2010年 07月 31日
Readings:7月の読書

・辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫)
・J.M. クッツェー『マイケル・K』(ちくま文庫)
・レイモンド・カーヴァー『ビギナーズ』(中央公論新社)
・松本仁一『アフリカを食べる』(朝日文庫)
それも『マイケル・K』を除く3冊は再読と言ってもいいもの。『ビギナーズ』は『愛について語るときに我々の語ること』のエディション違い(完全版)だし、辺見も松本も昔読んだ文章。『マイケル・K』はカフカ+ル・クレジオを読んでいる気分になり、『ビギナーズ』は『愛について…』よりも人間臭みの深さが印象に残った。
先月までは徐々に読書ペースが上がってきていたが(読了できなかったものも含めると月に15冊くらい読んでいた)、突然ペースダウンした理由のひとつは、時間のかかる本に手を出してしまったこと。今少しずつ読んでいるは、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』、ル・クレジオ『地上の見知らぬ少年』『物質的恍惚』『悪魔祓い』など。トマス・ピンチョンは6/30に始まった「全小説」の装丁の美しさに惹かれて、最初の『M&D』上下巻を買ったものの、全編当て字という癖の強い訳文もあって1日に10ページも進まない。それなのに、全改訳して文庫化されたミシェル・レリス『幻のアフリカ』も再読することにした(文庫なのに1000ページ超!)。これら6冊だけで総ページ数は約3000。どれも年内に読み終えられる気がしないが、まあゆっくり楽しもう。
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昨年6月に転居してからの約1年で、読書が一番の喜びになったように思う。飲みに行くことが滅多になく、ほとんど毎日3食を自炊。音楽はあまり聴かず、自らは誰とも会わず、隔週ペースで小旅行に出かけた以外はひたすら読書。食事を作って、読書して、天気が良ければ走りに出かける…という、社会からリタイアしたに近いような平凡な毎日(このあたりは Twitter に綴っていた通り?)。このまま完全に隠遁生活に入ってしまってもいいかなんて考えながらも、世間との窓口を少しくらい残しておくかと思い(?)ブログなどでは独り言を呟き続けていた。
実際こうした生活はなんとも気楽なものなのだが、やっぱりどこか物足りない。たまには自身にトリガーをかける必要もあるかと感じ、先月は「アフリカ音楽の再履修」と題して、マリ音楽を中心にあれこれ聴いてみたら、それなりに面白かった。
そのマリ音楽も7月中旬まででひと区切り。7月終盤〜8月は「飲み会強化月間」と題して、人と会うことを最優先しようと思っている。いや正直書くと、全く外食しないというのは、自分の味付けには飽きてくるし、美味しいものをわざわざ我慢しているようで、心身のバランスが崩れてくるような気もしている。また、本や音楽ばかりに浸るというのも、今の自分にとっては退屈な生活だ。あれこれ約束が8月末まで続いているので、それまでは読書も音楽も控えめの毎日になりそうだな。