2011年 02月 14日
週末旅行 2011-2 (Day 4)
倉敷 → 岡山 → 大阪
6時半起床。6時50分朝食。ドーミーイン倉敷のこの朝食の充実振りには驚き。通常は1100円とのことだが(今回はネットで無料になるコースを予約)それだけの値打ちはある。コーヒーも部屋までテイクアウトできるように、紙コップとふたまで用意されているなど、宿泊客のことを考えての至れり尽くせりのサービスがなされている。ホテル間の競争がそれだけ激しいということなのだろう。
窓から外を見やると、またまた雪。疲れていたら、あるいは雨だったら、まっすぐ帰宅しようと考えていた。幸い雨にはならず雪のままで留まりそうなので、折角だから後楽園だけでも行っておこうと決断。少しだけでも岡山の町を見てみたかった。
岡山で途中下車して路面電車(ひと区間100円)で後楽園まで。緑は少なく(2日に野焼きが行われたという)、梅も咲き始めたばかり。しかし、雪景色の後楽園も風情があってよい。建築や橋の設計センスにも唸る。






次第に横殴りの雪になる中、隣の岡山城へ。城自体から門まで鉄で再建されているものなので、こちらは特段見る価値は感じなかった。

(結構な雪だったのに、コンパクトカメラで普通に撮ったのでは写らない。カメラは常に体温で暖めたおかげか、何とかギリギリ最後までバッテリーはもった。)
お昼前の新幹線に乗り大阪まで戻る。雪はいよいよ本格的な降り方になってきた。
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今回出発前には実にベタな自分らしくないルートだと思ったのだが、結果としては良い週末旅行になった。折角日本にいるのだから、有名な景勝地であっても行ったことのない場所は訪れておくことに意味はある。美味しいものもたくさん食べられたし。山陽地方にも余り知られていない良い場所が随所にあるに違いない。次の機会にはそうしたところも探して足を運んでみたい。
今度の旅を印象づけてくれたのは雪がもたらした演出だった。さんざん迷って雪を避けたつもりが、連日の雪模様。なにかが微妙にずれていれば悲惨な旅になったかもしれない。しかし結果は正反対で、雪をまとった厳島神社や後楽園を楽しめたなんて、なかなか願っても叶わない貴重な体験になったと思う。
年々海外には出かけにくくなっている。その理由は、東京を離れていろいろ条件が悪くなったこと、フライト確保や治安の面で次第に問題が大きくなってきていること、新しい旅先を探すのに苦戦していること、そして何より好奇心が薄れ始めていること。これらの条件をクリアする場所を無理して探し出すことに苦しんでいると言ってもおかしくない。限られた手を必至に探す詰め将棋をやっているような気分だ。
ここ数年、そんな苦しみから逃れて近場を歩くことも楽しいと感じている。国内にも「未踏エリア」が少なくなってきており、また積極的に再訪問したいと思う街はさほど思い当たらない。もちろん、先島列島、小笠原、知床などはじっくり探索してみたいが、現実的には簡単ではないかも知れない。そう考えると、国内旅行もそろそろ詰め将棋モードと言えそうだ。それでもたまには気分を換えて、違った将棋盤でのゲームを楽しむのも悪くない。関西に居る間に、一手ずつ詰めて行こうと思っている。
そんな小旅行の合間にも、日本を旅する意味について振り返っていた。バリや熱帯アフリカに行くことは、暑熱を受けて汗をかき、濃密な音を浴びて身体を活性化させるのが目的。一方、国内小旅行は、17年間の東京・横浜暮らし(その間都合3年以上海外に滞在していたが)で崩れた感覚のバランスを補正してくれる。日本の小都市や田舎を歩くことで、そのことを痛感する。いつもほどには空間の音を楽しめなかったことが心残りだけれど、それより身体全体のリバランスを図れたことが今回の旅で一番の収穫だったのだと思う。
ネットから離れ、ツイッターも休止し、本も読まず、音楽も聴かず、難しいことは考えずにただただ歩くか寝る。前半2日は坂道ばかり歩き回って、すっかり筋肉痛になってしまったけれど、このように頭ではなく身体で考える時間がとても大切なのではないだろうか。またこんな旅にでかけられたらいいな。
(了)