2010年 11月 17日
Fatai Rolling Dollar (5) : Bio & Discs
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< J.O.Araba with the Rhythm Blues Band >
ミュージシャンとしてのデビューは 1953年。最初はアギディボのプレイヤーだった。Queen Mary Orchestra(1953年)、Willie Payne(1954年)との活動を経て、その直後に J.O.Araba, Olaseni Tejuoso (Seni 'Teje' Tejuoso) らと Rhythm Blues Band を結成。(*2) Phillips とは年にSP6枚の契約があり、'Ranka Dede', 'O Gba Oya Ya' などが大ヒットした。(*3)
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< Solo >
金銭トラブルが原因で Rhythm Blues Band は解散。自身のバンドでの活動に移行することになる。(*4) このバンドには Ebenezer Obey も在籍(1958〜64 年。これが彼のプロデビュー。パーカッションを担当し、ギターをファタイに教わる)。68年に引退。
"Great Juju & Sakara Music Vol.2" (Fisher Music JRFM/2)
Sisi Jaiyejaiye
(この1トラックのみか? 演奏者のクレジットがないので音で判断するしかないが、他の5トラックは Tunde Nightingale の演奏に聞こえる。)
Side A に Fatayi Rolling Dollar, Tunde Nightingale などの6曲を収録したLP。
"Tunde & Fatayi : Juju's Awesome Twosome" (Ajofabro Recording/Thomas Organization, USA)
Saworo / Sisi Jaiyejaiye / Won Kere Si Number Wa / Ma Danwo / Agba Dowo Re / She Go Run Away
Side A に Tunde Nightingale の6曲、Side B に Fatayi Rolling Dollar の6曲を収録したリイシューCD。
"Papa Rise Again" (Ekostar, 2007)
'Won Bumi', 'Saworo' などがリイシュー収録されている。
その他、"History of Juju Music" (Fisher Music)、"Highlife Time" (Vampisoul) などのコンピレーションにも収録曲あり。ただし、全て上記盤との重複曲。
約10年間バンドを率いていたのだから、もっと録音が残っていてもおかしくなさそうなのだが、全部で7トラックしか見当たらない。
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< Solo after Coming Back >
2001年に Jazzhole から突如復帰。
"Easy Motion Tourist" (Jazzhole, 2001)
CD/Viynl single including Original/Mix/Remix versions復帰アルバムに先立ってリリースしたシングル盤(現物未確認)。
"Returns" (Jazzhole JAH006D, 2003)
Sorry Sorry No Dey (feat. Chief Seni Tejuoso) / Name Own You Dey See / She Go Run Away (Club Mix) / Feso Jaiye / Iyawo Iyawo / Beleke / Omolere Aiye (Smooth Mix) / Easy Motion Tourist / Omolere Aiye (Dance Mix) / Sisi Jaiye Jaiye / Easy Motion Tourist (Jazz Mix feat. Biodun 'Batik')
復帰第1作目。過去のレパートリーの再演を多く含む。
"Live in Rabat, Morocco" (Jazzhole ?, 2003)
未入手につき内容不明。
"Won Kere Si Number" (Jazzhole JAH009D, 2004)
Saworo / To Ba Fe Mo Dollar / Won Kere Si Number / Eko Akete (Agidigbo Blues) / Ori Wa A Dara / I Am Not A Banker / Mama Mi A Ba Mi Wi / Allah Na Tu Ba / Morocco Special / Iya Mi (Tribute To My Mother) / Aduke / Saworo Ma Ro (Unplugged) / To Ba Fe Mo Dollar (Acoustic)
復帰2作目のスタジオ録音盤。
"Papa Rise Again" (Ekostar, 2007)
Won Bumi / Iyawo Mapa Mi / Awa Re Koja / Baba Wa / Saworo / Papa Rise Again / Won Kere Si Number / Ero Ya / Orona / Sisi Jaiye Jaiye / Wasa / Awure Bansa / Ado Lee
新録+60年代の音源。イギリス盤。
"Papa Rise Again" (High Kay Dancent, 2007?)
同内容のナイジェリア盤。
"Returns" (Jazzhole JAHO12CD, 2010)
Sorry Sorry No Dey (feat. Seni 'Tejebaby' Tejuoso) / Iyawo Iyawo / She Go Run Away / Na Me Own You Dey See / Eko Akete / Easy Motion Tourist / Aomolere Aiye / I'm not a Banker / Omo Oloye / Sisi Jaiye Jaiye / Feso Jaiye / Beleke
01年盤の9トラック+04年盤の2トラック+未発表1曲
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Bantu "No Man Stands Alone" (Faluma, 2010.10.30) の 'Ni Bo L'Anlo (feat. Fatai Rolling Dollar, Oranmiyan & Wurasamba)' にゲスト参加。これが最新録音か?
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(*1) 従来は Fatayi という表記だったが、最近は Fatai となっている。
(*2) よくありがちなように、この時期の経歴は文献によって食い違っている。年次も1年程度異なる記述がみられる。
(*3) これらの音源は手元のレコードなどでは確認できていない。
(*4) いつの時点でアギディボからギターに持ち替えたのか不明。
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先日も Ayinde Bakare のディスコグラフィーを作成したように、時々こうした作成作業をする。資料性のあるデータを提供したいという目的もあるが、それより所有盤の確認整理をしながら、好みのミュージシャンのキャリアを俯瞰することで音楽的変遷を把握できるメリットが大きい。
ファタイ・ローリング・ダラー Fatai Rolling Dollar は復帰後のバラエティー豊かな作品群もとてもいいが、断然魅力的なのは 60年代の録音。"Tunde & Fatayi" のトラックはどれもファタイのギター独壇場の録音ばかり。イントロから終いまで、切れ味鋭いカッティングも、絶妙なフレージングも素晴らしくて、思わず聴き惚れてしまう。
惜しむらくは復帰前の録音の入手が困難なこと。単独アルバムもなさそうで、「41枚に及ぶアルバムをリリースした」(らしい)トゥンデ・ナイチンゲール Tunde Nightingale とは対照的だ。トゥンデがロンドンにまで活動域を広げたのに対して、ファタイは 70年代を待たずに引退してしまった影響もあるのだろう。
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Jazzhole 関連の情報整理はこれでひと区切り。ざっと書き並べてみただけなので、随時書き加えていきたいとは思うが…。録音が少ないのに、文献類が多くて読み切れない。
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