Sina Ayinde Bakare "Inu Mimo"

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 Sina Ayinde Bakare "Inu Mimo" (Jazzhole JAHO10CD, 2010)

 新作 "Inu Mimo" のライナーノーツを読んで、シナ・アインデ・バカレ Sina Ayinde Bakare について簡単に整理。

 1945年9月6日レゴス生まれ。ジュジュの巨人として高名な Saibu Ayinde Bakare の長男ながら、父親からの音楽的影響を受けたのは案外遅く、ギターを始めたのも14歳のときという。初期に最も影響を受けたミュージシャンとして、Theophilus Iwalokun と Sir Victor Uwaifo の名前を挙げている。

 50年代末から本格的な活動。1968年に EMI からレコード・デビューし、これまで12枚のアルバムをリリースしている(Decca, TYC など)。1972年に父が亡くなった際、一時期その父のバンドを引き継いだこともあったらしい。

 新作は "Summons" (1988) 以来のアルバム。バンド演奏というよりも、主要楽器を演奏する彼の多重録音となっているようだ。ジュジュよりもパームワインをベースにしたようなサウンド・スタイルで、曲によってはコンゴのルンバ(思わず Staff Benda Bilili を連想)やスロー・ファンクなどもミックスしている。また Fela Kuti の 'Zombie' のフレーズ 'Joro-Jara-Joro' をカバーしたトラックもある。

 特別上手いミュージシャンとは思わないが、ヴィンテージ・ジュジュの気分を受け継いだ寛げる演奏集になっている。ポートレイトを見ると、優しい眼差しや口元などは父親そっくり。その年輪を重ねた表情が自身の音楽性を物語っているようでもある。Jazzhole と正式契約し活動再開したとのことなので、Fatai Rolling Dollar 同様に新作リリースが今後も続くのかも知れない。




by desertjazz | 2010-11-07 12:00 | 音 - Africa
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