2010年 09月 22日
Adiche writes Rex Lawson

Adiche を読むと Rex Lawson が聴きたくなる??
…オランナが音楽を変えるために立上がった。「まずは、わたしのお気に入りのレックス・ローソン、それからオサデベね」
「レックス・ローソンはいささか模倣的じゃないか?」とエゼカ教授が訊いた。「ウワイホとダイロのほうがミュージシャンとして優れているな」
「すべての音楽は模倣ですよ、教授」からかうような調子でオランナがいった。
「レックス・ローソンは本物のナイジェリア人です。カラバリという民族性に執着せず、ナイジェリアのすべての主要言語で歌っている。そこが独創的だわーー彼を好きになる十分な理由だわ」とミス・アデバヨがいった。
「そこが彼を好きになれない十分な理由だな」とオデニボ。「われわれは自分の個別の文化に無頓着であるよう志向すべきだなんて、そんなナショナリズムは馬鹿げている」
「オデニボにハイライフのことを訊いて時間を無駄にしちゃだめよ。彼にはぜんぜんわかっていないんだから」といってオランナは笑った。「彼の好みはクラシック音楽、人前でそれを認めるのは絶対に嫌がるけれど、だって、ものすごく西欧趣味ですものね」
「音楽に国境はない」とエゼカ教授がいった。
「でも、それは間違いなく文化にもとづいたもので、文化とはそれぞれ固有のものですよね?」オケオマが質問した。「ということは、オデニボはクラシック音楽を生み出した西欧文化を熱愛しているということになるのかな?」
みんな大笑いした。
>>> チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『半分ののぼった黄色い太陽』(河出書房新社、2010)- P.131
Rex Lawson はイボ人、もしかしたらイジョ人かと思っていたのだけれど、カラバリ人だったんだ。カラバリ・ミュージックへの興味がさらに増してきた。
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