2010年 12月 31日
Best Albums 2010
今年のベスト・アルバム10枚。
1. JOHN LEGEND & THE ROOTS / WAKE UP! (USA)
2. KANYE WEST / MY BEAUTIFUL DARK TWISTED FANTASY (USA)
3. SUFJAN STEVENS / THE AGE OF ADZ (USA)
4. SEU JORGE AND ALMAZ (BRAZIL)
5. 松田美緒 MIO MATSUDA / FLOR CRIOLLA (JAPAN)
6. MAREWREW (JAPAN)
7. GALACTIC / YA-KA-MAY (USA)
8. OKI DUB AINU BAND / SAKHALIN ROCK (JAPAN)
9. MOUSS & HAKIM / LIVE - VINGT D'HONNEUR (FRANCE / ARGERIA)
10. ERYKAH BADU / NEW AMERYKAH Part Two : RETURN OF THE ANKH (USA)
やりたいことを徹底してやり尽くし、独自の世界観を打ち立てたアーティストの強みを感じた一年だった。特に上位4枚は強烈で、他者が太刀打ちできないようなレベル。楽曲としても、John Regend の 'Compared To What', 'Shine'、Kanye West の 'Runaway', 'Lost In The World'、Sufjan Stevens の 'Impossible Soul' などは貪るように聴き続けた。この三者、年末まで繰り返し聴き返しても甲乙付けがたく、実質同順位。
今年一番聴いたのは、前半は K'naan の "Troubadour" (2009年作なので選外に)、そして後半は "Wake Up!" だった。世評は詳しく知らないし、同時代性を感じさせる傑作とも思わないが、内容の良さだけでなく個人的にはとても重要な作品になったこともあって、迷わずトップ。
作品としての出来を純粋に評価すれば Kanye West がベストだったかも知れない。ダイナミックでエモーショナルなビートのストリームに興奮・感動。サウンド・クオリティーが極めて高く、後年まで語り継がれるだろう傑作。35分に及ぶ 'Runaway' のビデオ・クリップ(というより短編映画)も素晴らしく、すっかり頭に刷り込まれた映像が聴く度に蘇る。現代のメディア・フォーマットに相応しいアルバム・コンセプトが、これほど明瞭に伝わってくる作品には初めて出会った。
Sufjan Stevesn は 'Impossible Soul' 一曲で23分半という長さにまず驚かされたが、これも一生もの。とりわけ13分くらいからの泣きメロ・ファンクが超耳タコ状態になってしまう素晴らしさ。他のトラック、そして同時期リリースされた EP 盤も含めて、期待を遥かに越えていた。
南米に好盤/話題盤が多かった中、ずば抜けた出来だったのは Seu Jorge。このダークで怪しい世界にズブズブはまったらもう抜け出せない。どうしてこんなにカッコいいのだろう。松田美緒の "FLOR CRIOLLA" は Hugo Fattoruso とコンビネーションが最高で、とても深く美しい作品。聴く度に惚れ込んでいった。
女性4人によるアイヌ・ポリフォニー Marewrew も今年ヘビー・ローテーションになった作品。最初これを1位にすることも考えたのだが、2009年リリースのミニ・アルバムなのでトップ候補からは外した。来年は是非、生声体験をしたい。
トップ3の順位以外、さほど迷わず並べた10枚は、アメリカ5作、日本3作という意外?な結果。実際、これまでの活動を集大成した Mouss & Hakim のライブ作を除くと(しかもこのアルバム、まだ一度しか通して聴いていない)、アフリカやヨーロッパからはほとんど何も思い浮かばない。アメリカ勢/日本勢の充実振りに対して、他ジャンルの作品が入り込む余地はなかった。これはワールド・ミュージックが低調だったというよりも、自分が必要とする音楽にほとんど出会わなかったと言った方が正しいだろう。
今年の入手盤は約300枚。ほとんど音楽を聴かなかった/聴けなかった2009年よりも増えているものの、それでも例年よりは少ない。買ったレコードは全て最後まで聴くようにしているのだが、途中まで聴いて止めてしまうことも多い一年だった。読書や料理、小旅行が楽しくて(基本的に読書/料理/旅行中には何も聴かない)、音楽を聴く時間がなかなか増えないでいる。しかし、やっと普通に音楽を楽しめるようになりつつあることが、自分にとっては嬉しい。
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リイシューも含めると、1位は "Alan Lomax in Haiti" になってしまうだろうか。リイシューやアフリカについては、気が向いたら別途発表するかも、ということで…。
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