Best Albums : The first half of 2010

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1. K'NAAN / TROUBADOUR
2. GALACTIC / YA-KA-MAY
3. 松田美緒 MIO MATSUDA / FLOR CRIOLLA
4. MOUSS & HAKIM / LIVE - VINGT D'HONNEUR
5. AMETSUB / THE NOTHINGS OF THE NORTH
6. THE ORB / BAGHDAD BATTERIES
7. ERYKAH BADU / NEW AMERYKAH Part Two : RETURN OF THE ANKH
8. OSWIN CHIN BEHILIA / LIBER
9. HINDI ZAHRA / HANDMADE
10. FELA KUTI / B.B.C. (BIG BLIND COUNTRY)

 今年前半に割とよく聴いたアルバムと印象に残ったアルバム10枚。ほとんど音楽を聴かなかった昨年後半よりは幾分音楽に戻りつつあるが、それでも本調子にはほど遠い。そんな中、これらの作品は個人的に楽しめたもの。まだ「残りもの感」も引きずっていて、珍しい録音などを追うようなことはしていないだけに、割合メジャーな作品が多く並ぶセレクションになったか。

 春までは最初の3枚ばかり聴いていた。昨年リリースの K'NAAN の4作目は、極上ポップナンバーが連なる快作。美しいメロディーの数々、エチオピアンポップの巧みなサンプリングに惹かれまくったが、いまだに繰り返し聴いているのは 'If Rap Gets Jealous'。結局はロック好きということか。さすがに少し聴き飽きてしまったが、その後 'Wavin' Flag' がW杯のテーマソングに選ばれたのには驚いた。09年作ながら今年上半期を象徴する作品は個人的にはこれ以外考えられない。

 GALACTIC はでかい音で聴くほど気分が壮快になるニューオーリンズ・ファンク。バンドの重厚なグルーヴがたまらない。Stanton Moore のソロも結構気に入った。好んで聴いたファースト以来の松田美緒は今一番好きな歌い手のひとり。特に Hugo Fattoruso との「語り合い」が美しい。GALACTIC と松田美緒は、ともにライブでも堪能させてもらった。

 MOUSS & HAKIM はますますグループとしてサウンドが熟れてきた印象。これまでのスタジオ作よりも断然良いのではないだろうか。解散間際に観て来た ZEBDA の熱いライブを思い起こしたほどだった。

 音楽よりも自然音や環境音の方に心地よさを感じる状態が続いていることから、音階が固定化された音楽/メロディーがはっきり見える音楽が苦手になってしまった。その帰結として、アンビエンス感の豊かな録音作品への指向は変わらず強い。AMETSUB のセカンドと THE ORB の最新作(09年)はそんな気分を代表する佳作。

 これらのアルバム以外には繰り返し聴いたものがあまりないため、7位以下は選びにくかった。FELA の「新作」は内容的には1位にしたいくらいなのだが、恐らくブートだと思うので数合わせ的に10位。

 実は、今年前半に K'NAAN 並に最も聴いたのは GLENN GOULD だったかも知れない。昔から "BACH: THE GOLDBERG VARIATIONS" が大好きだったことを思い出して、GOULD の BACH 録音(Columbia 盤)を10数枚買って聴き漁った(700円台だったので、ほぼ全て買い揃えた?)。"GOLDBERG" は新/旧/ライブを聴き比べたりも、、、。『坂本龍一セレクション』が、久しぶりに GOULD を聴くきっかけのひとつになったのだが、先日、MM誌の高橋健太郎x小野島大の対談中にバッハ云々の話を見つけて、自分にもひとつの時代性が映じているのかと感じたりもした。

 考えてみると、今の自分が音階が厳密なはずのクラシックの一種に最も惹かれるというのは矛盾するようだ。しかし、GOULD のジャズ的なプレイ、BACH の半音階の多用(…坂本龍一の解説に納得)が、私から音階からの呪縛を消し去ってくれたと考えられるのかも知れない。



 それにしても音楽を聴く時間が全然作れない。今年後半はまた少し生活のリズムを変えてみようかな?
by desertjazz | 2010-07-01 00:00

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