2010年 12月 05日
Dubai / Maroc 2010 (5)
11/20 (Sat)
18時半、定刻より15分遅れでマラケシュ駅到着。とても清潔で奇麗な駅舎、というのが第一印象。ダカールやバマコの駅のみすぼらしさなどとは較べるまでもない。やはりここはヨーロッパか。
頼んでおいた車を探しに外に出る。途端にタクシードライバーたちが次々寄ってくる。しかしそれは聞いていたほど鬱陶しいものではない。同じアフリカでも、ダカールのヨフ空港で取り囲まれたドライバーとガイドの数に較べたら可愛いものだ。そんな一事にもアフリカ的なるものの薄さを感じる。
マラケシュはちょうど雨上がりらしく、まだ濡れた路面に光が反射して、その中に駅の建物の美しさが映える。写真に収めたいという思いが頭をよぎるが、ここは先を急ぐことに。
初体験の国での最初の目的地到着は夕方になりがちだ。まだ用心が肝要。未体験の土地では、自身の感覚でその危険度を察知し量る必要があると考える。1995年、ジンバブウェのハラレ初夜は、到着直後にトーマス・マプフーモのライブ情報を掴んだもののホテルに止まった。会場が郊外らしく場所が掴めなかったこともあるが、まだ自分の危険度センサーが調整できていないと考えたから。1999年、ダカール初夜には、深夜タクシーを飛ばしてチョーン・セックのライブクラブに馳せた。このときには自己の感覚を信頼でき、チョーン・セックとの立ち話まで楽しめたのだった。
しかし、「痛い」思い出がある。1994年、メキシコシティー最初の日のこと。夕方、ホテルに辿り着いた時には、移動の疲れで意識が冴えない。それでも、初めての国への好奇心と空腹を満たす欲求から、ホテルからすぐそばの街の中央広場ソカロまで繰り出した。これが誤り。凶器をもった2人組に襲われ、殴られるという失態。血を拭って宿に戻るが、何を口に含んでも液体が頬から流れ出る。縫うという発想がなく、口元に開いた穴は2週間塞がらなかった。その傷は今も顔に残っている。
マラケシュ滞在を存分に楽しんだ後、カサブランカに戻るためマラケシュ駅を再び訪れる。やっとこの建築物をカメラに収めることが叶った。しかし、初対面のときの印象には遠く及ばない。本当に美しい風景とは記憶の中にだけ留まるものなのかも知れない。
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