2010年 10月 04日
Movie : "Dans la Ville de Sylvia"
今朝は早起きして、私の映画の師匠ご推薦の作品『シルビアのいる街で』を観てきた。面白かった。
さしたるストーリーなどないのだが(あえて喩えれば「ストーカー物語」、ってのも違うな)、観ていると何とも不思議な気分になってくる。画角の構造も、空間構成も、時間推移も、役者たちが演技するしぐさも、観る側がフォーカスしたくなるところを、ことごとくあえてデフォーカスして進んでいくような感じ。さりげない風景ばかりなのに、ひとつの舞台をみつめ、そしてそこに参加しているかのような印象も生まれる。
そうした不思議な感覚が一気に膨らんだのは、劇場から外に出た瞬間。スクリーンの中で流れていた光景と音が、また続いている。映画の中の舞台がそのまま継続している気分なのだ(ただ単に自分が発熱していたせいかも知れないが)。恐らく隅々まで計算し尽くされているからなのだろう。
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今月は観たい映画が目白押し。
・『ベンダ・ビリリ! もう一つのキンシャサの奇跡』
・『わたしを離さないで』
・『素数たちの孤独』
『わたしを離さないで』はカズオ・イシグロ "Never Let Me Go" を映画化した話題作。"Never Let Me Go" は21世紀に出たあらゆる小説の中で最も好きな1冊。そして『素数たちの孤独』はパオロ・ジョルダーノの同題の大ヒット小説が原作。個人的にも昨年のベスト10に入れたお気に入り。だけど、こうした作品は「読む」だけにして、映画は観ない方が良いのかも知れないなぁ。
さて、月末の東京国際映画祭に合わせて上京するかどうか、なんとも悩ましい。
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