"Chris McGregor & the Castle Lager Big Band"

\"Chris McGregor & the Castle Lager Big Band\"_d0010432_16334241.jpg 70年頃以降のイギリスのジャズ・ロック的なサウンドにはとても興味を持っているので、クリス・マグレガー Chris McGregor、ドゥドゥ・プクワナ Dudu Pukwana ら、南アから亡命したジャズ・ミュージシャンたちのレコードも集めている。そんな亡命組の作品の中で一番好きなのが(というより南ア ジャズ全体の中でも最高に好きなのが)このアルバム(1963年録音、ジャケ写は再発盤?)。マグレガー、プクワナ、キッピー・モエケッツィ Kippie Moeketsi、等々、参加メンバーが最高のスーパー・ビッグバンド。そして、南ア的なテイスト…というよりも、メリハリの利いたビッグ・バンドのアンサンブルや、秀逸なソロ・インプロビゼーションなどが弾け、ジャズ本来の醍醐味が全編に溢れている。中でも白眉、極め付きなのが、冒頭の 'Switch'。もう何年も聴き続けているのに、今でも聴く度にゾクゾクする素晴らしい演奏だ。

 この 'Switch'、最近出た "Next Stop... Soweto Vol.3: Giants, Ministers and Makers: Jazz in South Africa 1963-1978" でリイシューされた。このCDは他にも素晴らしいトラックが詰まっている一方で、問題点もいくつかある。しかし、'Switch' を収録しているだけで、今年のベスト・リイシューに選ぼうかとさえ思っている。



(追記)

 問題点というのは、物足りない曲がいくつかあること(1-1, 1-3 など)。それと、トラックリストが間違っていること(調べてみたら、ジャケ裏、英文解説、日本版解説翻訳、公式サイト、Amazon等の曲リスト、等々それぞれ不一致、かつ正しいものがひとつとしてない)。最大の誤りは (1-9) を TETE MBAMBISA の 'STAY COOL' としていること。ブックレットを見るとピアノレス編成なのだが、実際に曲を聴くとピアノが入っている。…というより、このピアノは明らかにダラー・ブランド Dollar Bland の演奏だ。このトラックはダラー・ブランドの未発表録音 'Next Stop... Soweto' と考えて間違いないだろう。
by desertjazz | 2010-08-13 23:59

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