。


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 その前に、オーディオに興味のある友人たちを招いて、一緒にいろいろ試聴してみたい。Octave のアンプが音声信号に何か色付けしているような印象も受けるのだが、これだけの音を聴かせられると、これまで持っていた音楽/音への概念が覆された思いを抱く。ホント何を聴いても、まるで目の前で生演奏を聴いているように生々しい。こんな音体験を友人たちと共有したい!



 自分の今の年齢を考えると、これからは耳が衰える一方だろう。自分より若い 40代 50代のかつての仕事仲間たちが毎年のように亡くなっていき、自分もあと何年生きているのかと考えてしまう。そして、円の価値が急速に失われていき、日本の未来にも希望が持てない。最近相談させていただいたオーディオの専門家には「メンテも含めて考えると、オーディオは車よりも安いでしょ」と言われ、確かにそうだと思ったりも。例えば、生涯にレコードを1万枚買ったとして、費用は2000万円ほど。その1割〜2割程度をオーディオに費やすことで、それらの音楽を良い音で楽しめ、そして音楽観までもが変わるのだ。そうしたことを重ねて考えると、手持ちの資金は意味あることに積極的に使っていこうという気になった。これはそんな自分のための退職祝い&クリスマスプレゼントとなった。


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# by desertjazz | 2023-11-19 19:00 | 音 - Music

Star Band de Dakar - 余談

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 今年は自宅に約2000冊ある音楽書を少しでも減らそうと考えて整理を進めている。先日、イギリスの音楽雑誌 "Songlines" を処分するかどうか思案しながら、2001年の No.12 のンバラ特集のページをめくっている時、この写真が目に留まった。Star Band de Dakar が本拠としていたクラブ Le Miami(ミアミ)だ。これはいつの写真?

 疑問に思って Google Maps に 'Le Miami' と入力すると、Dakar の地図上にそれはあった。それも Ibra Kassé の時と同じ住所だ(Av. Malick Sy x Rue 16)。

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 ネットにはクラブ内部の動画もアップされている。ということは Le Miami は今も営業し続けているようだ。ビックリ!


(次の年末年始、エチオピア航空を使って、ダカールとアジスアベバに3〜4週間ほど滞在することを検討していた。TYO - DKK - ADD - TYO のフライトが約27万円なので、例えばエールフランス航空を使ってダカールまで往復するより安い。しかし、そのプランはひとまず見送って、別の場所で年越しすることに決めた。久しぶりにダカールに行きたいのだけれど、それは来年以降だな。)







# by desertjazz | 2023-10-22 19:00 | 音 - Africa

Star Band 研究(12)

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◆Star Band de Dakar、Super Star de Dakar、Orchestra Baobab などに通底する音楽性

 これまで Star Band の時代的な変遷を中心に書いてきた。それぞれの曲の分析などを合わせてできれば良かったとも思うが、復刻が進んでいない音源ばかりなので、そこまでするまでの意味はないのかもしれない。その代わり、Star Band とそこから派生したバンドの音源を聴いて浮かんできた雑感を、最後に少々綴ってみたい(それらには以前から語られてきたことも多いが)。

(* Ibrahim Kassé が制作したレコードは、マスターテープが存在しないらしく、元々の録音が良くない上にコンディションの良いレコードも少ない。そのために復刻が実現しないらしい。それでもありがたいことに、YouTube などで聴ける録音も多い。)


◇多国籍性

 Star Band や Orchestra Baobab には、セネガルは勿論のこと、他にも隣国ガンビア、ナイジェリア、トーゴ、リベリア、マリ、ギニア、カーボベルデなど、様々な国出身のミュージシャンが集まっていた。そのことにより、フランス語圏の音楽と英語圏の音楽などが自然と溶け合っていった。タイプの異なる音楽が結びつく効果は大きく、例えばナイジェリア出身の Dexter Johnson の存在は、ハイライフやカリプソ的な要素をセネガルのバンドにもたらすことになったのだろう。

◇多民族性

 西アフリカの様々な国のミュージシャンが集まったことは、出身民族が多彩なことでもある。それはセネガル一国に限っても言えることで、セネガル各地の異なる民族のミュージシャンたちがひとつのバンドに在籍することとなった。そして彼らはそれぞれの出自の音楽要素をバンドにもたらすようになった。
 中で大きく作用したのはウォロフのもので、タマ(トーキング・ドラム)やサバールなどのタイコ類の音、ウォロフ語の歌詞などは、Star Band らのサウンドを特徴付け、アフロキューバンとは性格の異なる音楽を産み出した。粘っこく感じられるウォロフ語の歌には独特な魅力があるし、Orchestra Baobab の楽曲でティンバレスやコンガにタマが重なった時の破壊力は圧倒的だ。

◇コスモポリタニズム

 彼らの音楽は元来ソンなどのアフロキューバンを基礎とする。そこに、輸入レコードを聴くことで英米やフランスのポップス(ロック、ソウルなど)からの影響が重なり、さらにアフリカ諸民族の要素も染み込んでいった。ある時期まではレコードの盤面に son、cha-cha、bolero、boogaloo、pachanga といったように音楽形式が明示されていて、彼らはアフロキューバンのカバーを演奏している意識が強かったことを窺わせる。それが、アフロキューバン以外にも様々な外来の音楽を受容・吸収しながら、さらにはアフリカ的要素も加わって、音楽スタイルの拡張が図られていく様子が興味深い。

◇多声性(重なり合う声)

 Star Band も Baobab も常に数多く(3〜5人程度)のヴォーカリストを擁したことが音楽的豊かさをもたらした。曲ごとにリードヴォーカルが入れ替わり、またひとつの曲の中で2人のヴォーカルがユニゾンしたり歌い交わしたりもして、とても艶やかだ。ヴォーカリストが多いことは、バッキング・コーラスにも厚みが生み出す。さらには、出自の異なるヴォーカリストが集うことで、個性的な個々人の声の質を楽しめるだけでなく、使用言語の違いもあって節回しが変化するところにも面白さを感じる。

◇サックスとギターの効果(脱アフロキューバン)

 サックスが従来のアフロキューバンとの違いをもたらした。本家のアフロキューバンの鋭角なサウンドに対して、セネガルには、ゆったりとしていて柔らかく芳醇な印象のものが多い。そこには滋味豊かなムードを感じさせるサックスの作用が大きい。
 またギターのサウンドもアフロキューバン音楽を変化させ、セネガルの音楽に革新をもたらした。ワウワウを多用する Yakhya Fall の演奏は、Number One にロック的な力強さをもたらした。また Baobab のツインギターはバンドのサウンドを大いに進化させた。レスポールに様々なエフェクトを施しながら派手なソロを響かせる Barthélemy Attisso と、その背後で淡々とバッキングする Ben Geloum のコンビネーションは最高だ。個人的には Ben Geloum の堅実なリズムギターこそが、バオバブ・サウンドの大きな肝だとさえ感じている。
 Orchestre Laye Thiam が早くからオルガンのサウンドを強く押し出していたことにも着目される。最も急速に脱アフロキューバンを進めていたのは Laye Thiam たちだったのかもしれない。

◇Star Band スタイルの影響力

 Orchestra Baobab は Star Band そして Super Star のスタイルの真の継承者だったと思う。Baobab は Dexter Johnson や Laba Sosseh が培ってきたサウンドを受け継ぎ進化させた。中でも Issa Cissoko のサックスは、音色といいフレージングといい Dexter Johnson にとても似ている。比較すると Dexter の方がより滑らかで音楽的にふくよかにも感じるが、Issa は Dexter に憧れ慕い焦がれる中から、よりダイナミックなプレイを見出していった。また、Baobab が1970年代中頃に示した多様性と実験性は、その後次第に薄まり、21世紀に入って再結成した時には、特にアフロキューバンにフォーカスしたサウンドに回帰していたことも、Star Band からの影響という点では象徴的であった。
 Star Band の与えた影響は Baobab に限らない。例えばガボンに渡った Amara Touré が参加した Black and White ですら、Star Band にそっくりなサウンドだ。後年の Africando に至るまで、Star Band に始まるアフリカン・サルサの影響は大きかった。

◇ンバラの開拓

 Star Band の残した録音を聴くと、ある程度早い段階(1970年前後)において新しい音楽スタイルであるンバラへと向かう萌芽が感じられる。それらは Xalam や Le Sahel によってより練り込まれ、そして Youssou N'Dour と Etoile de Dakar で見事に結実する。一方で 1975年の Le Sahel のアルバムなどを聴くと、ンバラとアフロキューバン(そしてまるでハイライフの曲も)が1枚の中に一緒に収まっているのが興味深い。それだけアフロキューバンが、新しい音楽を生み出そうとしている彼らにも染み込んでいたことの証拠が見て取れる。

◇チーム性

 Star Band にしても彼ら以降のバンドにしても、あくまでひとつのグループとして存在していた。Super Star の場合、レコードに Dexter Johnson あるいは Laba Sosseh の名前を冠することもあったが、それはレコードごとにどちらのリーダーシップが強かったかを示すだけで、生まれたサウンドはあくまで Super Star というグループがもたらす一体感に満ちていた。そうした観点から振り返ると、Etoile de Dakar が Youssou N'Dour の名前を前面に出すようになったことの意味は大きい。バンドの中心は Youssou なのだと宣言したのだから。これはセネガル音楽に大きな変化が生じた分岐点とも見做せるだろう。

◇スクール性

 Star Band はダカール、そしてセネガル随一のバンドだっただけに、西アフリカ中から選りすぐりのミュージシャンが集まり、その中で互いに切磋琢磨することとなった。そのため、バンドは一種の音楽学校的な性格も帯びていたのではないだろうか。バンドが若手の登竜門として機能し、彼らが力をつけて独立していく様子は、Miles Davis や Frank Zappa のバンドを連想させるが、Star Band の場合、メンバーがほとんど入れ替わっても、そうしたスクール性が保たれ続けた。

◇Moussa Diallo の功績

 セネガルに実質的にはレコード産業がなかった 1960年代に、数々のライブ録音を行った Moussa Diallo の果たした役割は大きい。彼は自分のクラブで流すために録音することが多かったようだが、レコード化された Star Band の録音にも彼が行ったものが多いのではないだろうか。
(Dexter Johnson と Laba Sosseh が共演する Star Band の録音が存在しないのは、彼らが同時に在籍したことがないのではなく、それが短い期間だったので、たまたま録音の機会がなかったと考えるべきだろう。)


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 アフリカ音楽を聴き始めた 40年くらい前には、Star Band という名前すら聞いたことがなかった。 Youssou N'Dour の音楽と出会ったことで、セネガルのポップスを聴き始め、やがて Youssou と彼のバンド仲間たちが Star Band 出身であることを知ったのだった。
 それから十数年、1999年にダカールを初めて訪れ、幸運にもそこで Star Band の大半のアルバムを見つけられた。その時に手に入れられなかったレコードも、2003年にダカールを再訪し、レコードコピー屋に注文してカセットコピーを作ってもらい、ようやく聴くことができた(その後、レコード全12枚を入手)。
 そのようにして Star Band の音を聴きながら彼らのことを調べていたのだが、Etoile de Dakar に限らず、Orchestra Baobab、Star Number One といったセネガルの主要バンドも Star Band から派生したことを知った時は、相当な驚きだった。
 一方で、Le Sahel、Xalam (um) といったバンドや、それらの中核を担った Cheikh Tidiane Tall、Idrissa Diop、Seydina Wade(そして Thierno Koite も)らの活動にも着目するようになっていった。彼らの音楽性からも、アフロキューバンからンバラへ転換する様子がうかがえる。そうした傾向は Youssou たちよりも強く感じられ、ンバラが生まれてくるのには、Star Band 周辺と彼らとの2つの流れがあったのだろうかと考え始めた。
 ところが Star Band の歴史をよく調べてみると、Le Sahel や Xalam のミュージシャンたちも 1960年代半ばから Star Band に在籍、もしくはその周辺にいたことが分かった。1970年代にセネガルのポップスは大発展するのだが、その主役たちのほとんどが Star Band で鍛え上げられてきたのだった。

 セネガル音楽について何か調べていくと、大抵は Star Band に結びついていく。セネガルのポップス全ては、Star Band に繋がり、そこに発すると言いたくなるほどに。そのことが実に興味深かった。

 自分はキューバ音楽もサルサも熱心に聴くことはない。それにも関わらず、西アフリカのアフロキューバン的な音楽に魅了され続けている。それはどうしてなのだろうかと時々考えるのだが、その秘密は Star Band のサウンドの中にあるのかもしれない。

(セネガルのアフロキューバンのトップバンドだった、Rio Band de Dakar や Le Tropical Jazz de Dakar なども Star Band ワールドと深い関係性も持っていたのだろう。そのあたりについても今後調べていきたい。)


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 ところで、Youssou N'Dour が2年前にリリースした最新アルバム "Mbalax" の中の一曲 "Wax ju Bari" の中で、Star Band の産みの親 Ibra (Ibrahim) Kassé の名前を歌い込んでいることに気がついた(インタールード明けの 2'34" から)。一体何を歌っているのかは分からないが、Youssou も Ibra Kassé を讃えているのに違いない。それほどまでに Ibra Kassé の存在は大きかったということなのだろうか。


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# by desertjazz | 2023-09-30 21:00 | 音 - Africa

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