2011年 02月 12日
週末旅行 2011-2 (Day 2)
尾道 → 宮島
昨夜は23時半に床についたものの、ほとんど眠れず。眠りに落ちた記憶が全くない。深夜2時に諦めてテレビをつけると、ムバラク大統領辞任の臨時ニュースが始まった。
6時前にベッドから抜け出す。6時50分にホテルで朝食。まあまあ。
8時17分発の普通列車に乗り、2時間外の風景を眺めながらのんびり移動。宮島口に10時27分到着。切符はあらかじめ「大阪ー宮島口」を買っておいて、尾道で途中下車したので、多少は安く済んだのだろうか。
駅から出ると湿った雪が降り出している。すっかり雪道で足場が悪い。それよりも、なんなんだ、この人の波は! とんでもない人の多さ。連休中に世界遺産を訪れるというのはこういうことかと、今さらながら思い至る。頭に浮かんだのは数年前に日光東照宮(これも世界遺産)を訪れた時の人ごみ。そういえば、あの時もひどい雨だった。
10時50分、連絡船に乗る(片道170円)。風が冷たくてデッキに出ている人は少ない。北海道育ちなので、これくらいは全く平気。やがて遠くに赤い鳥居が見えてきて、それが段々近づいてくる。憧れていた光景だ。その背景の宮島の山並みは全体雪景色で山様が掴めない。
10分ほどの乗船で宮島に到着。桟橋では今日と明日「牡蠣祭り」。宮島には明日13日の日曜日に泊まることも考えたのだが、躊躇している隙に、13日に空きのあった島内最後のシングルルームに予約が入ってしまった。なので、同様に一室だけ残っていた12日のシングルルームを確保し、「牡蠣祭り」をメインイベントに据える方針転換。早速軽く覗いてみたものの、傘をさしながらでは落ち着かない。少しばかり食べてみたい気持ちもあったが、まずは一番良い店で牡蠣を味わう方が賢明だろう。
ホテルまでの1kmほどの道行き、両側に連なる店々を覗きながらブラブラ歩く。ほどなくしてガイドブックなどで調べておいた専門店「牡蠣屋」が見つかった。正午になると混み合うだろうと考え、少し早めの昼食に。特製牡蠣フライ(3ピース、1500円)、焼き牡蠣(1ピーズ、250円)、生牡蠣(1ピース、400円)、それにシャブリをオーダー。知らなかったのだが、この地方では牡蠣は生ではあまり食べず、焼いたり蒸したりして食べるのは普通のようだ。実際生よりも火を通した方が滋味深い味だった。けれども個人的には、オイスターバーでギンギンに冷えた白ワイン(理想的なのはもちろんフランスで飲むシャブリ!)を飲みながら、生牡蠣をガンガン食べる方が好きだ。
厳島神社と鳥居を近くで拝んでから、12時前にホテルに到着。チェックインタイムがまだなので、フロントにディバッグを預けて、すぐそばの神社まで戻る。博物館も含めた入場料500円を払って中へ。結構な賑わい振りながらも、絶望的状況ではなく、恋い焦がれたこの建築訪問を楽しむ。厳島神社は想像していたよりシンプルな構造であることと、鳥居がかなり色褪せていることには、幾分肩すかしを喰らった気分。
神社を抜けて博物館に入ったところで、荷物の預かり証がないことに気がつく。どうやらロビーのどこかに置き忘れたようだ(実際その通りだった)。こんなこと初体験で、すっかり脱力モードになってしまっているに違いない(あるいは老人ボケ??)。
五重塔などを見た後、いったんホテルに戻って荷物を確認。それから気の向くままに散策。午後からは晴れ間が出始め、大聖院からの眺めが良かった。
ふと見つけた紅葉まんじゅう屋(岩村もみじ屋)で1個試し買い(75円)。粒あんのものが美味しく、これを土産にすることに決める。
そのまんじゅう屋で、今日は雪のせいで運行していなかったロープウェイが12時に再開したと耳にする。山には諦めて明日登ることにしていたのだが、少し遅れたかとは思いながらも、15時過ぎのロープウェイに乗って(往復1800円)急遽山頂まで行ってみることにする。
空は晴れ渡り、ロープウェイから眺めた時点ですでに絶景。海に島々が散らばる風景が素晴らしい。これを見たかったんだ。
しかし、山頂周辺は厚い積雪で、まともに歩けない。それでも無理して展望台まで行ってみる。途中写真に収めたい景色が多かったが、バッテリーの残りがすでにギリギリなので観念。上り下りする石段が延々続く散策コースはのんびり歩くには楽しいものなのだろうが、この雪ではまるで修行。アイスバーンでとうとう仕舞には頭から転げてしまった。崖から落ちなかったのは助かったが、周りも四つん這いになって徐々に進む人やら、思いっきり転ける人やらで、危険極まりない。次第に薄暗がりが広がり始め、遭難者が出てもおかしくない状況。どうして道を閉鎖しないのかと不思議に思い始めたころ、上空から救助ヘリコが降りてきた。なんだかサバイバルゲームみたいになってきたな。
最終便に何とか間に合って下山。駅の近くでもすれ違った人たちが多かったが、彼らはどうやって山から降りたのだろう? ロープウェイを降りたのは17時過ぎ。先ほどの紅葉まんじゅう屋に戻ったら、ちょうど閉まったところだった。明日出直そう。
日が暮れてきたのでホテルに戻る。泊まったのは創業400年を超える老舗の「宮島グランドホテル有もと」。シングルルームの設定があるのは、ここと錦水館だけで、後者の方が良さそうだったが、残念ながらすでに満室だった。それでも宿泊4日前に一部屋残っていたのはラッキーだった。
18時に夕食。夜も牡蠣づくしで、牡蠣の味噌仕立て鍋、焼き牡蠣、それに地あなごの天ぷら、鯛釜飯などを地酒飲みながら食べ尽くす(カタクチイワシの刺身が美味かった)。
20時半からはホテル主催のミニツアーに参加(無料)。この説明がとても良かった。有もとの良さは、厳島神社のすぐそばにあるので、こうして夜も楽しめることも挙げられる。
身体が冷えたが、温泉は苦手なので入らず、缶ビール1本だけ飲んで就寝。
(思ったよりカメラのバッテリーはもってくれたけれど、次が最後の一枚になるかと思いながらだと、気楽になれず、まともな写真が撮れない。)
(続く)