Readings:9月の読書

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 今月読了したのはたったの4冊。

・池澤夏樹『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』(新潮選書)
・チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『半分のぼった黄色い太陽』(河出書房新社) --- 訳書で再読
・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』上巻・中巻(新潮文庫)

 毎週飛び歩き、イベントを巡り、そして連日の「飲み」。それよりも、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』、アディーチェ『半分のぼった黄色い太陽』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』という3作品を同時進行で読んだのが大きく影響した。とにかく長いだけでなく、覚えにくい名前の登場人物が数多現れ(しかも、忘れた頃に再登場する)、さすがに頭の整理がつかなくなってしまった。なので、いずれとも再読したい気持ちになっている。

 『カラマーゾフの兄弟』は中巻帯の推薦コメントの通りで、上巻は数週間かかったのに中巻に入った途端にペースが上がる(頑張れば1冊2日ペースで読み切れる)。なので、ゴール間近。下巻に突入して再び停滞している『メイスン&ディクスン』も極力早く読み終えたい。すでに次の読書目標が定まってきているので…。

 最近読み始めた本(写真右の山など)、これから読もうと思っている本も溜まってきたが、何より未だ印象深いのは、先日、生のスピーチを聞きにでかけたアディーチェのこと。一度英語で読んだ作品をその翻訳『半分のぼった黄色い太陽』で読み直してますます惹かれた。ナイジェリアで暮らす人々ひとりひとりを個性豊かに表現し、ビアフラ戦争が勃発した以降のひとりひとりの動揺の様もまた見事に描く。特に誰もが不完全性さを隠し持ち、また時にはそれを露にして生きる存在であるという描写には、強く感じ入った。

 なぜアディーチェに興味を持ったのか記憶にない(多分ブログ日記を読み辿っていけば、分かるはず)。ビアフラについて書いた作家、というのがその端緒だったのかも知れない。とにかく凄い筆力をもった小説家だ。ここでも取り上げたが、彼女の作品のことについてじっくり書いてみたい。






by desertjazz | 2010-09-30 23:59 | 本 - Readings

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