2010年 02月 01日
Youssou N'Dour, Le Clezio, et al.
- Youssou N'Dour & le Super Etoile / "Special Fin d'Annee 2009" -
1. Salagne Salagne
2. Tukki
3. Ndakarou
4. Lett Ma
5. Atou
6. Less
7. Sama Dome
8. Lima Wesu
基本的には代表曲のリアレンジ録音を中心とする、これまでにも多かったアルバム構成。ポップで楽しいアレンジとなった (6)、傑作カセット "Vol.12" にも収録されていた名曲 (7)、バラード・ヴァージョンの (8)、といったあたりの再演がファンには喜ばれることだろう。詳しいレビューは後日にでも。
対してインターナショナル盤の新作 "Music From I Bring What I Love" (Nonsuch) は発売延期を繰り返しているせいで、セネガル盤の新作の方が先に届いてしまった。この "Music From I Bring What I Love" は彼の最新ドキュメンタリー映画のサントラ。アドバンス DVD が事前にもらえることになっていたのだが、あいにく送られてこず、既に TV で放映されたこと(好評だったらしい)もおきよしさんからメールでお知らせいただくまで全く知らなくて、未だに観ていない。なので、映画の方も早く市販して欲しい。
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J.M.G. ル・クレジオの『調書 Le Proces-verbal 』(新潮社)を読了。定評通りに、なんとも難解で実験的要素の多いデビュー作。どう解釈したら良いのか、文学に疎い自分には手に余る作品だった。次の『大洪水』を読み始めたものの、より難しそうな文体。『砂漠』や『黄金探索者』などとは相当に異なる。なので、他の本を先に読もうかとも思う。
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最近、アフリカ盤が立て続けに到着。"Ethiopiques 24 : Golden Years of Modern Ethiopian Music 1969-1975" はややネタ切れ感(残りものっぽい印象)を受けたが、"Ethiopiques 25 : 1971>1975 Modern Roots" の方は粗野なサウンドが俄然魅力的。
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昨夜走り書きを終えてから、改めて考え直して思ったこと。
・多様な音楽を聴き続けることによって耳が肥えてくることが、ある面では「音に対する感性」の滋養と結びついていて、またそのことから生ずる苦しみにどう対処するかが「残りもの感」を払拭する解決策にもなりうるのではないだろうか。
・こうした感性は、味覚、読書、美術鑑賞から旅する感覚にまでも通ずる。いずれに於いても、それらの多様性をいかに楽しむかが、次第に重要性を増してくる。
・しかし、上に挙げた「苦しみ」は、音楽の場合には、いきなり最高のもの(何をもって最高とするかという問題もあるのだが)に触れてしまい得るといった特殊性から生ずるものでもある。
…等々。それに、都市のアンビエント・ノイズをリラックスして聴き楽しんでいるのは、聞き疲れ(耳疲れ)から生じた音からの逃避などではなく、そこに認められる深い魅力に惹かれてのこと(だから「4'33"」とほとんど等質なのだ)である説明もすっぽり抜け落としてしまった。稿を改めて書いた方が良さそうだ。