2011年 01月 14日
◆ 世界の音楽を知るための教科書

全く気分の優れない一日。『無垢の博物館』を読んでいても気が滅入る。そんな日は素直に読書を諦めて、映画を観たり書店を散策したり。
分かっているようで知らないことの多いモロッコという国と、ほとんど詳しくないモロッコ音楽/アラブアンダルース音楽について学び直すために、『モロッコを知るための65章』(明石書店)を買ってみた。最初に音楽に関する章を読んでみたのだが、簡潔に分かりやすくまとまっている。これを端緒にして、まずはモロッコ音楽の関連資料を手元に揃えることから始めることにしよう。
『知る』シリーズ、昨年読んだ『セネガル』も有益だったので、『エチオピア』も買ってみた。モロッコもエチオピアも再訪する希望が強くていろいろ書物を読んでいる。しかし、どちらの国とも、再び旅する可能性よりも、旅が実現しない可能性の方が高いような気がする。

一部で話題のアレックス・ロス『20世紀を語る音楽』(みすず書房)の2冊も、店頭で拾い読みしたら面白そうだったので、一通り目を通しておく気になり買ってきた。本文だけで2段組み約600ページ。一体いつ読めることか?
ピンチョンの『逆光』にしても、この『20世紀を語る音楽』にしても、2巻で9000円くらいするので、発売直後には躊躇して手を出せなかった。けれどCD4枚分と考えた途端に、それに比べると本って安いと思えてくる。もちろん他の何かと比較してその価値を量ることにさして意味はないだろうが、読んでいる最中の至福感や、その後もずっと頭や心に刻み込まれるものの豊かさを考えると、良書は正に priceless だと思う。
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