Les Ambassadeurs - 4 (Last Years)

 Ambassadeurs の結成からを振り返り、77年までの音源を聴き、黄金時代といえる78〜81年に再び戻ってきた。"Mandjou" が西アフリカ中で大ヒットし、他にも彼らの代表曲の多いこの時期のアルバム5枚を、これからじっくり聴き返してみようと思う。しかし、それらのディスクレビューを書いていると Ambassadeurs のことだけで何週間もかかってしまいそうなので、それはまたの機会にして先に進む。

 ただし、これらの作品に関して是非取り上げておきたい資料がある。"Mandjou" (Badmos BLP 5040, 1978)、"Tounkan" (Sako Productions SP 001, 1981)、"Mana Mani" (Sako Productions SP 002, 1981) の3枚から選りすぐりの8トラックをリイシューしたCDが Sonodisc からリリースされたのだが、それはオルターポップから国内盤も出た(1995年)。その日本語解説がとにかく読み応えがある。久しぶりに読み返してみたのだけれど、このグループについて知るには最高のテキストのひとつに違いない。昨日までに書いたことと矛盾する点も多いのだが、各務美紀さん(マリやギニアにも足を運び、サリフたちとも深い交流をなさっている)がお書きになっているので、こちらの方が信用するに足るだろう。

 (…例えば、結成年は69年となっている。しかし何ごと、正確なことはもはや分からない/分かる必要はないのだろうし、事実はひとつと限らないのかも知れない。)

 各務さんの文章によると、結成直後のメンバーはウスマン・ディアを含む8人。 71年、ギタリスト2人が国外追放となり、代わってカンテ・マンフィーラら3名が加わったという。さらに追って同年、親友であるウスマン・ディアの誘いもあってサリフが加入したと書かれている。ちなみに、ウスマン・クヤテが加入したのは77年とのこと。

 この解説、"Mandjou" がアビジャンで録音されたこと、"Tounkan" と "Mana Mani" がアメリカ(ニューヨーク?)で録音されたこと(ただし渡米したのは4人だけで、レイ・レマなどを現地調達)、それらの顛末についても詳しくかつ面白く書かれており、また収録曲の歌詞の日本語訳とそれらの解説も丁寧になされている。



"Les Ambassadeurs Internationaux" (AS Records AS 008, 1982)

Les Ambassadeurs - 4 (Last Years)_d0010432_11243470.jpgSide A
1. Djougouya
2. Wassolon-Foli

Side B
1. Bara Wilile
2. Mandjougoulon
 中心メンバーは Sambou Diakite で(4曲とも彼の作)、カンテ・マンフィーラのクレジットはなし。サリフとウスマン・クヤテは参加しているものの、ともに存在感は薄い。全体的にチープな音色のシンセサイザーが多用され、バンドの末期を思わせる。同年サリフが脱退(翌83年に渡仏)するので、実質的にはこれがラスト・アルバムとみなせるだろう(82年末に解散とする文献もあり)。
 'Djougouya' の冒頭から、ホーンズを模したような安っぽい音色のシンセが重なるスカスカの音にがっかりさせられる。しかし、'Wassolon-Foli' は曲名通りワスル(マリ南西部)風の曲調で、カリニャン(こすりあわせて錆びれた音を出す鉄製パーカション)がビートを刻み、これもありかと思わせられる。また、'Bara Wilile' がレゲエ調なのもちょっと新鮮だ。



 ここまで紹介してきた以外に、Ambassadeurs のLPとCDがあと10枚ほど手元にあるが、どれも基本的にはコンピレーションばかり。なので、それぞれの詳細を綴ることに大した意味はないだろう。

 …と思っていたら、重要な1枚を見落とすところだった。

Salif Keita & Kante Manfila "The Lost Album" (Cantos 079.0003.026, 2005)

Les Ambassadeurs - 4 (Last Years)_d0010432_0531541.jpg1. I Djo Fama
2. Finzamba
3. Toura Makan
4. Djigui
5. Nakana
6. Wara
 2005年に突然リリースされた未発表録音集で、1980年にアビジャンで録音された完全アコースティック・アルバム。サリフの歌とマンフィーラのアコギを中心に、バラフォン、コラ、トランペット、ピアノ、それに女性コーラスなどが重なる。実に穏やかで美しい作品ながら、時代の流行にそぐわないという理由からお蔵入りになったらしい。しかし、それ以外には情報乏しく謎のアルバムでもある。

 …と書いたところで、6トラック目の電化音!に聴いた記憶があることに気がついた。確認するとファースト・アルバムの 'Wara' と全く同じテイク。ライナーには「80年にアコースティック・アルバムの制作を思いついた」と書かれているが、ということは、このトラックに関しては「未発表」「アコースティック」「80年アビジャン録音」全てが当てはまらない。となると、ライナーの記述全体も信用できないな。
by desertjazz | 2010-07-10 00:00

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