2010年 12月 06日
Dubai / Maroc 2010 (6)
11/20 (Sat)
鉄道駅からタクシーでメディナへ。西側の門を抜けてすぐ、Dar Moha の近くのホテルにチェックイン。日本から結構な長旅だった。軽く夕食を取ろうということになり、早速ジェマア・エル・フナ広場 Place Djemaa el Fna まで出かける。
「この広場こそがマラケッシュの中心であり、わたしがこの邑に期待していたもののすべてであった。」
「夕暮れから夜にかけての広場は、まさに驚異そのものを体現している。」
ーーー 四方田犬彦『モロッコ流謫』P.115
旅の直前に再読した四方田のエッセイは、ジェマア・エル・フナ広場の妖気と活力を感じさせる見事な情景描写で、私の期待も自然と高まる。辿り着いた広場は、屋台/売店のエリアと大道芸のエリアとにほぼ二分されている。個性豊かな大道芸、グナワやシャービの音楽といった、広場の楽しみの数々は後日にまわして、今夜は屋台で腹ごしらえ。
執拗な客引きを振り切り、適当に座ってハリラ(スープ)やブロシェット(串焼き)などを試す。だが、それらは感動を誘うようなものではない。何かが足りない味なのだ。もっと足りないのはアルコール。ビールすら飲めないことに猛烈な飢餓感がつのる。また、周囲を見回しても同じ料理を出す店ばかり。同じ屋台村ならば、アジア、例えばタイやインドネシアのそれの方が数十倍楽しい。
それでも、何とはない周囲の熱気が自身に移り込み、微かな興奮を覚える。向こうからはカルカベやダルブッかの混沌としたビートが響いてくる。この広場の神髄はやはり暗闇の中で繰り広げられる芸と音楽なのだろう。
その後も滞在中に幾度か食事のために広場まで繰り出した。しかし今度は屋台ではなく、広場を取り囲むレストランに席を取り、そして似たような料理を注文。屋台の群から溢れ出る光と煙はまるで沸騰しているかのよう。眺めていると不思議な安らぎも感じる。一方で同時に抱くのは補いようのない欠落感。マラケシュの料理はアルコールとの相性が断然良いと思う。だが、この街についてそう語るのは、野暮なことなのだろう。
(トップの写真は 11/23 に撮影)
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