2011年 02月 17日
◆ 読書日記:『グレート・ギャツビー』

スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』読了。昔読んだ新潮文庫版、昨年読んだ英語版(簡略版?)に続いて、村上春樹の新訳で再々読。しかし(だからか?)ずいぶん話を忘れてしまっていた。
やはり良い小説だな。遅読の自分としては珍しく、ほぼ一日で一気に読んでしまった。けれども、冒頭とラストは言うまでもなく、他にも随所に、思わず一文ずつ繰り返し読んで味わってしまう美しい文章が多い。
カズオ・イシグロやオルハン・パムクについて最近書いた際にメモしたかどうか忘れてしまったので、もう一度書いておくが、こうした作品を読むことは、極上のバラッドに耳を傾ける行為と等質であると感じる。それは単なるセンチメンタルな感傷ではない、深みのあるものだと思う。
オルハン・パムクの『無垢の博物館』を読んでいるとき、その悲劇(事故)から連想したのは、この『グレート・ギャツビー』のこと。『無垢の博物館』は、『グレート・ギャツビー』からヒントを得ている、あるいはモチーフにしているのではないだろうかと、改めて感じた。『無垢の博物館』はパムクが書いた『グレート・ギャツビー』だと断言してしまおう。
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